Winery of the year 2016 受賞、Allegriniスペシャルランチ

公開日 : 2016年10月04日
最終更新 :

世界のワインを扱う、日本のワイン専門商社、Enoteca(エノテカ)。シンガポールでもオーチャードの高島屋シンガポールの地下2階に小売店がありますが、メインはファインダイニングを中心にした、レストランへの卸なども行っています。

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今回、取り扱いを始めて2年になるというイタリアのワイナリー、Allegrini(アレグリーニ)から、6代目のMarilisa Allegriniさんを招いてのメディアイベントが行われました。

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格付けで有名なイタリアワインのガイドブック、Gambero Rosso(ガンベロ・ロッソ)でワイナリー・オブ・ザ・イヤーに輝き、アメリカのWine Spectator(ワイン・スペクテイター)誌のトップ100ワインに6回も輝いた、ヨーロッパ唯一のワイン、Palazzo Della Torreなどのワインを擁しています。

Marilisaさんは6代目ですが、ワイン畑を買い、事業を拡張したのは父Giovanniさんの代。今は亡きGiovanniさんから教わったことは?とお聞きすると、「父はワインづくりに情熱を傾けた人生を送った人。そのアドバイスは本当に数えきれないくらいあるわ。だけれど、あえて一つ挙げるとしたら、『土地を買え、そして決して売るな』という事かしら。」

と話します。

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(今も家族経営でワイン造りを行っています)

その言葉通り、現在、Allegriniのブランドだけでなく、手ごろな価格帯で、若者にも手が届く、クオリティの高いデイリーワインを提供するブランド、Corte Giara(コルテ・ジャーラ/ヴェネト州)を1989年に設立、2001年にはPoggio al Tesoro(ポッジョ・アル・テゾーロ/トスカーナ州・ボルゲリ)、2007年にSan Polo(サン・ポロ/トスカーナ州・モンタルチーノ)を設立するなど、様々な気象条件の地域で合計4つのブランドを手掛けています。

Marilisaさんは、「ちょっとした地域の差でブドウの味は大きく変わります。風通し、日当たり、水はけ。この3つの条件がそろった土地を選んでいるのです」と語ります。

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こだわっているのは、全部自社のブドウでワインを作っていること。それは、ブドウの栽培から、自分たちの哲学に従って行わなければ、自分たちのスタイルを貫くことはできない、という思いから。最近では、すべてのブドウ畑でオーガニック栽培を開始。「確かに、手間もお金もかかる。たとえば、病気を防ぐ対策にしても、オーガニックのスプレーは、表面を覆うだけなので、一度雨が降ったらすべて流れてしまう。根から吸い上げる農薬なら、15日は持つ。だけれども、私たちがオーガニックを始めたのは、流行だから、ではなくて、本当に良いものを作りたいから。自分たちが作るものの中に、有害なものが含まれているという風にはしたくない」と語ります。認証にはオーガニック栽培を始めてから6年かかり、来年から少しづつ、晴れてオーガニック認証のワインの供給が始まるのだとか。

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そして、アレグリーニを有名にしたのはAmarone(アマローネ)と呼ばれる独特の製法で造る赤ワイン。Corvina(コルビーナ)と呼ばれるブドウを100日以上乾燥させて水分を減らしてから醸造しています。

Corvinaは、シラーズなど、他のブドウに比べて粒が大きく皮が厚いため、乾燥した後のバランスが良いのだとか。

乾燥する段階でカビなどが生えてしまうと使えなくなってしまうため、丁寧な扱いが必要になりますが、完熟したブドウを収穫するため、割れなどを防ぐために、手が触れないようにすること、特別な乾燥室を作ることで、この問題を解決したそうです。

そんなワインを、Resort World SentosaのHotel Michael 内のイタリアンレストラン、Fratelliのペアリングメニューと共にいただきました。

まずは、一口サイズのスモークサーモンとクリームチーズのアミューズに続いて、

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Buffalo Mozzarella Cheese served with Medley of Tomatoes & Basil Pesto Sauce.

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Allegrini Soave DOC 2014と合わせます。

黄金色の色彩通り、熟したパイナップルやマンゴーのようなトロピカルな香りのあるソアヴェは、とっても甘いトマトの甘味と酸味とのバランスも絶妙。バルサミコが、蜂蜜のようなニュアンスと複雑味を加え、モッツァレラチーズのクリーミーさが全体をマイルドに仕上げます。

続いては、Tomato soup Marinated Sicilian 'Rosso Di Mazara' Red Prawns

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シチリア産の甘い生のエビに、トマトとクリームの濃厚なスープをかけて、一緒にいただくスープ。

ペアリングは、ロゼのPoggio Al Tesoro Cassiopea Rosato DOC 2014と、赤のAllegrini Valpolicella DOC 2015。

キャンディーにしたベリー類のような甘い香りのあるロゼは、フレッシュなエビの甘味にフルーティーな華やかさを加え、赤のヴァルポリチェッラはさらに深いチェリーやジャムにしたベリー、キャラメルやチョコレートのようなコクのある味わいで、トマトクリームスープの濃厚さとマッチしていました。

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メインディッシュは、Braised Beef Short Ribs Truffle mashed Potatoes & Granny Smith Apple Spheres

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トロトロに煮込んだ牛のショートリブに、トリュフを刻みかけたマッシュポテトと、青リンゴのシロップ煮。

ペアリングのワインは、San Polo Brunello Di Montalcino DOCG 2009と、シグネチャーのAllegrini Amarone Della Valpolicella Classico DOC 2011。

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ややレンガ色のニュアンスのあるBrunelloは、スミレや、落ち葉の積もった秋の森のような深い香りがあり、後味にほんのりとスパイシーな印象が残ります。滑らかなタンニンと相まって、個人的にも大好きな味でした。

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そして、アマローネは、エイジングしたような、レーズンに似た、凝縮した甘い香りがあるものの、味わいはそこまで甘くなく、牛肉と合わせると、ちょうどマディラワインのソースと合わせた時のような、深みのあるソースのように感じられ、ペアリングの妙を実感。Marilisaさんは、プライベートでは肉料理以外にも、パルミジャーノのような、熟成したチーズなどにも合わせるそうです。

そしてデザート、Modern version of the clasic Tiramisu cakeは、

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カプチーノムースを添えた「ティラミスの再構築」チーズケーキ。アマローネと比べると甘いレチョート、Corte Giara Recioto Della Valpolicella DOC 2014と。アマローネは、1リットル当たり4gのアルコール化していない糖が残っているそうですが、レチョートは同じ1リットル当たり100~120gの糖が残っているとか。ソーテルヌのように甘い香りが漂い、味わいもとろりと甘いワイン。とはいえ、自然な甘さでべたつきがなく、食事の後でも、すっと飲めるワインです。Marilisaさんは、クリームチーズやダークチョコレートと合わせるそうですが、それも納得の味。まるでお皿の外のソースのように、チーズケーキにフルーティーさと上品な甘みを加えています。ほろ苦いカプチーノムースも、甘味の輪郭を際立たせる役割を果たしていました。

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また、うれしいのはこうしたワインが、お手頃な価格で手に入ること。

Wine Spectator誌のトップ100ワインに、6回選ばれたというPalazzo Della Torreにしても、US$30ほどで手に入るそう。

また、アートとのコラボレーションも行っていて、エルミタージュ美術館の210周年記念のワインとして、AllegriniのAmaroneが選ばれたのだとか。

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伝統は次の世代に受け継がれていきます。Marilisaさんの24歳の次女Caterina(カテリナ)さんは、現在Allegriniのマーケティングなどを担当しているそう。「私が初めて父の仕事を手伝い始めた時、従業員は10人だけだった。だけれども、今は120人を抱える大所帯。娘には、組織を統率していく方法を考えなさい、と言っています」

16世紀から続くワイナリー。クラッシックなローマのヴィラ様式の建物は14世紀~16世紀の間に建てられた、歴史建築としても貴重なもの。宿泊施設もあり、料理教室なども行っているそうで、個人的にも、いつかワイナリーにもお邪魔してみたいと、夢をふくらませています。

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■Enoteca Singapore(ワインショップ・エノテカ シンガポール高島屋店)

営業時間:10:00~21:30

住所:Gourmet World, B2 02-1 Takashimaya Department Store, 391 Orchard Road, Singapore 238873

電話:+65 6836 3068

アクセス:MRTオーチャード駅徒歩4分

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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