ジダン事件と韓国語の悪口

公開日 : 2006年07月14日
最終更新 :
060710.jpg

 10日明け方に行われたワールドカップ決勝戦の韓国での視聴率は最高が12%だったとか。予選落ちして以来、ワールドカップ観戦にもあまり興味がなくなっていたように見えました。10日は台風も南海岸に上陸し、そのまま朝鮮半島を北上するのではとハラハラさせられた日でもありました。そしてその前の週には北朝鮮のミサイル発射もあり、かなりワールドカップを忘れて暮らしていたように思います。

 ところが、決勝戦でのジダンの頭突き事件が起こると新聞やニュースはいっせいにその話題に飛びつき、またまたワールドカップ一色となりました。この日の午前のインターネットの検索状況は新聞にも取り上げられ、ジダン事件に関心が高い様子が報道されたほどです。写真はその検索ランクですが、1位がジダン頭突き、2位がジダン退場、そして3位以降にようやく気象庁、台風経路、天気、台風と本来トップニュースであるはずの台風関連の言葉が6位まで並びます。

 さて、このジダン事件を取り上げる韓国のマスコミや韓国の人々の様子を眺めていると、日本とは明らかに異なる点が見えてくるような気がします。それは悪口、人を罵る言葉についての認識の違いです。日本のニュースを観ていると(といってもテレビでNHKワールドプライムを観るくらいなんですけど)、ジダンがなぜそこまでしなければいけなかったのか、ジダンはどんな言葉に腹を立てたのかといったあたりが今ひとつ理解できないまま、報道されているように感じます。

 韓国はちょっと違います。きっとひどい言葉を言われたに違いない、品の悪い悪口を言われて何もしない方が変だ、といったあたりを同情してニュースにしているような感じです。日本語でこうして書いているのもじれったいほど、韓国語には日本語にない悪口表現がたくさんあります。ジダンという有名選手に同情するという次元ではなく、悪口の持つ暴力性についての認識が違うような気がするのです。

 考えてみれば、日本には相手に言われて頭突きをしないと気がすまないほどの悪口、ないように思います。日本語にだっていろんな悪口はあるのだけど、韓国には(イタリアには)もっと性的で人間そのものを侮辱するような悪口がたっくさんあるんです。だから、言葉選びも真剣勝負。もし間違って口を滑らせてしまえば、その人は人格を疑われるし、体を張って応えなければいけない危険な状況になります。

 街中で突如胸倉つかんで喧嘩が始まるのを目にしたことは何度もあります。たいていの原因は言葉によるものです。どちらも怒りが収まらなければ、悪口のオンパレードとなります。喧嘩中の人には悪いけど、韓国語勉強中のわたしは耳をすませて聞いたものです。ふんふん、こういう風に重ねても使うんだな、とかこの言葉よりこっちの言葉がもっとひどいんだ、とかです。映画で勉強するのもおすすめです。でも、絶対使わないでくださいね。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。