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カナダ/トロント特派員ブログ MAKOTO

カナダ・トロント特派員が現地から北米地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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前回はドーソンシティの星空をご紹介しました(http://tokuhain.arukikata.co.jp/toronto/2015/07/1.html)。今日は、ちょっと南におりてホワイトホースの星空を。


バンクーバーから飛行機で約2時間半。ホワイトホースは、カナダ極北の玄関口です。


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みどころですが、快晴の日であれば、バンクーバーから飛び立って間もなくして(機内で寝ちゃダメです)窓の外を見ていると、とても雄大なロッキーの風景が楽しめます。


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観光ツアーでは絶対に見ることができない、カナダの手つかずの氷河を眼下に見ながらの飛行は、単なる移動手段を超えた絶景ポイントです。


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これから始まる夏オーロラのシーズン、ホワイトホースでも美しい星空を見ることができます。


2015年8月 5日

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夏といえば、星空。トロントという都会に住んでいると、カナダにいても夜空を見上げることもなくなってしまいます。もともと人類はずっと星空を見て生きてきたわけで、きれいな夜空を見て過ごすことは人間らしい生活を取り戻すことともつながるのかな、とふと懐かしくなります。


カナダに住み、これまでカナダを旅して、「これはきれいだった」と思う星空があります。その一つが、ユーコン準州の星空。

ユーコンはまだまだ日本には馴染みが薄い場所かもしれませんね。夏の終わりの時期は、他では見ることができない素晴らしい景色に出会うことができると、「知る人ぞ知る」場所です。キャッチフレーズは「LARGER THAN LIFE」。直訳すると「私の人生よりも大きい」となります。最初に聞いた時には「え? おおげさ」と正直思ったのですが、行ってみないとわからない「LARGER」のスケール感に打ちのめされます。


詳しいことは、ユーコン準州観光局の日本語ウエブサイトがあります。
http://yukonjapan.jp/


見晴らしの良いドームから撮った写真ですが、最初は夕暮れ時。これでも夜11時くらいだったでしょうか。「極北」と呼ばれるこの地域の日没は、ずいぶん遅いのです。


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日が沈むと、ビックリするような「満天の星」。これが時間とともに動いていく様子がわかる、というのにもビックリしました。街の明かりが少ないということもありますが、空気が澄んでいてきれい、ということもあるのでしょう。おおげさに言えば、宇宙に包まれているような感じになります。


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オーロラが出始めました。左に見える湖のようなものはユーコン川。光っているのは、わずかに残った太陽の光。


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無数の星空をバックに激しく揺れるオーロラ。ユーコン川が再び輝き始めたのは、今度はオーロラの光が反射したため。


これが、私が選ぶ夏のカナダの星空の一番目。いまだに忘れることができない、心に焼き付いているカナダの夜景です。


2015年7月31日

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イギリスの最大にして最高の輸出品と言われる「マグナ・カルタ(Magna Carta)」。それは品物ではなく「ひとつの法律文書」であり、今では当たり前となった、現代の思想の根幹をなす考え方。しかしこれが書かれた時は、そうではありませんでした。


ことの始まり


今から800年前の中世。君臨する王があらゆる事柄について絶対的な権力を握っていた時代のイギリスにおいて、一枚の「Charter of Runnymede」という法文が書かれ、王の封印が添えられました。

当時のイギリスを支配していたジョン王(King John, 1199年〜1216年)は「名うての暴君(notorious tyrant)」。戦争の重い借金を税金としてイギリス国民に課し、支払いに応じない者は誰彼ともなくひどい仕打ちに合わせました。運の悪いことに、当時領土争いをしていたフランスとの戦争に次々と破れ領地を失うと、人民の不満は一気に爆発し王位を奪われる危機に直面します。

ジョン王が生き残る道はただ一つ。不満を爆発させていた貴族や教会の指導者たちに対して、これまで認めなかった権利を人民に与えると約束をすること。こうして、自らの窮地を乗り切ろうとした、それが歴史的な法律が生まれるきっかけであったというのは、なんとも皮肉なことですね。

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ロンドンの大英図書館で展示を見る直前に訪れた英国銀行の中にある貨幣博物館で見つけた、記念コインのパッケージに、当時の様子を伝える絵画が使われていました。腕を腰に当てたり、剣を地面に突き刺しながら文書にサインをするジョン王の姿が、なんとも哀れに描かれています。

英国銀行貨幣博物館:http://www.bankofengland.co.uk/education/Pages/museum/visiting/default.aspx


和平協定としてのマグナ・カルタ


こうして、1215年6月15日、ロンドンからほど近いラニメード(Runnymede)という街で、ジョン王は集まる列強の貴族を前にして「和平協定」を結ばされます。これが「Charter of Runnymede」。のちに「マグナ・カルタ」と呼ばれる法文。


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写真は、展示で販売されていた図録に収められたマグナ・カルタの写本のひとつ。列強の貴族たちは、絶対的な権力を持っていた王に対し、法の執行において税金を納める人民の合意を得る必要があるとの確約を文書化することで、国王の絶対的な権力からの「人民の権利と自由」に対する約束を取り付けることに成功します。


その後この法文は紆余曲折を経ながら生き残り、イギリスの憲法に組み込まれ、数々の法文の中で最古のものとして、根本理念に位置付けられます。アメリカ合衆国の独立宣言、カナダの憲法にも、マグナカルタの精神は明確に受け継がれています。展示のハイライトのひとつとして、アメリカ合衆国の独立宣言もガラスケースの中に収められていたのが、興味深く、「イギリスの輸出品」という言葉の意味がよくわかります。


何百年にもわたり、手書きで保存されてきた


この文書は、現代とは違う形で人々の手に渡りました。


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これは、ヨハネス・グーテンベルクがドイツで発明した印刷機ですが、15世紀中頃以前の時代、文書は手書きで写されるのが一般的。数少ない写本(現代でいうと、手書きのコピーですね)を人の多く集まる場所に掲示したり、回し読みするのが常でした。


マグナ・カルタは他の文書と同様、羊皮紙など古代から伝わる「写本」の技法を使い、一文字ずつペンで描き写されて行きます。


写本の技法の中で有名なものとして、ユダヤ教の聖典があります。


この聖典のかなり古いものが20世紀になり死海のほとりで発見された時、人の手によって何百年もに渡り書き写されてきた写本の正確性がいよいよ明らかになると一大事件となりました。その時わかったことは、写本家と呼ばれる人々が2000年近くにわたり驚くほど正確に原本を伝え続けてきた、ということであり、従来から確認されていた写本家たちが使っていた技法、写しているページの総文字数のカウント、ページの中央に来る文字の確認など、「間違いなく正確に書き写す」作業の緻密さが改めて浮き彫りにされました。


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写本の技法が発展する中で、「写本家の訂正(写本家が独自の視点から原本の文章を変更すること)」が行われたり、また文字に挿絵などを加えて見栄えを豪華にするようなことも行われてきましたが、基本は原本に対して忠実に書き写すこと。マグナ・カルタも同じ写本文化の真っ只中に生まれており、奇跡的にも最初に書かれた「1215年の原本」がイギリスに4つあり、その2つが大英図書館に保管されています。


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大英図書館で「原本」を見てきました


マグナ・カルタの制定800年の今年、大英図書館では2015年9月1日まで、所蔵する2つの写本の特別展示を行っています(有料)。ちょうどロンドンを訪れていたので、大英図書館に足を運んでみることにします。


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図書館の入り口には、大きな横断幕がはられています。

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入場無料ですが、バッグのセキュリティー・チェックを受けた後、寄付箱に2ポンドを入れました。

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チケット売り場は、正面入り口を入って右側。入場料は、12ポンドです。

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マグナ・カルタも台無しになりそうなグッズ類・・・

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チケットを買うと、簡単な展示のパンフレットを渡されますので、それを持って反対側の展示場へ向かいます。

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展示場はもちろん撮影禁止、水のボトルすら持ち込み禁止。

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展示場では、マグナ・カルタの歴史にまつわる様々な当時の文書や文化を伝える物品などが年代順にまとめられ、最後に大英図書館が所蔵するマグナ・カルタを肉眼で見ることができる、というようになっています。


展示されている「原本」の種類


大英図書館が所蔵するマグナ・カルタの原本は以下の2つ。


(1) The Canterbery Magna Carta,1215
(2) The London Magna Carta, 1215


1のカンタベリー・マグナ・カルタは損傷が激しく、肉眼ではほとんど「土」のようになっている表面から文字を読むことはできませんが、最新の研究で下の部分に文字があることが確認されています。2のロンドン・マグナカルタは一枚の大きな紙に細かな文字がびっしりと書き込まれていて、目が回りそうですが、それぞれ「The Great Seal」という王の紋章が刻印されたメダルがついていることが、「原本」の証拠ですね。


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この「The Great Seal」が何かということですが、展示されているロンドン版で保存されているものはほぼ完全な状態を保っている「深い緑色のワックスを原料とし、明るい緑に染められたシルクの帯で留められている(In this example, the seal is made of dark green wax, and is affixed to the document with cords of light green silk)」と説明されています。


ワックスで作られた「The Great Seal」のおもて面は、剣を持ったジョン王が王座に座り、「IOHANESS DEI GRACIA REX ANGLIE DOMINVS HIBERNIE(John, by the grace of God King of England and Lord of Ireland)」という文字が刻まれています。


薄暗い展示場には、点数も多く全てを記憶しておくことはできませんが、この手の展覧会では必ず図録が販売されているのでそれを買い求めておきました。こうした書きものをする時も含め、後から思い出したり、さらに細かく知りたいと思う時に大変役に立ちます。

大英図書館:http://www.bl.uk


カナダでも、展示が始まります


さて、イギリスのコモンウェルスの中にあるカナダは、再来年の2017年に建国150周年を迎えます。


この記念すべき年を見据え、カナダの憲法の根幹にある「人民の自由」の礎石となった「マグナ・カルタ」を展示しようという企画が立てられ、「Magna Carta 2015 Canada」として、2015年6月12日より12月29日の間、カナダ国内の4箇所で行われる移動展示。


門外不出と呼ばれる「マグナ・カルタ」が北米へ出るのは、ひとえに今年が800周年という記念の年であるため。おそらく今年が終わると、次の区切りの年まで海外で見ることはできなくなることでしょう。


Definitive Versionがやってくる


カナダで展示される「マグナ・カルタ」は、Durham Cathedral が持っている3つの写本のうちの1225年版「”definitive”version」と呼ばれる、原本に次ぐ貴重なもの。
大英図書館の解説(英語):http://www.bl.uk/collection-items/magna-carta-1225


2015年6月12日〜7月26日:オタワ「Canadian Museum of History」
2015年8月15日〜9月18日:ウイニペグ「Canadian Museum for Human Rights」
2015年10月4日〜11月7日:トロント「Fort York National Historic Site」
2015年11月23日〜12月29日:エドモントン「Legislative Assembly of Alberta Visitor Centre」


入場チケットはすでに販売されていますが、私たちが空気のように自由に吸っている「自由」という権利の源泉に触れる、またとない機会です。

公式ウエブサイト:http://www.magnacartacanada.ca


2015年5月28日
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