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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2017年3月20日

フランス銘醸ワインで醸す上質なグラッパの造り手・Jacopo Poli氏来星


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フランス銘醸ワインで醸す上質なグラッパの造り手・Jacopo Poli氏来星

イタリア・ヴェネト州のグラッパの聖地とも呼ばれるエリア、Bassano del Grappaで600年続く旧家、Poli家のJacopo Poliさんが醸造しているグラッパのテイスティングにお邪魔して来ました!
会場は、シンガポールで数々の賞を受賞している老舗イタリアン、Garibaldi (過去記事にリンクします)。

Poliさん一家がグラッパを醸造するようになったのは、1898年。Jacopoさんは4代目にあたり、1983年、21歳の時に跡を継いだそう。

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まずは、Poli Bassano Classica
地名をそのままとった、Bassano。「鳥」という意味のイタリア語でもあり、同じ名前のオートバイの絵が描かれています。
「これは、第二次世界大戦から帰って来た祖父が作ったグラッパなんだ。戦争が終わって、鳥のように自由にどこでも行ける。オートバイの絵には、そんな喜びが表現されているんだ」と語ります。

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赤をソーダ割りにしていただきましたが、味としては、ほのかに苦味があり、食前酒として楽しまれているアペロールとカンパリの間のような味わい。

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続いては、ジン。2012年にジンの作り手を会い、グラッパが作れるのならジンも作れるのでは?というアイデアの元、作ってみたのがきっかけだとか。ただ、グラッパとジンは味のバランスが違うため、最初はうまくいかなくて諦めたのだそう。「自分はジンで何が表現したいのか」そう考えたJacopo さん、朝窓を開けると、森が見えたのだそう。そこで思い出したのは、父に子どもの頃連れて行ってもらった森の香り。松の木の清々しい香りが新鮮な感覚を呼び覚まし、太陽が背に当たった温かさ、そして落ち葉の上を歩いた時のふわふわした感覚、靴の下でカサカサと砕ける落ち葉。森の中を自由に探索する開放的な気分を表現したい、と感じたのだそう。
そこで、最もフレッシュな香りがあるというマスカットを使い、55度という低温で真空蒸留して香りを引き出したのだとか。ジュニパーベリーに、二種類の松の葉、そしてミント。
フレッシュなミントティーを飲んでいるような、柔らかで自然なミントの香りが特徴的でどこかノスタルジックな印象。森林の中で深呼吸しているような、そんな香りに、ほのかに甘くスパイシーなカルダモンとコリアンダーシードの余韻が残ります。
ちなみに名前は、ノーベル賞を受賞した科学者、Marconiにちなんでつけたのだとか。

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そして、最初の一皿とのペアリングは、Poli Bassano Classicaの白です。
ライムのようなスッキリとした香りのあるグラッパに合わせたのは、冷製のエンジェルヘアパスタ、Cold Angels Hair with Hokkaido Scallop Tartare & Carelian Caviar。滑らかな北海道産のホタテ、そしてノルウェー産のキャビア。ホタテの甘み、キャビアのコク、小麦の自然な旨み。シンプルな味わいのパスタにぴったりでした。

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ワインを作った後のぶどうの搾りかす、ヴィナッチャが原料のグラッパは、元々は庶民の飲み物でした。昔は、ヴィナッチャを何日、時には何ヶ月も放っておいて、それで作る、なんていうことも珍しくなかったそう。放置されて酸化した原料で作られたものは、当然味も劣ります。「でも、自分たちがやろうとしていることは違う。例えば、ヴィナッチャには軸が含まれている。軸には苦味と青臭さしかない。だから、うちでは、原料から軸を取り除き、搾りかすが酸化しないように、なるべく早く醸造しているんだ」とJacopoさんは言います。手間のかかる作業を惜しまない、その裏に、グラッパを進化させたい、そんな思いが伝わります。

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そして、"Acquerello" Risotto with Prosecco, Vanila & Pink Pepper
リゾットに合わせたのは、錬金術師でもあったクレオパトラが使った錬金のための装「Crysopea(クリソペア)」を進化させた真空蒸留機を使って造ったクレオパトラシリーズ。クレオパトラをイメージした黄金の色合いは、樽熟成から生まれているのだそう。

Poli Cleopatra Prosecco
Valdobbiadene(ヴァルドッビアーデネ)産のプロセッコのヴィナッチャで作り、フレンチオークの樽で約一年間熟成させてあります。焦がした大麦や穀物のような香りがする、すっきりとした繊細な印象のグラッパ。


Poli Cleopatra Amarone Oro
は、陰干しして味を凝縮させたヴァルポリチェッラで造る、Amarone(アマローネ)のヴィナッチャで醸造し、こちらもフレンチオークの樽で一年間熟成したもの。生のアーモンドのような甘い香り、ピーチやアプリコット、金木犀のような香りにナッツのような香ばしさの印象が重なります。

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優しい辛みのピンクペッパーを効かせたバニラの香り豊かなリゾットには、調理中にはプロセッコを、そして仕上げの香りづけとして、このPoli Cleopatra Proseccoを加えたということ。素直に寄り添うPoli Cleopatra Proseccoと、よりボリューム感の感じられるPoli Cleopatra Amarone Oroで、二通りの味が楽しめるという趣向。


Roasted Pork Loin Infused in Grappa with Wild Berries and Cocoa Sauce

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グラッパに漬け込んでからローストした鹿児島産黒豚にはベリーと、カカオのソースを添えて。

こちらには、Poli Barili di Sassicaia
カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニョンのヴィナッチャを、スーパートスカーナワインとして知られる、サッシカイア(Sassicaia)の樽で6ヶ月寝かせたグラッパです。オススメの飲み方は、氷を入れること。「普通は冷やすと香りが落ち着くものだけれど、これは不思議なことに、冷やすとフレッシュな黄色いフルーツのようなアロマが出るんだ」とJacopoさん。

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確かに、完熟のパイナップルのようなどこかエキゾティックな南国の香りが漂います。
Sarpa Barrique di Poli
そして、こちらはカベルネとメルローからできたもの。コーヒーやチョコレート、焦がした木のような、甘い香りがはっきりとあり、カカオの隠し味が効いたソースとの相性が抜群でした。

GaribaldiのRoberto Galettiシェフは、チョコレートのテイスティングをした際に、グラッパを合間に挟んで楽しんだことがあり、それに着想を得てこの料理をつくったのだとか。

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そして、Galibardiのシグネチャーデザートのチョコレートケーキ、Molten Lava Chocolate Cake and Hazelnut Gelatoには、Jacopoさんの思いのつまった、Poli Pauillac が。


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某ボルドーの五大シャトーのひとつに、何年も通いつめてやっとヴィナッチャを譲ってもらえることになったのだとか。その記念すべき一年目の年号、2007年が入ったもの。小さな醸造量で、丁寧に作り上げたグラッパ。
シャトーから新樽と古樽を譲り受け、8年間の熟成を経て、やっと完成した Jacopoさん渾身の逸品。
ラベルにはシャトー名はありませんが、グランクリュの文字が誇らしげに輝きます。

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ハチミツやアーモンド、リコリスのような、甘く芳醇な香りをまとったグラッパは、こんなに豊かな味わいのグラッパがあるのかと、グラッパ感を覆される思い。ブランデーのような感じで楽しめます。

Poli ファミリーが作ったグラッパは、Garibaldiなど、シンガポール内のイタリアンレストランで楽しめます。伝統の味を洗練させることで、世界に誇れるものにしたい。そんな思いの詰まったグラッパです。

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<DATA>
■Poli(ポリ)
公式サイト:http://www.poligrappa.com/eng/

■Garibaldi Italian Restaurant & Bar
営業時間:ランチ 12:00〜14:30、ディナー 18:30〜22:30、(無休) 
住所:36 Purvis Street #01-02 Singapore 188613
TEL:+65 6837 1468
URL: http://www.garibaldi.com.sg/
アクセス:MRTブギス駅から徒歩7分ほど(ラッフルズホテルの裏)

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カテゴリー レストラン・料理・食材 夜遊び・クラブ・お酒
2017年3月20日
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