「Ding Dong」シンガポールの伝統をモダンにアレンジした独創的で冒険的な料理

公開日 : 2015年02月15日
最終更新 :

自らの「ラボ」を持ち、前衛的な料理を生み出す事で知られる「Tippling Club」のライアン・クリフオーナーシェフが、シンガポールの伝統的な「プラナカン料理」を中心に、よりアジアの雰囲気を強調するカジュアルなお店としてオープンしたのが、「Ding Dong」。

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店を任されているのは、マレーシア出身で、プラナカン(中華系とマレー系の血と、独自の文化を受け継いでいる)出身の、ジェット・ロー(Jet Lo)ヘッドシェフ。まだ20代の若さあふれるシェフならではという、個性あふれる料理が楽しめます。

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お店は、伝統的なシンガポールの建築、ショップハウスを改装し、「古き良き」時代を感じさせる、エキゾチックなたたずまい。ピンクのネオンやライティングが、キッチュな雰囲気を醸し出しています。

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東洋と西洋の融合した不思議な空間は、まさに様々な文化や人種が混ざり合うシンガポールそのもののよう。

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提供される料理も、アジア料理がベースながら、思いもかけないアレンジや組み合わせの妙に驚かされる、無国籍料理です。

そして、忘れてはならないのは、オリジナルカクテルの数々。

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日本初の地ヨーグルトから作ったリキュール「子宝」を使ったカクテル、「フジヤマ(18シンガポールドル)は、さっぱりとした甘みで飲みやすく、お勧めの一杯。

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2013年6月のオープンと共に、ヘッドシェフとして就任したJetシェフ。父がコーヒーショップ(コーヒーと共に食事を提供する定食屋のような店)を営み、母の実家では自家製豆腐の製造販売をしているという一家に生まれたそう。13歳の時から、曰く、「ノーと言う機会は当然与えられずに(笑)」父の店を手伝っていただけあって、プラナカン家庭に伝わる伝統的な料理は舌が覚えているのだとか。ただ、プロの料理人としては、オーストラリアとスイスで、西洋料理の修業を積んだだけに、料理を作る際のアプローチはあくまでも西洋風。

このHomemade black miso tofu, daikon & ginger salad with Japanese dressing(15シンガポールドル)も、母親が作っていた豆腐とは違い、日本から輸入した黒豆味噌と豆腐を使って創り出したオリジナル。冷やし中華のような、酢の利いたさっぱりとしたドレッシングで和えた大根、ごま油の香りが食欲をそそります。

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続いては、牛肉のタルタルをアジア風にアレンジしたと言う、Asian Wagyu Beef Tartare with homemade chili sauce & pickled vegetables(24シンガポールドル)。

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伝統的な西洋風の牛肉のタルタルは、トーストと一緒にサーブされますが、こちらはシンガポールらしく、インドの「パパダム」という軽いスナックのようなチップを添えて。そして、コリアンダーや、シンガポールでよく食べられている小さな唐辛子、「チリ・パディ」を使ったオリジナルのチリソースでアジアの雰囲気が感じられるアレンジになっています。

軽くつまみたいたい時にぴったりのSmall Plate、中でも一番のお勧めはCarbon-battered prawn tempura red curry marinade & soy wasabi mayonnaise(16シンガポールドル)。

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Tippling Clubでも同じように竹炭を使った衣の天ぷらが出てくるのですが、こちらは海老バージョン。衣はサクサクでとても軽く、海老はしっとりとした絶妙な火の入り具合で、海老の甘みが十分に感じられます。ワサビ醤油のムースのようなソースをつけて頂きます。

Roasted duck dumpling, shitake mushroom with duck consommé(18シンガポールドル)は、ローカルフードとして食べられているローストダックをアレンジ、点心の皮の中にローストダックを詰め、外に旨味をぎゅっと濃縮したコンソメを添えたもの。

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スプーンに点心を取り、シナモンやクローブ、スターアニス等中華のスパイスの効いた甘い香りのスープと一緒に頂くと、小龍包のローストダックバージョンのような印象に。

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Jetシェフの個人的なお気に入り、と言うのが、Homemade pancake with spiced pork minced & kaffir lime yogurt(15シンガポールドル)。

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外側がカリッとしたパンケーキに、タコスのように挟まれた肉に、シンガポールでよく使われるハーブ、カフィライムが香る濃厚なヨーグルトソースをつけていただきます。

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豚肉は水気をしっかり飛ばしてあり、セミドライな食感です。カフィライムのすっきりとした香りとヨーグルトソースのコクがよく合います。

メインとなる、Bigger Plate は、ふりかけご飯?に一瞬見える、スチームライスに海苔とフライドガーリックを散らしたものがついて来るので、ボリュームもたっぷり。

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シンガポールらしく、プラナカン料理からインスピレーションを得た品をいただきます。Asam pedas w salt water barramundi with okra & baby eggplant(20シンガポールドル)は、タマリンドと唐辛子を使ったソースで味付けされた魚の伝統料理。

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スズキは、表面はカリッと、内側はふっくらと焼き上げられ、甘酸っぱく辛いソースがよく合います。通常のプラナカン料理よりも、辛さや油が控えめなので、さっぱりとした仕上がりになっています。

もう一つ、プラナカン料理の代表格、48 hour beef cheek rendang(23シンガポールドル)は、ホロホロに柔らかく煮込まれた牛ほほ肉に、ココナッツミルクが効いたカレーのような、レンダンソースがかかっています。

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お店によってはかなり辛いものもあるビーフレンダンですが、こちらは辛さ控えめで、お子様でも食べられそうな、優しい味わいです。

デザートは、どなたにでもお勧めできるのが、シンガポール版かき氷をアレンジした、Malacca Cendol 2013(15シンガポールドル)。

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こちらは、かき氷の上にスイートコーンのアイスクリーム、そして同じコーンの香りがありつつも軽やかな食感が面白い、ポップコーンが乗っていると言う組み合わせ。ココナッツのゼリーとパームシュガーのかき氷とかき混ぜながらいただくと本当に絶品です。

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ちょっと変わったデザートが食べたい、という方には、Ding Dong's frozen bibimbap(17シンガポールドル)がお勧め。スモークと共に登場したのは、名前通りビビンバの形をした、でも、中味はまるで新しいデザート。

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中央の卵黄をイメージした丸い部分はマンゴーのピューレ、緑色は胡瓜のメレンゲ、そして赤い部分はチリ風味のチェリーのコンポート。

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全体をざっくりと混ぜていただきますが、サクサクで胡瓜のフレッシュでみずみずしい香りのメレンゲ、甘みと辛みが絶妙にマッチしたチェリーコンポート、南国の甘い香りのマンゴーが合わさった、新しい味わい。カリカリのお米のパフの香ばしさもいいアクセントになっています。しっかり辛くて、そして甘いので、唐辛子チョコレート等がお好きな方に試していただきたい味です。どちらも、普通サイズのビビンバ丼にたっぷりと入って出て来ますので、2〜3人でシェアして食べるのがお勧めです。

カクテルは、この他にも、ローカルフレーバーを生かしたものが揃っています。もち米とココナッツミルク、テキーラを使い、ヴァニラのようなパンダンリーフで香り付けした、Kueh Blanco(19シンガポールドル)、

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ローカルのデザートによく使われる、マラッカ産のパームシュガーで味付けしたラムベースのPirates of Malacca(マラッカの海賊、18シンガポールドル)

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など、味わいも見た目も面白いカクテルが揃っていますので、食事の後の、二軒目のバーとして利用するのも楽しいと思います。

お腹ペコペコ、しっかり食べたい! という時は、単品でオーダーするよりお得なセットメニューもありますので、チェックしてみてくださいね。

「クレイジーだ、でも美味しい!と言われる料理に、どんどんチャレンジして行きたい」と語るJetシェフ。シンガポールらしさを感じつつ、食事で思い切り、クレイジーな挑戦を受けて立ちたい! と言う方にお勧めです。

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■Ding Dong

営業時間:ランチ 12:00〜15:00(平日のみ)、ディナー 18:00〜深夜 (日曜休)

住所:23 Ann Siang Road, 069703

TEL:+65 6557 0189

URL: http://www.dingdong.com.sg/

アクセス:MRTチャイナタウン駅から徒歩7分程

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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