海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > アジア  > シンガポール/シンガポール特派員ブログ

アジアにもどる

地球の歩き方
Web特派員募集

特集&トピック

シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


メール プリント もっと見る

イタリア・ヴェネト州のグラッパの聖地とも呼ばれるエリア、Bassano del Grappaで600年続く旧家、Poli家のJacopo Poliさんが醸造しているグラッパのテイスティングにお邪魔して来ました!
会場は、シンガポールで数々の賞を受賞している老舗イタリアン、Garibaldi(過去記事にリンクします)。

Poliさん一家がグラッパを醸造するようになったのは、1898年。Jacopoさんは4代目にあたり、1983年、21歳の時に跡を継いだそう。

th_1IMG_9521.jpg

th_1IMG_9510.jpg

まずは、Poli Bassano Classica
地名をそのままとった、Bassano。「鳥」という意味のイタリア語でもあり、同じ名前のオートバイの絵が描かれています。
「これは、第二次世界大戦から帰って来た祖父が作ったグラッパなんだ。戦争が終わって、鳥のように自由にどこでも行ける。オートバイの絵には、そんな喜びが表現されているんだ」と語ります。

th_1IMG_9514.jpg

赤をソーダ割りにしていただきましたが、味としては、ほのかに苦味があり、食前酒として楽しまれているアペロールとカンパリの間のような味わい。

th_1IMG_9530.jpg

続いては、ジン。2012年にジンの作り手を会い、グラッパが作れるのならジンも作れるのでは?というアイデアの元、作ってみたのがきっかけだとか。ただ、グラッパとジンは味のバランスが違うため、最初はうまくいかなくて諦めたのだそう。「自分はジンで何が表現したいのか」そう考えたJacopo さん、朝窓を開けると、森が見えたのだそう。そこで思い出したのは、父に子どもの頃連れて行ってもらった森の香り。松の木の清々しい香りが新鮮な感覚を呼び覚まし、太陽が背に当たった温かさ、そして落ち葉の上を歩いた時のふわふわした感覚、靴の下でカサカサと砕ける落ち葉。森の中を自由に探索する開放的な気分を表現したい、と感じたのだそう。
そこで、最もフレッシュな香りがあるというマスカットを使い、55度という低温で真空蒸留して香りを引き出したのだとか。ジュニパーベリーに、二種類の松の葉、そしてミント。
フレッシュなミントティーを飲んでいるような、柔らかで自然なミントの香りが特徴的でどこかノスタルジックな印象。森林の中で深呼吸しているような、そんな香りに、ほのかに甘くスパイシーなカルダモンとコリアンダーシードの余韻が残ります。
ちなみに名前は、ノーベル賞を受賞した科学者、Marconiにちなんでつけたのだとか。

th_1IMG_9536.jpg

そして、最初の一皿とのペアリングは、Poli Bassano Classicaの白です。
ライムのようなスッキリとした香りのあるグラッパに合わせたのは、冷製のエンジェルヘアパスタ、Cold Angels Hair with Hokkaido Scallop Tartare & Carelian Caviar。滑らかな北海道産のホタテ、そしてノルウェー産のキャビア。ホタテの甘み、キャビアのコク、小麦の自然な旨み。シンプルな味わいのパスタにぴったりでした。

th_1IMG_9535.jpg

ワインを作った後のぶどうの搾りかす、ヴィナッチャが原料のグラッパは、元々は庶民の飲み物でした。昔は、ヴィナッチャを何日、時には何ヶ月も放っておいて、それで作る、なんていうことも珍しくなかったそう。放置されて酸化した原料で作られたものは、当然味も劣ります。「でも、自分たちがやろうとしていることは違う。例えば、ヴィナッチャには軸が含まれている。軸には苦味と青臭さしかない。だから、うちでは、原料から軸を取り除き、搾りかすが酸化しないように、なるべく早く醸造しているんだ」とJacopoさんは言います。手間のかかる作業を惜しまない、その裏に、グラッパを進化させたい、そんな思いが伝わります。

th_1IMG_9552.jpg

そして、”Acquerello” Risotto with Prosecco, Vanila & Pink Pepper
リゾットに合わせたのは、錬金術師でもあったクレオパトラが使った錬金のための装「Crysopea(クリソペア)」を進化させた真空蒸留機を使って造ったクレオパトラシリーズ。クレオパトラをイメージした黄金の色合いは、樽熟成から生まれているのだそう。

Poli Cleopatra Prosecco
Valdobbiadene(ヴァルドッビアーデネ)産のプロセッコのヴィナッチャで作り、フレンチオークの樽で約一年間熟成させてあります。焦がした大麦や穀物のような香りがする、すっきりとした繊細な印象のグラッパ。


Poli Cleopatra Amarone Oro
は、陰干しして味を凝縮させたヴァルポリチェッラで造る、Amarone(アマローネ)のヴィナッチャで醸造し、こちらもフレンチオークの樽で一年間熟成したもの。生のアーモンドのような甘い香り、ピーチやアプリコット、金木犀のような香りにナッツのような香ばしさの印象が重なります。

th_1IMG_9547.jpg

優しい辛みのピンクペッパーを効かせたバニラの香り豊かなリゾットには、調理中にはプロセッコを、そして仕上げの香りづけとして、このPoli Cleopatra Proseccoを加えたということ。素直に寄り添うPoli Cleopatra Proseccoと、よりボリューム感の感じられるPoli Cleopatra Amarone Oroで、二通りの味が楽しめるという趣向。


Roasted Pork Loin Infused in Grappa with Wild Berries and Cocoa Sauce

th_1IMG_9558.jpg

グラッパに漬け込んでからローストした鹿児島産黒豚にはベリーと、カカオのソースを添えて。

こちらには、Poli Barili di Sassicaia
カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニョンのヴィナッチャを、スーパートスカーナワインとして知られる、サッシカイア(Sassicaia)の樽で6ヶ月寝かせたグラッパです。オススメの飲み方は、氷を入れること。「普通は冷やすと香りが落ち着くものだけれど、これは不思議なことに、冷やすとフレッシュな黄色いフルーツのようなアロマが出るんだ」とJacopoさん。

th_1IMG_9556.jpg

確かに、完熟のパイナップルのようなどこかエキゾティックな南国の香りが漂います。
Sarpa Barrique di Poli
そして、こちらはカベルネとメルローからできたもの。コーヒーやチョコレート、焦がした木のような、甘い香りがはっきりとあり、カカオの隠し味が効いたソースとの相性が抜群でした。

GaribaldiのRoberto Galettiシェフは、チョコレートのテイスティングをした際に、グラッパを合間に挟んで楽しんだことがあり、それに着想を得てこの料理をつくったのだとか。

th_1IMG_9578.jpg

そして、Galibardiのシグネチャーデザートのチョコレートケーキ、Molten Lava Chocolate Cake and Hazelnut Gelatoには、Jacopoさんの思いのつまった、Poli Pauillac が。


th_1IMG_9563.jpg

某ボルドーの五大シャトーのひとつに、何年も通いつめてやっとヴィナッチャを譲ってもらえることになったのだとか。その記念すべき一年目の年号、2007年が入ったもの。小さな醸造量で、丁寧に作り上げたグラッパ。
シャトーから新樽と古樽を譲り受け、8年間の熟成を経て、やっと完成した Jacopoさん渾身の逸品。
ラベルにはシャトー名はありませんが、グランクリュの文字が誇らしげに輝きます。

th_1IMG_9581.jpg

ハチミツやアーモンド、リコリスのような、甘く芳醇な香りをまとったグラッパは、こんなに豊かな味わいのグラッパがあるのかと、グラッパ感を覆される思い。ブランデーのような感じで楽しめます。

Poli ファミリーが作ったグラッパは、Garibaldiなど、シンガポール内のイタリアンレストランで楽しめます。伝統の味を洗練させることで、世界に誇れるものにしたい。そんな思いの詰まったグラッパです。

th_1IMG_9508.jpg

<DATA>
■Poli(ポリ)
公式サイト:http://www.poligrappa.com/eng/

■Garibaldi Italian Restaurant & Bar
営業時間:ランチ 12:00〜14:30、ディナー 18:30〜22:30、(無休) 
住所:36 Purvis Street #01-02 Singapore 188613
TEL:+65 6837 1468
URL: http://www.garibaldi.com.sg/
アクセス:MRTブギス駅から徒歩7分ほど(ラッフルズホテルの裏)


2017年3月20日

去年2016年にフランスのミシュランで一ツ星を取ったばかりの気鋭のシェフ、Jerome RoyシェフがシンガポールのFour Seasons Hotelで、3月19日までの期間限定で腕を振るっています。
Jeromeシェフが、フランス・プロヴァンス地方のLe Couvent des Minimes Hotel & SPA L’Occitaneのエグゼクティブシェフであること、Four Seasons HotelにはL’Occitaneのスパがあることから、今回のイベントが行われることになりました。

th_1IMG_9748.jpg

会場は、One-Ninety Restaurant。元々ビュッフェランチが人気のレストランですが、今回、ランチタイムは、通常の地中海料理のビュッフェがプロヴァンス地方をテーマにしたものに。そして、ビュッフェだけならS$46ですが、S$58で、これになんとJeromeシェフの手によるメインディッシュ一品が食べられるという太っ腹な内容(メニューによって追加料金あり)。

th_1IMG_9752.jpg

ビュッフェの内容は日替わりですが、シーフードや野菜をたっぷりと摂れるヘルシーな内容。チーズも幅広いラインナップで楽しめます。

th_1IMG_9776.jpg

フランス中部、Tours(トゥール)出身のJeromeシェフは、現在39歳。7人兄弟の末っ子として、農家を営む両親の元に生まれたそう。「料理の道に入ったのはなんでだかわからない。だけれども、15歳の時に「料理人になりたい」と思ったんだ。母が料理上手で、母の作るローストチキンが大好きだった。末っ子でいつも母にくっついていたから、自然と料理を覚えた。農家に生まれたから、ちゃんとした食材を使って料理をしたい、という思いは常にある。今のレストランはプロヴァンスにあるから、プロヴァンスの食材を使って農家を支えたい、という思いが特に強い、と語ります。

th_1IMG_9770.jpg

(以降メインディッシュ以外の写真は全て、Four Seasons Hotelのチームによるビュッフェの一例)

2001年〜2007年にTroisgros(トロワグロ)で働き、最終的にはヘッドシェフになった後、今度は、「メンター」と仰ぐ、Pierre Gagnaire(ピエール・ガニエール)の元へ。「習ったのは、料理に愛を込める、ということ。よくガニエールはピカソに例えられる。ピカソは抽象を描くけれど、素晴らしい写実力を持っている。それと同じで、基本のビーフブイヨンやチキンストック、そういったものが本当に丁寧に作られている。その上で、革新的な料理を作る。だからこそ、「一生に一度味わえば十分」ではなくて、愛情を込めてベースを丁寧に作っているからこそ、もう一度食べたい、と思ってもらえる料理になっている」と語ります。

th_1IMG_9766.jpg

そして、2008年〜2010年、韓国・ソウルのロッテホテルにPierre Gagnaireをオープンする際のヘッドシェフとして指名されます。とはいえ、Jeromeシェフによると、日本とは違って当時の韓国ではフランスの食材を手に入れることが非常に難しく、ソウルの市場に足を運んでは、素材を選び、「ガニエールの料理」にしていったのだとか。それは、「とてもきつい経験だったけれども、ガニエールのアイデンティティを理解し、それに当てはまる料理を生み出していくのは、エグゼクティブシェフとなった今、とても役に立っている」と言います。

レストランを率いる今、同じものを作らない、というのがモットー。常に新しい食材を探して、それを取り入れたい、と語ります。
良い素材を、きちんとしたテクニックを使って、丁寧に作る。その上で、アジアのエッセンスを入れた少しエキゾティックなスタイルが、Jerome シェフのやり方なのだとか。

th_1IMG_9767.jpg


日本の食材も、柚子や醤油、わさび、抹茶などを使うのだとか。
例えば、フランスの鮭を蒸してから枝豆と大根、ローストピーナッツやマスタード、醤油などを加えて、合わせ出汁を加える料理など、オリジナリティあふれる料理を生み出しているそう。

また、仔牛のローストを作る時に、抹茶を肉汁に混ぜてソースを作ると、味に奥行きが出るん、などのプロの技を教えてくれました。

th_1IMG_9771.jpg

そして、メインディッシュに私は、Sweet-Spiced Cod Meunière(+S$10)と、ミシュランで評価された一皿だという、Lavender-Infused Roasted Rack of Lamb(+S$15)をいただきました。

お皿がテーブルに届くと、まずそのポーションに驚きます。大皿にたっぷりと盛られているので、前菜を取り過ぎないことをお勧めします!

まず、Sweet-Spiced Cod Meunièreは、鱈のムニエル。

th_1IMG_9813.jpg

リコリス、フェンネルシード、コリアンダーシード、そして南仏の唐辛子、エスペレットに漬け込んだ鱈をムニエルに。たっぷりのマッシュポテトの上に、香ばしくグリルしたアーモンド、そして、Jeromeシェフが、「一番好きな食材」と語る、レモンがコンフィになって添えられています。レモンの酸味と香りが好きなだけでなく、全体の味を引き立てる効果があるのでよく使うのだそう。

シンプルな料理だけれども、こっくりとした甘みが乗ったアーモンド、ブラウンバターを使った豊かな香りのマッシュポテト、最後にアーモンドミルクのソースをかけて仕上げると、コクが加わりながらも重すぎない雰囲気に。フルーティーさを残したコンフィのレモンが、ほのかな甘みとすっきりとした香りを与えています。

Lavender-Infused Roasted Rack of Lamb
こちらは、ひよこ豆のクレープの下に、ひよこ豆と、レストランのすぐそばで収穫できるというサフランのピュレ、ラベンダーのソース。

th_1IMG_9780.jpg

仔羊といえば、クミンなどのスパイスやミントのソースなどが定番ですが、「ラベンダーと仔羊を組み合わせた料理、というのはこれまでなかったんじゃないかな」とJeromeシェフ。南仏特産のラベンダー。ひよこ豆のコクとハチミツのようなサフランの香りを、ラベンダーのすっきりとした香りが引き締め、仔羊を穏やかな太陽が降り注ぐ南仏の味に仕上げています。

th_1IMG_9823.jpg
(デザートビュッフェもお忘れなく!)

18日(土)には、10:30〜13:00の日程で、なんとS$80で、Jeromeシェフの3コースランチが食べられるクッキングクラスにスパのデモンストレーションがついたイベントも開催予定だそう。

詳しくは、以下のウェブサイトをチェックしてみて下さいね!
http://www.fourseasons.com/singapore/dining/events_and_promotions/


<DATA>
■ONE-NINETY RESTAURANT(ワン・ナインティ・レストラン)
営業時間:ランチ12:00〜14:30、ディナー18:30〜22:00(いずれも無休、Jeromeシェフの特別メニューは3月19日まで)
住所: Four Seasons Hotel Singapore, 190 Orchard Boulevard, 248646 Singapore
TEL:+65 6831 7250
URL: http://www.fourseasons.com/singapore/dining/restaurants/one_ninety/
アクセス:MRTオーチャード駅徒歩8分


2017年3月15日

約300年の歴史を持つ京料理の老舗を始め、京料理のお店で14年間働いた後、日本大使館の料理人を務めた柏原義之さんが料理長を務める、その名も「懐石よしゆき」。暖簾をくぐると、照明を落とした小径、そこを抜けると、落ち着いた雰囲気のカウンター席へと誘われます。とはいえ、堅苦しさはなく、「京料理も、郷土料理の一つですよ」と柏原さんは朗らかに笑います。会席料理のような華やかな見た目ですが、茶懐石のおもてなしの心と、京料理の要である出汁にこだわった料理を提供しています。

th_1スクリーンショット 2017-03-14 7.18.03.jpg

野菜は全て日本産、それもなるべく京野菜を使うようにしているそうです。

th_1IMG_4534.jpg

今回は、S$328のコースをいただきました。
カウンターの後ろには雛人形。
そして、ひな祭りということで、酒粕を使った白酒が提供されます。粒感を残さずきめ細かく仕上げた白酒は、すっきりとした甘み。優しい甘みと、麹の働きで、疲れを癒す効果もあると言われている白酒は、外の喧騒から離れて一息つき、口の中のトーンを和食に整えるのにぴったり。

th_1IMG_4536.jpg

世界を季節を映す日本の食を、全体で表現したいと、3月はひな祭りがテーマ。4月には花見をテーマに、京都らしく、7月には祇園祭がテーマになるというこだわりよう。

まずは先付。
赤貝に、まろやかな辛味の辛子味噌、ネギのぬたを添えて。辛子味噌には、ネギを湯がいてから出た粘りの部分を混ぜて、奥行きのある味にしているのだとか。日本酒にもぴったりです。

th_1IMG_4540.jpg

八寸は、サクサクしたぶぶあられの衣で揚げたタラの芽、その下にはそら豆。そら豆の間には、魚のすり身が挟まれていて、細かい仕事がされています。

th_1IMG_4544.jpg

自家製の花見団子は、ユリ根で作った滑らかな食感のもの、ほんのりと甘い、という自然な印象の甘みが嬉しい一品。その奥はこちらもひな祭りらしい海老の手まり寿司、昆布出汁の効いた優しい味わいの酸味に海老の甘みが寄り添います。

th_1IMG_4541.jpg

春を感じるイイダコは、ちょこんと梅肉を乗せ、すっきりと。添えてある枝は日本から取り寄せた梅。季節に応じて変わるそう。奥は白魚の唐揚げ、カリッとした食感を楽しむ仕上がりです。

そして、京料理で最も難しいのは、出汁、と語る柏原さんのお吸い物。器は懐石の作法に乗っ取って、霧を吹いて提供されます。

th_1IMG_4550.jpg

ハマグリ真丈の清潮仕立て。
真丈には、やや大ぶりに刻んだハマグリがたっぷりと混ぜ込まれていて、一切れ一切れを噛むごとに、ハマグリの甘みが広がります。
最初にカツオがふんわりと香り、後からハマグリの甘みと旨味がそっと寄り添う出汁は、塩気も控えめで素材の味を感じる魅力が。タラの芽のほろ苦さが、全体の輪郭を際立たせます。

お造りは、淡路島の鯛。

th_1IMG_4555.jpg

醤油が発明される前、古来貴族の調味料として使われていた煎り酒を添えて。松皮、と言って表面を霜降りにしてから炙ってありますが、この鯛の、しなやかできめ細かな肉質が最高。

th_1IMG_4558.jpg

香ばしさと共に、優しい甘みが感じられます。

本鮪の中トロには、あわ醤油を乗せて。

th_1IMG_4565.jpg

土佐醤油に少しだけゼラチンを混ぜて泡立てて作ったあわ醤油は、上質なマシュマロのような、ふわふわ感、エスプーマで作った醤油とはまた違う食感が好きでした。土佐醤油のカツオの、ほのかな酸味を感じるこのあわ醤油、脂の乗ったトロは醤油を弾いてしまう、ということで考案されたものだとか。

本来コースにはありませんが、サービスでいただいたもう一皿。
ぶりの藁焼きに、新玉ねぎと土佐醤油を合わせたオリジナルドレッシングで。

th_1IMG_4570.jpg

カツオのたたきに玉ねぎのスライスが合うように、スモークの香りとの相性抜群。
2度藁焼きしてあるということで、香ばしさが際立ち、脂の乗ったブリの旨味が引き立ちます。藁焼きは高知県などで見られる日本の古典的な料理法ですが、普段和食をあまり口にしない、という人も、きっと好きになりそうな味。

焼き物は鰆。春の季節の魚ですが、文化焼き、という西洋の料理法を生かした変わり焼きの一種での提供。

th_1IMG_4571.jpg

旬の鰆ですが、そのさっぱりとした個性にコクをプラス、卵黄に油と酢を加えた、自家製のマヨネーズをかけて焼いてあります。とはいえ、酸やスパイスのインパクトの強いマヨネーズではなく、あくまでもコクと、表面を焦がした香ばしさを加えるためのもの。

th_1IMG_4581.jpg

穏やかな鰆の味を覆い隠すことなく、華やかさをプラスする印象です。


魚料理が続き、肉のメインに行く前に、西洋料理ではグラニテなどが出てくるところですが、こちらでは、筍の土佐煮で一息。

th_1IMG_4586.jpg

とはいえ、前半の味の構成とは少し変えて、出汁をはっきりと効かせて、やや甘みもしっかりめに。全体のトーンを落とさずに、しっかりと次の牛肉につなぐ橋渡しになっています。すっきりと食べられるように工夫された柴漬けおろし、柔らかく繊細な、春ごぼうのきんぴらを添えて。

強肴は鹿児島和牛の炭火焼。

th_1IMG_4591.jpg

和牛ならではの脂の旨味、そして香ばしい炭の香り。芽ネギとたっぷりのミョウガが上品な和の印象。甘いトマト、アメーラを添えて、甘みと酸味をプラス、味にふくらみを持たせています。

th_1IMG_4602.jpg

お食事に添えるお漬物に、と柏原さんが鰹節を削り始めました。最高級の本枯れ節の削りたてを、パラパラとかけた自家製のぬか漬け、古漬け。そして、ほんのり山椒が香る赤出汁と共に出されたのは、大人気という、桜エビの土鍋ご飯。

th_1IMG_4609.jpg

土鍋で炊き上げたご飯はお米の甘さが引き出されていて、一旦桜エビを素揚げして、それから混ぜ合わせてあるので、桜エビの香ばしさが楽しめます。細かく切った青紫蘇、ほんの少しのゆかりと混ぜて。

th_1IMG_4617.jpg

水菓子は、皇室御用達の静岡のクラウンメロンとせとか。
せとかはきめ細かくみっちりと詰まった果肉の質感と甘酸っぱさが楽しめ、毎日丁寧に転がしながら追熟したというメロンは、コンポートを食べているかのように甘くて香り高くジューシー。

最後は、お抹茶とともに、桜餅。

th_1IMG_4623.jpg

繊細な皮の中の粒餡が、個人的にとても好みでした。甘すぎず、アクが綺麗に抜けていて、小豆の美味しいところだけを引き出して作ったような、上品な餡。

日本の春ののどかな里山が浮かぶような、穏やかな余韻を残した締めくくりでした。

th_1IMG_4629.jpg

最大7人が入れる個室は、特に使用料などもかからないそうなので、大勢が集まる会食など、大切な席には予約してみては。

素晴らしい京料理の世界を気軽に味わいたい、という方には、「カジュアル会席」と名付けたランチの丼がおすすめ。壁を隔ててすぐ隣の姉妹店、Horses Mouthで提供されています。

th_1IMG_4018.jpg

今回ご紹介した桜エビの炊き込みご飯の丼やマグロの漬け丼、牛丼などが揃っていて、味噌汁や、漬物、デザートがついたセットで、なんとS$25〜。ちなみに、全て会席よしゆきのキッチンで作られていますから、お味は折り紙つき。シックで落ち着いた雰囲気は、よしゆきの雰囲気を継承しています。
夜訪れる前にお味を試してみたい、という方や、自分へのご褒美ランチなどにもぴったりです。

<DATA>
■懐石よしゆき
営業時間:ランチ 12:00~(L.O.13:30)、ディナー 19:00~(L.O.21:30)、日曜休
住所:583 Orchard Road, Forum The Shopping Mall, B1-39 Singapore 238884

電話: +65 6235 1088
アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩7分


2017年3月12日
2017年3月 4日
2017年3月 1日
2017年2月28日
2017年2月25日
⇒すべての記事を見る

シンガポール旅行 旅スケジュール

旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■シンガポールの旅行記・口コミ「旅スケ」へ