「Il Cielo」天空のプールレストランでミシュランの味【$100Gourmet】
先日ご紹介した $100 Gourmet の5月のコラボレーション、Riccardo Catarsi × Anthony Demetre at Il Cielo に行って来ました!
ヒルトンの最上階、24階に位置するIl Cielo。イタリア語で「空」という名前通り、広々とした空とプールが広がる、開放感あふれる空間。
今回ロンドンからやって来たミシュラン一つ星 「Wild Honey」の、Anthony Demetreシェフは、フレンチの古典的な味を型破りな方法で再現する「Bistronomy」の先駆者としても知られています。迎えうつRiccardo Catarsiシェフも、伝統的なイタリアンに対してモダンなアプローチをしています。
そんな2人のシェフがコラボレーションしたメニューをご紹介していきます!
まずは、卵を使ったアミューズ。パルミジャーノチーズと、季節のホワイトアスパラガスのフォームに半熟卵、そして、Anthonyシェフがはるばるロンドンから持って来た「蕎麦の実」をローストしたものが。
「もちろん、この蕎麦の実は日本産だよ。日本の料理の味の純粋な味、洗練されたテクニックは、自分が目指す所でもあるんだよ」とAnthonyシェフ。
コクのある卵黄とパルミジャーノチーズに、ホワイトアスパラガスのほのかな甘みと苦みが感じられる繊細さ。蕎麦の実の甘く香ばしい香りが優しいアクセントになっています。
まず、一皿目はRiccardoシェフのシグネチャーディッシュ、Anchovies Caprese Styled。
モッツァレラチーズとトマトのサラダ、カプレーゼとアンチョビ(イワシ)って合うのかしら? と、最初は疑問に思いましたが、フレッシュでミルキーなブッラータチーズのフォームとトマトのクリーム、そしてオリーブオイルの香りをまとってカラリと揚がったアンチョビが意外な相性の良さです。アンチョビ×揚げ物という組み合わせながら、まったく重たくないのも、シェフの技量の賜物。アンチョビのごくほのかな苦みも、よいアクセントになっています。
続いては、AnthonyシェフのTartare of Scottish Scallops。
スコットランド産のホタテ貝の上に乗っているのは、「さっきのアスパラガスに続いて、イギリス人の三大好物(アスパラガス、グリーンピース、いちご)を持って来たんだ」とシェフが語るグリーンピースのババロア。そして、メキシコを訪問した際にシェフが出会ったという、カフィライムの葉が南国らしい香りを添えています。そして、なにより印象的だったのが、上に乗ったオイスターリーフというイタリアのハーブ。フレッシュなホタテを楽しんだ後、このオイスターリーフを一口かじると、ホタテがみるみるうちに新鮮な生牡蛎の味に!葉だけでも牡蛎の味がするのですが、ホタテの食感と合わさると、まさに牡蛎そのもの。「一粒で二度美味しい」、と言いたくなるような、魅力的な前菜です。
そして、いよいよコラボレーションの一皿目。Pappa Al Pomodoro Cream
甘エビのような食感と甘さを残した絶妙な火入れの海老と、グリルしたアボカドに、オーガニックのキャビアを飾った一皿。バジルのチュイルがさくさくとした食感と、エスニックになり過ぎず料理の流れをイタリアンに引き戻します。やや甘い海老のムースをアイスクリーム仕立てにしたものをソースのようにして頂きます。刻んだ玉ねぎのシャキシャキした歯応えと香りが、全体を引き締めています。
RiccardoシェフのFoie Gras Ravioliは、ラビオリの中からマスカルポーネチーズと合わせたクリーミーなフォワグラが出て来ます。
フォワグラ好きの私は特に気に入りました。重たくなりがちなフォワグラですが、甘いソースの代わりに甘みを引き出した玉ねぎを使ったり、仔牛のだしをフォーム状にしたりして、クラッシックなスタイルの料理と食べるのと同じように楽しみながら、カロリーは控えめになっているのが嬉しい所。
コラボレーションの二皿目、メインディッシュの肉料理は、Kurobuta Pork。
オリーブオイルを使ってじっくりと16時間蒸し煮にした黒豚は、とろけるように柔らか。この黒豚の皮の部分は、水分を取り除いてカリカリに軽く揚げてあります。軽いのですが、脂身の香りが楽しめ、満足感があります。ギリシア系で、実は中東の料理やスパイスが大好きだと言うAnthonyシェフ。付け合わせの人参にはクミンシードが、パイナップルのピューレにはスターアニスがほのかに香ります。良く味わってみてほのかに感じる効かせ方は、とても上品な印象です。
Anthonyシェフが個人的に大好きだと言う柑橘類、レモンを使ったパルフェ Iced Lemon Parfaitは、ラズベリーと、酸味と野性味のあるカタバミの葉、フェンネルのスライスが添えられていて、春の野原をイメージさせます。酸味のある素材を、パルフェのクリームが優しく包むデザートです。
「元々伝統的なフレンチは、素材の持ち味を引き出す料理だった、その純粋な部分を大切にしたいんだ」と語るAnthonyシェフの言葉通り、いずれも、素材を生かしたバランスの取れた味に仕上がっていました。もちろん、エスプーマ(泡)などを使ったりはしていますが、どちらかと言うと作り込み過ぎず、シンプルに自然の味を表現する印象です。エスニックな素材も、目立ち過ぎずさりげなく使われていて、足し算をし過ぎない良さがあります。
アスパラガスやアンチョビなどの素材はあえてほのかな苦みを生かしたりと、繊細な味付けは日本人の口にも合いそうです。
このスペシャルメニューが楽しめるのは今月28日まで。ちなみに、今回のコラボレーションで多くのことを得たと言う若きRiccardoシェフの料理は引き続きIl Cielo で楽しめます。
これから来年3月まで毎月続くこの$100Gourmet、どんな組み合わせになるかは、まだ秘密だとか。今公開になっているのは、6月のコラボレーション。あの三ツ星シェフがシンガポールにやって来ます!詳しくはウェブサイトをご覧下さい。
$100 Gourmetについては、こちらの記事もご参照ください!
<DATA>
Riccardo Catarsi × Anthony Demetre at Il Cielo(〜28日まで)
営業時間:ランチ 12:00〜14:30(平日のみ) 、ディナー 19:00〜22:30(無休)
住所:Level 24 Hilton Singapore, 581 Orchard Road, Singapore 238883
TEL:+65 6730 3395
アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩5分程
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
【記載内容について】
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