オーストラリアン航空(Australian Airlines)が今秋から運航開始

公開日 : 2002年04月22日
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一部国内線の運航を再開して買収交渉を続けていたアンセット航空が、3月5日をもって、66年の歴史に終止符を打った。買収がほとんど確実視されていた実業家と管財人の交渉が、期限ぎりぎりになって決裂したからだ。インパルス航空や、ヴァージン・ブルー航空が新規参入したとき(国内線航空運賃さらに競争激化の動き参照)に、誰がアンセット航空の消滅を予測しただろうか?結局、インパルス航空は資金不足に泣き、昨年カンタス航空に吸収されたが、ヴァージン・ブルー航空には港湾大手のパトリック社が資本参加を表明。ますます鼻息荒く(?)、路線拡大を発表し、国際線への進出も模索している。そんな中、カンタス航空が100%出資して設立された「オーストラリアン航空」が10月27日に就航、と正式に発表された。大阪、名古屋、福岡など、アジア各地とケアンズを結ぶノン・ストップ便に加え、ゴールドコーストまでの接続便の運航を予定している。日本以外では、シンガポール、台北、香港線の運航を同時期に開始し、その後は、さらにほかの都市や、パースやダーウィンも含めたオーストラリア各都市へと路線網を広げたい考えだ。新会社参入により、オーストラリアでは35万人の観光客増加が期待されている。テロ、アンセット航空の倒産、全日空の撤退と、沈滞ムードが続いたオーストラリアの旅行業界に流れる、久々の明るいニュースだ。実は、オーストラリアン航空という名前が航空史上に登場するのは、初めてのことではない。カンタス航空に吸収合併される1992年までは、国内線航空会社として運航していたのだ。新会社設立にあたって、その名前を10年ぶりに引っ張り出したのは、ひねりのある名前よりも、はるかに国民の共感を得やすく、国際的にも認められやすいからだろう。ロゴや機体には、オーストラリア大陸中央部の赤土を表すオークル色が使われ、尾翼にはおなじみのカンガルーが描かれている。使用機材はボーイング767に統一。全席エコノミークラスで、低コスト運用をめざす。ターゲットは、ずばり観光のためにオーストラリアを訪れるレジャー客。全観光客の40パーセントを占めるアジアからの座席数の増加が目的で、カンタス航空とは競合しない。カンタスの路線の一部は、オーストラリアン航空に移管されることになっている。発表された日本路線のスケジュールによると、名古屋―ケアンズ、大阪―ケアンズ間は毎日、福岡―ケアンズ間は週3日の運航になる。福岡からは、久々のオーストラリアへの直行便だ。北米やヨーロッパ路線と比べると割高感があったオーストラリア路線の航空券料金が、今後どのような動きを見せるのかにも、注目したい。

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