漢方市場で体にいいもの見つけよう!

公開日 : 1999年02月28日
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 韓国にやってきてまず始めに覚えるのが、薬局の「ヤク」というハングル文字ではないでしょうか。ハングルが分からなくても、赤くて大きい一文字の看板は目立ちます。韓国の夜景を眺めていて、薬局の看板と教会の十字架ばかりが目に付くという話も聞いたことがあります。「ヤク」というのはカタカナで書くとなんだか恐い感じですが、薬を韓国語読みすると「ヤク」とか「ヤッ」に近い発音になり、ハングルでは一文字で表記します。 「ヤク」の看板のかかっている店をのぞくと、壁一面に小さな引き出しが並んでいるのが見えます。引き出しの一つ一つには漢方薬の名前が漢字で書かれていて、薬剤師があちこちの引き出しを開けて、薬草や木の実を調合し、紙に包んでいたりします。韓国の薬局では西洋医学の薬と東洋医学の薬をいっしょに取り扱っているので、こういう光景も日常的です。 生活の中でも古くから伝わる漢方薬を飲んでいる人が多いのにも驚かされます。自分の体質に合った処方箋を知っていて、体調を崩したり、疲れがたまったりすると、漢方医院や薬局などで薬を出してもらうのです。薬というより薬草茶に近いような感覚で日常的に飲めるものも数多くあります。  ソウルの東、京東(キョンドン)・薬令(ヤンニョン)市場は韓国に出回る漢方薬の70%をシェアしている巨大漢方市場です。千もの店が軒を連ね、各種薬剤を売る光景は壮観です。地下鉄の駅を降りるやいなや、独特の漢方薬のにおいが漂い、大きな薬草の袋を抱えた人であふれています。高麗人参などもデパートで買うより30%から50%も安いと言われています。山のように積まれた薬草の中を歩くのも楽しいものです。乾燥させた草や木の実の色や形、香りなどが実に多様で、それらが人間の体にとって薬になるのを知るのもまたうれしい発見です。 今回はおすすめの漢方茶「双和湯(サンファタン)」をご紹介します。韓国でも代表的な漢方薬のひとつと言えるでしょう。双和湯はだれでも服用しやすく、おいしいので韓国で一番愛用されています。漢方医院では過労で体調が悪くなった時や、風邪の初期か末期によくつかわれるようですが、普段から気軽に飲めるものです。 双和湯(サンファタン)に使われる漢方薬としては以下のようなものがあります。店によって調合の仕方は少しずつ違い、すでに調合されてエキスや顆粒になったものを買うこともできます。  黄精(おうせい、ファンジョン)、桂皮(けいひ、ケピ)、黄耆(おうぎ、ファンギ)、熟地黄(じゅくじおう、スクジファン)、当帰(とうき、タングィ)、川艸+弓(せんきゅう、チョングン)、芍薬(しゃくやく、ジャヤク)、葛根(かっこん、カルグン)、大棗(なつめ、テチュ)、甘草(かんぞう、カムジョ)、生姜(せいきょう、センガン) このように11種類もの漢方薬が入るのが双和湯(サンファタン)の特徴です。日本でも馴染みの名前がありますね。残念ながらハングル表記ができませんので、念のため読み方をカタカナで書いておきます。市場に直接出かけて、見せれば漢字は読めると思います。薬草のまま買う場合は、小分けにしてくれます。一つ包みが数千ウォン、10袋まとめて2万ウォンくらいで求めることができます。 一掴みほどの薬草が入っているので、それをかなり大きな鍋に入れ、水をいっぱい入れて沸かします。沸騰したら火を弱めて更に1、2時間煮出します。半分くらいに煮詰めると、濃い茶色の色になります。カップに入れ、はちみつで甘みを補っていただきます。 わたしはこの双和湯(サンファタン)のおかげで風邪知らずです。1日1、2回はお茶として飲んでいます。体が温まり、心が落ち着いてきます。毎日飲んでいると、自律神経を整える効果もあるようで、冷え性、不眠症が治ったとか、疲れにくくなったという話を聞いたことがあります。生理不順や生理痛等に悩まされる女性にもおすすめです。最近ではコンビニでもビン入りの顆粒が買えます。効能は多少落ちますが、市場まで足を伸ばせない方も、ぜひおみやげにどうぞ。京東(キョンドン)・薬令(ヤンニョン)市場への行き方地下鉄1号線祭基洞(チェギドン)駅下車すぐ第1、3日曜は休み 

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薬令(ヤンニョン)市場の漢方薬剤を売る店

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