温かい"アイデンティティーのある"上質なイタリアン「Garibaldi」

公開日 : 2015年02月25日
最終更新 :

「上品な雰囲気の中、本物のイタリアの味が楽しめる」と人気なのが、イタリアのロンバルディア州出身の有名シェフ、ロベルト・ガレッティ(Roberto Galetti)シェフのレストラン、ガリバルディ。

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一時期は5つのレストランチェーン、バーを経営していたロベルトシェフが、3年前、自分の料理に集中したいと、全てのレストランを手放し、たった一つだけ残したのが、このGaribaldi。シェフの思いのこもった場所です。

天井が高く、ベージュ色が基調の店内は、上質な落ち着きがありますが、美味しいものを愛する人たちの、穏やかなざわめきに満ちています。

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また、年代物のワインの品揃えにも定評があり、World Best Wine List 賞に輝いた他、様々な賞を受賞しています。

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この日は、ホタテのメニューとデザート以外は、通常のアラカルトの分量を1/3〜1/4程度に抑えた、7皿のテイスティングメニューを頂きました。(各料理の金額は通常のアラカルトサイズのもの)。

まずサーブされたのはフォカッチャ。

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塩気がしっかりあるドライトマト入りで、食前酒をいただくシチュエーションにもよさそう。添えられているオリーブオイルは、軽すぎず重すぎず、ちょうどいい味わいでした。

この日はちょうどロベルトシェフがイタリアから帰って来たばかりと言うこともあり、質のいい材料が手に入った時しか出さないと言う "Finest Italian Parma Ham with Traditional Romagna Fried Dough"(38シンガポールドル) がメニューにありました。今回は特に、シェフ自らスーツケースに詰めて持って帰って来たと言うサラミの入った超限定品です。

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ふんわり揚げられたロマーニャ風のパンを取り巻くハムは、それぞれに個性あふれる味でしたが、正面下の位置にある、中心がロース肉のサラミが、滑らかな舌触り、塩気と酸味、奥から立ち上がる深い香りのバランスが良く、一番好みでした。

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また、右斜め上の位置にあるパルマハムは、とても柔らかく、もはや「クリーミー」とすら呼びたくなる位滑らか。口の中でとろけるこの食感は、本当にお勧めです。いつもある訳ではないそうですが、見かけたらぜひ試してみてくださいね。

Pan-Seared Hokkaido Scallops with Truffled Emulsion(36シンガポールドル)

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ホタテの表面は香ばしく焼き上げられ、中はしっとり。自然な甘みが引き出されて、トマトの酸味が効いた旨味たっぷりのクリームソースによく合います。

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更に、白トリュフのスライスが乗っていて、まさに絶品でした。北イタリアのロンバルディア出身のシェフにとって、北イタリア特産の白トリュフは特にこだわりがあり、こちらも自ら産地を訪ね、持ち帰って来たそう。

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Linguini with Fresh Australian Spanner Crab, Tomato Cream in Vodka Sauce(38シンガポールドル)

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リングイネは程よいコシがあり、ホロホロとしたカニの身がからみます。トマトクリームソースにはしっかりカニの旨味が溶け込んでいます。

Crispy-Baked Italian Seabass with Roasted Seasonal Vegetables(58シンガポールドル)

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イタリア産のシーバス(スズキの仲間)は皮目がとても軽く、パリパリに仕上げられていて、身からは脂がジュワッとしみ出して来ます。とてもきめ細やかな肉質で、塩気のあるシーバスを、野菜とバルサミコの甘みでいただくような印象です。更に、皮にはしっかりと海の香りがあり、上質な素材の味を感じられます。

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野菜も、ナスは柔らかくトロトロに、ズッキーニは歯応えを残して、個性を生かした下ごしらえがされています。

Garibaldi Signature Braised Veal Cheek with Bone Marrow & Saffron Risottto(58シンガポールドル)

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仔牛のほほ肉の煮込みは、ごくごく柔らかく、ポルトワインで香りよく煮込んだボーンマローの濃厚なソース、絶妙に芯を残したサフランライスのリゾットと良く合います。タンニンの効いた赤ワインと良く合いそうな味わいです。

Japanese Pure-Bred Miyazaki Wagyu Beef (Grade A5)(138シンガポールドル)

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A5の宮崎和牛は、霜降りのとろける肉質を生かした火加減で、噛むとじゅわっと脂が広がります。

添えられたヴィオラの花からは蜜の香り、ジロール茸の森の木々のような香りがして、良いアクセントになっています。

Molten Lava Chocolate Cake with Vanilla Gelato(18シンガポールドル)

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ケーキは割るとチョコレートがとろ〜りと流れ出して来て、カリカリとしたココアのクランブルとの食感の違いが楽しめ、添えられたバニラアイスは、濃厚なチョコレートに対して重すぎない、バニラシャーベットのような印象。

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味わいは軽やかながら、しっかりとバニラの香りがあるので、ちょうど良いバランスです。

盛りだくさんの泡が浮かぶカプチーノはまろやかで優しい味でした。

コース全体を味わってみて感じたのは、とっても育ちの良い、端正かつ骨太なイタリアン。素材の良さはもちろん、それを引き出す丁寧な下ごしらえ、テーブルについた段階で一番美味しい温度になるように調節された火加減、書くと当たり前に見えるけれども、実は繊細な感性が必要なことを、きちんと完璧にやりきってある、そんな印象でした。

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実は日本とも縁の深いロベルトシェフ、1997年から99年まで、日本のフォーシーズンズホテル椿山荘のメインダイニングだったイタリアン、Bice(現在は汐留に移転)のスーシェフとして働いていたそうです。日本料理は大好きで、日本で働いていた際には、天ぷらや寿司、うなぎ等をよく食べていた他、おでんは、シンガポールでも食べに行くほど大好きだとか。特に、栄養のバランスを考えて少しずつ出て来る日本料理のスタイルを、メニューを組み立てる際の参考にしているそう。

とは言え、フュージョン料理を作ることは考えておらず、一番大切にしているのは、どの料理にも、イタリアの"アイデンティティー"があること、なのだそう。つまり、イタリアで使わない食材はどんなにいいものでも使わず、また、イタリアで使われているのと同じ使い方でしか使わないのだそう。例えば、イタリアでウニをパスタに使うならパスタに使う。といった具合。スローフード発祥の地であり、地域毎に独自の文化を保つ郷土食への思いの深いイタリア。そんな純粋なイタリアンの血統を守り抜く、と言った印象の正統派イタリアンです。

幼い頃からキッチンに立ってお母さんの料理を手伝うのが大好きだったと言うロベルト少年。今も母の作るチキンミラネーゼが一番の大好物だとか。料理の道を選ぶきっかけになった母へのオマージュとして、写真付きの母のレシピブックレットを自費出版して、常連のお客さんにプレゼントしているそう。洗練された味の裏には、幸せな記憶から生まれた、イタリアの温かい母の味がありました。

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接待や記念日にも安心して使える、上品で豪華な雰囲気がありつつも、どこかほっと和める柔らかさがある、そんなレストランです。

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■Garibaldi Italian Restaurant & Bar

営業時間:ランチ 12:00〜14:30、ディナー 18:30〜22:30、(無休) 

住所:36 Purvis Street #01-02 Singapore 188613

TEL:+65 6837 1468

URL: http://www.garibaldi.com.sg/

アクセス:MRTブギス駅から徒歩7分ほど(ラッフルズホテルの裏)

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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