No.127やっぱり笑ってしまう、フランス各紙の恒例エイプリルフール・ジョーク

公開日 : 2015年04月02日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 昨日4月1日は、世にいうエイプリル・フール。フランス語では、Poisson d'avril(ポワソン・ダヴリル)=「四月の魚」と言います。

 むかーし昔はフランスの年の始まりは4月でした。その年始の挨拶に贈るプレゼントによく選ばれていたのが魚。ジョークで、魚の偽物を贈ることがあり、それが、ポワソン・ダヴリルの始まりだと言われています。

 今は、子供たちが、魚の絵や、魚の形をした紙を、こっそり友達や両親、先生の背中に貼り付ける、というのが主流。

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 でも、それよりなにより特記すべきなのは、毎年新聞社が出す「偽記事」。これがまた凝っているのです。昨日も、夕方には、各紙の「今年の国内外エープリル・フール・ジョーク」特集記事が出揃いました。どれもおかしくて笑ってしまうものばかり。

 時事問題を扱うル・ポワン誌がまとめたものの中から、ご紹介しましょう。

 まずはフィガロ紙。「映画監督ジャンリュック・ゴダールが、アメリカの女優キム・カーダシアンを使って映画『軽蔑』(1963)のリメイク版を作ると発表した」というもの。もっともらしくゴダール監督のコメントまでついています。「キム・カーダシアンという女優を見たとき、彼女の口に、あの有名なブリジット・バルドー(『軽蔑』(1963)に出演していた)の台詞「私のお尻好き?」を言わせたくなったんだ」。

 続いてラ・トリビュヌ紙。「3月30日、大統領府エリゼ宮で行われた会合により、とうとう公的に労働時間、週35時間の廃止が決まった」というもの。さすが経済新聞です。

 レウニオン島新聞がトップページに乗せたのは、「次の007ボンド映画『スペクトル』のロケで、5月に俳優ダニエル・クレイグがレウニオン島を訪れる!」というもの。有り得そうですよね。

 インターネット新聞リュ89は、動画まで準備しての報道。「煙探知機(今年3月8日から各家庭に設置が義務付けられた)に、実は、隠しマイクが取り付けられていた」というもの。

 先ごろ、パリで話題になった正体不明の無人機を使い、ニュースをでっち上げたのは、ロプス誌。「あのパリの上空を飛んでいた無人機は、実はポルノ映画会社によるものだった」。「上空から窓越しに、パリジャンたちの夜の生活を録画していた」という想像力豊かなものでした。

 他にも、ピュイ・マリー(フランスの中央部にある死火山)が新たに活動を始めたという地方ニュース。『科学と未来』誌による「南アフリカで、色素脱失によると思われるピンクの象が発見された」というニュースだとか。(フランスではピンクの象というのは、酔っぱらった時に見える幻の代表とされています。)

 普段お堅いニュースを流している新聞雑誌がこぞって、大真面目にジョークを練りだしたことを想像すると、ますますおかしいですね。

(冠ゆき)

(4月お題"エイプリルフール")

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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