出エジプト記の時代に因むユダヤの祝日、仮庵祭

公開日 : 2016年10月30日
最終更新 :

2016年10月に集中したユダヤの祭日レポート第3弾の今回は仮庵祭(ヘブライ語ではスコットと言います)について。イスラエル各地で見つけることのできる様々な仮庵の写真とともにお届けします。

ツファットの仮庵2.JPG

仮庵祭は新年の月の14日の日没から8日間続く祭日で(2016年は10月16日の日没から23日の日没まで)、過越祭(ペサハ)と七週の祭り(シャブオット)と並んでにユダヤ教三大祭の一つに数えられます。 この祭日は昔、エジプトで奴隷として使われていたユダヤ人がモーゼスの導きでエジプトを脱出した後、イスラエルの土地に戻ってくるまで荒野で四十年間さまよい、仮庵を作って生活をしのいでいたことに因んでいます。

仮庵祭の間は、仮庵(ヘブライ語で「スカー」と呼びます)を再現したものが街じゅうに建てられます。仮庵は四方もしくは三方が布で囲われ、屋根をヤシの木の葉で覆ったテントのようなもので、大きさは様々です。伝統的なユダヤの教えでは、当時の苦難を再現し忘れないことを目的として、仮庵祭の8日間は男性はスカーで寝泊まりすることが義務付けられています。現在では、世俗的な生活を送っている大半の人々にとっては、夕食を仮庵でとるなど、生活の一部のみに取り入れられています。

プライベートな仮庵はアパートのベランダ部分に建てられたり一軒家の庭に建てられますが、マンションなどの集合住宅の場合は、住民が共有して使えるものが敷地内に立てられます。また、レストランではテラス席をすっぽり覆ってしまうほどの大きな仮庵を建てるので、お客さんはその中で食事を取ることができます。

こちらはイスラエル北部のユダヤ教の聖地、ツファットの旧市街で見つけた仮庵です。石造りの古い町なみの中に、カラフルなグリーンが印象的です。よく見るとなぜか「平」という漢字が印刷されていています。

ツファットの仮庵.JPG

こちらはイスラエル最北端、レバノンとの国境のすぐ手前にある観光地、ロシュ・ハニクラの敷地内に設営されていた仮庵。観光客の一時休憩所として使われていました。目の前は真っ青な地中海で、おそらくイスラエルで最も眺めのいい仮庵の一つと言えるでしょう。

ロシュハニクラの仮庵.JPG

こちらはテルアビブ北部の閑静な住宅街で見かけたもの。高層マンションの共有部分に建てられていました。

マンション共有の仮庵.JPG

テルアビブの人気観光地であるテルアビブ港の仮庵。大きくてカラフルです。

テルアビブ港の仮庵.JPG

いかがでしたでしょうか。このように、仮庵祭の期間中は国中のあらゆるところに仮庵があふれかえります。そのスタイルや大きさも様々で、この期間中の町歩きは目を楽しませてくれます。

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