No.44考古学上の大発見:アミアンで発掘されたクロマニョン人の?!ヴィーナス

公開日 : 2014年11月28日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 ノール・パドカレー地方のすぐ南には、ピカルディ地方があります。大聖堂で有名なアミアンのある場所だといえば、分かりやすいでしょうか。

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アミアン大聖堂

 そのアミアンで、この夏発掘されたヴィーナス像が、昨日メディアに公開されました。

画像はここからご覧になれます。

 発掘調査が始まって早くも二日目、石灰石約20片を掘り出した考古学者たち。それらに人工的な手が加えられていることに気がついた調査団は、その夜のうちに、その石をつなぎ合わせ、12センチほどの高さの女性像を再現することに成功しました。

 「炭素14年代測定法」で検査したところ、この像は2万3千年前のものと判明。つまり、クロマニョン人が洞窟生活をしていた頃のものです。

 豊満な乳房や誇張された臀部の表現と、頭部や腕の簡略なつくりから、この像は、「豊饒」を象徴して作られたものだと推定できます。

 同じ時代のこのような像は、今のところ、ヨーロッパで100体ほどしか見つかっておらず、そのほとんどは、ロシアや東欧のものです。フランスで見つかった約15体も、多くは南東部で見つかったものですので、この像は、非常に稀少で貴重な発見となります。

 今夏は、9平方メートルの調査で終わりましたが、2015年夏には、第二の発掘調査が予定されており、新たな像の発見が期待されています。

 「ルナンクールのヴィーナス」と名づけられたこの像は、詳細に研究された後は、アミアンのピカルディー美術館に収められる予定です。

 この像を削った人(クロマニョン人?)は、まさかこんな遠い時代に、自分の作品が日の目を見るなんて、想像もしなかったことでしょう。いろいろ夢も想像も広がるこのヴィーナス像、公開されるのが待ち遠しいですね。

ピカルディー美術館

住所:48 rue de la République, Amiens (フランス国鉄アミアン駅より徒歩15分)

開館時間:火曜、金曜、土曜:10:00-12:00、14:00-18:00、水曜:10:00-18:00、木曜:10:00-12:00、14:00-21:00、日曜:14:00-19:00

閉館日:月曜と祝日(8/15以外)

入館料:5.5ユーロ(3.5ユーロ)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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