マンダリンオリエンタルのモダンチャイニーズ「Cherry Garden」

公開日 : 2014年11月01日
最終更新 :

アクセス抜群のマリーナエリアに立つ、マンダリンオリエンタルホテル内の中華のファインダイニング、「Cherry Garden」。ホテル自体が、照明を落としたシックでオリエンタルな雰囲気に包まれていますが、メインダイニングである Cherry Garden も、都会の喧噪から離れ深呼吸ができるような、上質な空間が創り出されています。

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扉の先には、盆栽が飾られた重厚さと上品さを兼ね備えたエントランス。

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アンティークが飾られた店内は、広い個室もあり、ビジネスでの利用や、家族や仲間とのお祝い事の席にも良さそうな感じです。

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食器も、店名通り、日本人になじみの深い桜の花があしらわれています。

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今回は、お店のシグネチャーメニューをコース仕立てでお願いしました。まず登場したのは、今シンガポールで流行しているアミューズの一つ、「Crispy wasabi-aioli prawns with fresh mango and tobiko」

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軽くサクサクの衣の海老の天ぷらのようなものに、ワサビのソースとマンゴーを合わせたもの。上に乗ったトビッコのような卵のプチプチ弾ける食感も楽しいスタートの一皿です。

続いては、点心の三種盛り。

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蒸籠の蓋が開いた瞬間、トリュフの香りが辺り一面に広がります。ロブスターに、贅沢に黒トリュフのピューレをたっぷり載せた点心、Steamed lobster and scallop dumplings with black truffles(点心はいずれも3個の価格、12シンガポールドル)、そして、マレー風焼き鳥のような、ローカルフードの「サテ」からインスピレーションを得た牛肉の点心 Sha Cha beef dumpling (7シンガポールドル)。甘い香りの中国のスパイス、五香粉を使った牛肉に、ピーナッツベースのサテソースがコクをプラスした、オリジナルの品です。

  Steamed juicy pork xiao long bao(小龍包、7シンガポールドル)は、とっても上品な味わいながら、中のスープにはしっかりとしたコクが感じられ、食事のスタートとしてもぴったりの一品でした。

続いて出て来たのは今月のお題でもある「スープ」、Golden pumpkin soup with morel mushrooms and diced chicken(38シンガポールドル)。

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通常、中華ではカボチャはあまりスープとしては使わないそうですが、40年のキャリアを持つ、香港出身のチュヨン・ホン・チャウ(Cheng Hon Chau)シェフは、西洋の食材やローカルのフレーバーを積極的に取り入れているそうで、こちらもそんなシェフの創造力が生きた品。西洋のスープほどクリームが強くなく、カボチャの自然な甘みが生きています。ふわっと漂うトリュフとモリーユ茸の香り、メロンの種の食感が楽しく、また中華らしい味わいとなっています。

シーパーチSea perch(スズキの仲間)のフライ、Deep-fried Soon Hock with fragrant garlic and superior soya broth(20シンガポールドル)

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個人的にも魚介類が大好きと言うシェフのスペシャリティーの一つ。丁寧に包丁が入った白身の魚は、外側の衣がカリカリ、内側の魚の身はしっとりふんわり。この魚のふわっとした食感を保つ火の入れ方に、シェフはこだわっているのだとか。下には、エノキ茸とほうれん草が敷かれています。

〆にはご飯ものを。

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黒と白のチャーハンを組み合わせた、「陰陽」チャーハン"Yin Yang" fragrant fried rice with duo sesame seeds, egg white and crabmeat (Sサイズ24シンガポールドル、写真は2人でシェアしたもの)を。

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黒ごまたっぷりの黒いチャーハンも、贅沢に使われたカニ肉の味が生きた白いチャーハンも、全く油っこくなく、ふんわりパラパラの上品な味わいでした。

横に添えられているのは、フレッシュなアスパラと茸をXO醤で炒め、揚げた海藻を散らしたStir fried asparagus with Hong Kong kai lan and honshimeiji mushrooms in spicy XO sauce(Sサイズ26シンガポールドル、写真は2人でシェアしたもの)。

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ほのかな酸味とセロリの香りが清々しく、食欲を増してくれます。

野菜と綺麗に盛られたチャーハンをワンプレートで合わせる感覚は、どこか漬け物とご飯で締めくくる和食の世界と共通するものを感じました。白と黒のチャーハンを合わせる等、こういった盛りつけの工夫も、楽しいですね。

デザートは、中国の「女児紅」というおめでたいいわれのある紹興酒と、サクランボのソースを合わせた冷たいデザートCherries in nu er hong and kuei hua chen Chinese wine cocktail jelly, served with refreshing lychee sorbet(10シンガポールドル)。

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中には桂花陳酒のゼリーが入っていて、甘い香りが楽しめます。元々昔からCherry Gardenにあったデザートなのだそうですが、シェフは、ライチ味の小さなゼリーの粒を入れてアレンジ。

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口に入れると、中から液状のライチジュースが飛び出して来るのが面白いアクセントになっていました。ちなみに、シェフは分子量理学(モレキュラーキュイジーヌ)のレストランで似たようなゼリーを味わい、アレンジしてみたのだとか。上に載っているライチのソルベを溶かしながらいただくと、南国らしい香りと共に、ほのかなアルコール感と涼やかな甘さが感じられます。

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好奇心おう盛なシェフは54歳。シンガポール中を食べ歩き、市場にも足しげく通って、人気のある食材や食のトレンドを知る為の研究に余念がないとか。シンガポールならではのアクセントの効いた中華、ぜひ試してみてください。

<DATA>

■Cherry Garden

営業時間:ランチ 12:00〜14:30、ディナー 18:30〜22:30

(土日祝日は11:00〜と13:30〜に、点心ブランチ(68シンガポールドル)あり)

住所: Mandarin Oriental Hotel 5 Raffles Avenue, Marina Square, Singapore 039797

TEL:+65 6885 3500

URL: http://www.mandarinoriental.com/singapore/hotel/hotel-news/

アクセス:MRTプロムナード駅から徒歩10分ほど

<お勧めレストラン一覧>

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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