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イスラエル/テルアビブ特派員ブログ 田澤 潤子

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2016年10月14日

イスラエルで最も重要な祭日、ヨムキプール


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イスラエルで最も重要な祭日、ヨムキプール

今年の10月はイスラエルの祝日が多く重なりました。10月2日〜3日に明けたユダヤ新年に続き、今回はユダヤ教において最も重要な祭日となるヨムキプール(10月11日〜12日に該当)についてレポート。


<神に一年分罪の許しを請う日>
ヨムキプールとはヘブライ語で「贖罪の日」を意味し、ユダヤ教においては昨年1年間の罪を反省し神に許しを請う日。ユダヤ歴で新年月の10日目に当たり、2016年は10月11日の日没から12日の日没1時間後の25時間がヨムキプールに当たりました(ユダヤ歴では1日は日没に始まり次の日の日没に終わります)。ヨムキプールでは飲食や入浴のほか、男性は髭を剃ったり女性は化粧をすること、労働することがが禁じられます。中でも象徴的なのは断食を行うことと、車の運転を一切しないということ。イスラエルのユダヤ人口(全人口の75%)の半数近くは「世俗派」で、日常生活ではユダヤ教の規定にのっとった生活をしていませんが、ヨムキプールだけは特別で世俗派ユダヤ人もこの日だけはユダヤ規定を守ります。大半の人が断食を実践し、車の運転に関してはほぼ100%の割合で守られます。普段はシナゴーグ(ユダヤ教の教会)に通っていなくても一年間のうちこの日だけはシナゴーグに足を運ぶといいます。全てのビジネス・商店は閉店し、公共交通機関も完全に停止。なんと空港までも閉鎖され、ヨムキプールの間はイスラエルへの発着便は一切ありません。イスラエルのテレビ放送・ラジオ放送も25時間ストップします。こうしてイスラエルほぼ全土にさわやかな静寂が訪れます。


<断食を通して自分自身と向かい合う>
私の同僚の一人は、「食事もせず、何もせず1日家で静かに過ごすヨムキプールは、自分を見つめ直すいい機会であり、貴重な1日。この1日で去年一年間の自分の行いを振り返り、反省するべきものは反省し、どのようにしたら自分が向上できるかを真剣に考える。こうして新しい年に向けたパワーを蓄えるんだ」と教えてくれました。元旦に新年の抱負を立てる日本の習慣と共通するところがありますね。


2013年の調査では、イスラエルのユダヤ人口の73%がヨムキプールに断食をする予定だと回答。私の友人たち(世俗派)の大半が断食を実践する派です。ただし中には夫婦で旦那さんは毎年断食するけれども奥さんは断食はしない(もしくはその反対)というカップルもいくつかありました。また、断食しない派に聞いてみると、若い頃は毎年断食していたという回答が必ず返ってくるので、イスラエル人に住んでいるユダヤ人であれば、一生で考えるとヨムキプールにおける断食の実践率は100%となります。なお、断食をしない場合でも、断食をしている人への尊重・配慮としてヨムキプールの間は火を使う調理をしないことが通例となっています。(サンドイッチなどを食べて過ごします)


<国全体が歩行者天国に変身>
ヨムキプールには、ほぼ100%の一般市民が車の運転を放棄します。この日に道路で見かける自動車があるとすれば救急車など非常事態の車両のみ。こうして25時間の間、イスラエル全体の道路がいわば「歩行者天国」と化すのです。2年前、イスラエルで初めてヨムキプールを迎えた朝に、家の前を通る国道2号線 (イスラエルの海岸線を南北に結ぶ、国内で最も交通量の多い道路の一つ)で人々がサイクリングやジョギングを楽しんでいる様子を見たときの衝撃は今でも忘れません。

ヨムキプールにサイクリングを楽しむ子供達.JPG


ヨムキプールは子供達を始め大人にとっても、一年に一度非日常を味わうことのできる「お楽しみ」の日でもあるのです。友人の一人も、「子供の頃、毎年ヨムキプールが待ちどうしくてたまらなかった。広い道路で自転車こぎやスケードボードを思う存分楽しめる唯一の日だからね。自分に子供ができた今では、ヨムキプールの前までに子供の自転車の整備をしておくことが習慣になっているよ」と話してくれました。


ヨムキプールのシャロム通り.JPG


ヨムキプールのアヤロン高速道路.JPG

普段はひどい渋滞の中クラクションが響き渡る道路に車が一台も走っていないこと、高速道路に静寂が流れていること、自分自身がその道路の真ん中を堂々と歩くことができる違和感がなんとも面白く、この爽快感を楽しみに人々は車のいない道路へ繰り出すのです。

ヨムキプールに道路の落書きを楽しむ少女達.JPG


ヨムキプールは、2日目の日没の後に鳴らされるショファールと呼ばれるユダヤの伝統楽器(角笛のようなもの)の音を持って終了します。断食後の食事は、ヨムキプール入りする前までに各家庭で用意されておりそれを食べる習わしとなっています。


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2016年10月14日
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      テルアビブ特派員
      田澤 潤子
      上智大学比較文化学部卒。日本貿易振興機構(ジェトロ)での勤務を得て、イスラエル人との結婚を機に2014年テルアビブへ移住。現在はイスラエルのIT企業で日本向けマーケティングと事業提携を担当、2国間のビジネスギャップに日々奮闘しています。ビジネスや観光の面で日本とイスラエルを繋ぐことに貢献したいと思っているので、お気軽にご連絡下さい。メールFacebookLinkedIn

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