No.23暗闇を駆け巡る白馬(次はリヨン!):「ともしびの祭典」ふたたび

公開日 : 2014年10月24日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 No.19でご紹介した「ともしびの祭典」。先週末、そのうちの一つに参加してまいりました。

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この日は、十月半ばも過ぎたとは思えないほどの陽気で、まさしく小春日和。行列の出発点であるムーヴォー、サンジェルマン教会は、夕暮れになっても暖かく、多くの子供連れが提灯片手に集まりました。

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 フランスの遊園地の多くは、固定式でなく、移動式です。つまり、サーカスのテントのようなもので、お祭りのときだけ、降って湧いたように出現するわけです。この日のムーヴォーも例外ではなく、教会前では「降って湧いた」ミニ遊園地が活躍しており、子供たちの大いに楽しむ姿が見られました。

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ともしび行列に付き物の鼓笛隊の演奏も大盛況。

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沈みゆく太陽に照らされて、教会が空に映えます。

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 夕暮れが静かに人々の間に流れ込む頃、白い装束の大道芸人たちがパフォーマンスを始めました。静かな音楽に合わせて、たゆたうように、人々の間を縫い、踊ります。

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 それを合図のように、子供も大人も、蝋燭を灯した提灯を手に、粛々と、町を歩き始めました。

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 以前参加したものよりずっと人が多いものの、静かで和やかな雰囲気は同じです。ただ、伝統では太鼓の演奏がつくはずですが、ここでは、バックミュージックは録音されたもので、大道芸人はそれに合わせて踊り続けます。

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 闇が濃くなる直前、白装束のパフォーマーたちは、なんと白馬へと転生を遂げました。

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音楽も、馬のいななきと蹄の音が入ったものに切り替わり、馬はステップをさまざまに変えながら、最終地点へと人々を導き続けます。

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 最後は野外ステージで、白馬の円舞が繰り広げられました。内からの光で浮かび上がる布の彫刻のような馬の姿は美しく、「ともしびの祭典」にふさわしい幻想的な光のパフォーマンスに、参加者は大きな拍手を送って、夜を後にしました。

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 ともしびの祭典は、11月頭まで、トゥルコアン周辺で行われます。

 冬を迎える心の準備に、訪れてみませんか。

【10月24日金曜日】

・トゥルコアン・マルリエールとクロワルージュ地区:rue des Trois pierresマルリエールのノートルダム教会を18時出発(Tourcoing Centreから35番バスLeers行き約10分のPotente下車)

【11月8日土曜日】

・トゥルコアン中心:トゥルコアン市役所前18時

 また、白馬のパフォーマンスは、コンパニー・デ・キダムCompagnie des Quidams が行っています。

 コンパニー・デ・キダムは、ストリートパフォーマンスを専門に、20年前発足した集団です。白馬のパフォーマンスは、今後も、フランス内外で上演の予定が数多くあります。

 次の公演は、今月末リヨンで行われるSalon Equitaにて。

Salon Equitaは、馬(飼育、訓練、乗馬、など)をテーマにした催しで、これまた今年20年目を迎えるイベントです。10月29日から11月2日まで五日間の予定ですが、コンパニー・デ・キダムのパフォーマンスは、そのうち二日、10月31日と11月1日の夜上演されます。

行き方:

1) TGVリヨンla Part Dieu駅(Alpes出口)からトラムT3でVaulx-en velin La Soie下車。そこから直通シャトルバス100番でEurexpoへ。(所要時間30分)

2) リヨン中心から、地下鉄D線でGrange Blanche下車。そこからトラムT5でEurexpoへ(所要時間30分)

3) TGV リヨンPerrache駅から、トラムT2でGran ge Blanche下車。そこからトラムT5でEurexpoへ(所要時間40分)

 12月はフランスを縦横断しての公演予定。11月はオランダ、1月にはスペインでも観られます。やはり、光りを愛でるには、暗い季節がぴったりなのでしょうね。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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