仁川国際空港オープンまで1カ月

公開日 : 2001年02月28日
最終更新 :

 韓国では忘れかけていた物事がにわかに急ピッチでスタートすることがよくある。仁川国際空港も然り。3月29日からは近くて便利だった金浦空港が使えなくなる…というニュースを知ったのはつい最近のこと。周りの韓国人も「手抜き工事で中断してると思ってたのに、いつの間にできたの?」といった反応だ。こんなことで大丈夫と心配になるくらい誰も空港への行き方を知らないし、なんだか未解決の問題もいろいろあるようだ。それでもケンチャナヨで為せば成るの精神でとりあえず始めてみるのが韓国式。 まずは空港からのアクセス。ソウルの江南(カンナム)からは約100キロに位置する新空港。致命的なのが地下鉄整備が間に合わなかったことだろう。2005年にならないと地下鉄でのソウル直通乗り入れは不可能ということだ。となると、バスかタクシー。空港から都心までは車で2時間はかかると思ったほうがいいだろう。ソウルと仁川空港をつなぐ空港専用の高速道路が昨年11月に開通され、ソウルの西側郊外まで走ることができる。タクシーの運転手に尋ねると、高速道路に進入すれば、時速100kmで仁川空港までは30分程度ということだ。しかし、空港への陸路が他にないとなると、渋滞は避けられないだろう。裏道名人のタクシー運転手には一度入ったら出口のないこの専用道路はかえって厄介な存在のようだ。 空港発のリムジンや直行座席バスも路線が決まった。ただ、料金の方は15000ウォン程度という発表があり、高すぎると反発が出て再検討中のようだ。デラックスタクシーの料金は市内まで6、7万ウォンくらいになると予想されている。普通のタクシーでも4、5万ウォンにはなりそうだ。6〜10人乗の空港専用バン型タクシーも導入されるそうだが、いずれも料金は今よりかなり高くなるだろう。  空港の利用料も15,000ウォンに値上がりする。最後までお財布に万札を数枚残しておく必要があるだろう。韓国人はもっと負担が大きくなる。観光振興開発基金(出国税)というのがあるから、合わせて2万5,000ウォン。自家用車で空港専用高速道路を利用して、見送ったり迎えに行ったりするのも面倒になってきた。通行料6,100ウォンがかかるからだ。  時間的にも金銭的にも負担増の新空港だが、新聞によると、空港地域一帯の環境が激変し、激しい霧が深刻な問題になっているという。霧に包まれた空港では使い物にならない。海を埋め立てて空港を造るという計画に環境団体は当初反対していた。小さな島をめぐる環境はアスファルトを一面に敷きつめた空港特有の性質により、昼と夜の気温差が大きくなり、霧が発生しやすくなってしまった。 人間が計画し、造るものはどうも予定通りにいかないものだ。

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