No.159安全に旅行するために:公共交通機関を利用する際の注意点と、隙を見せないコツ

公開日 : 2015年05月20日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

No.157 で、RERや公共バスの(非)安全性について触れたついでに、公共交通機関を利用する際、一般的に注意したほうが良い点を挙げてみたいと思います。

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パリのメトロ

(1) 車両の選び方

まず、地下鉄やトラムなど、車両がいくつかある乗り物では、適度に人の乗っている車両を選ぶのが無難です。

ラッシュアワーのすし詰め状態ほど混んでいるのは論外ですが、まるっきり無人の車両もかえって危険な場合があります。なぜなら次の駅で誰が乗ってくるか分からないからです。

どうしても人が少ない時間帯は、運転手の乗っている車両か、車掌がいれば車掌の乗っている車両に乗るようにしましょう。

(2) 各駅停車か急行か。

また、RERなど各駅停車列車と急行を選べるときは、急いでいなくても急行に乗ったほうが、安心な場合があります。急行のほうが、各駅停車より人の入れ替えが少なくてすむからです。

(3) 車内のどの場所が安全か。

次に、どの乗り物でもそうですが、出入り口や、車内に背を向ける乗り方は避けたほうが良いでしょう。

出入り口に近い場所は、スリが逃げやすいため、盗みを働きやすい場所です。また、車内の雰囲気や、おかしな動きをすぐ察知できるよう、車内には常に目を配りましょう。

一番いいのは、出入り口から離れ、車内を見渡せる場所です。

(4)断る勇気を。

また、切符売り場は、券売機の使い方が分からなければ、人のいる窓口に並びましょう。こちらから求めてもいないのに、親切げに近づいてくる人には、迷わずNo thank you.と言う勇気を持ちましょう。

(4) パーソナルスペースに、他人を入れない

人には、それぞれここからは立ち入りすぎ、というパーソナルスペースがあり、それは個人や文化によって異なります。パーソナルスペースについては、自分の直感を信じましょう。外国を旅行中なのだからといって、その国にあわせる必要はありません。

「妙に近づいてくる人がいるけれど、この国はこれが当たり前なのかも。」と、身を引くことを躊躇しているうちに、胸倉をつかまれたり、スられることもあるのです。

だいたい見るからに外国人と分かっている人に擦り寄ってくる人には、何らかの意図があると考えてかまいません。普通の西欧人なら、見ず知らずのアジア人のパーソナルスペースを侵すほど接近してきません。(既知の友人ならもちろん別ですが。)

日本の方は、つい、「こんなに身を引いたら、失礼じゃないだろうか」と、思ってしまうようですが、遠慮はいりません。自分にとって「快」である距離をしっかり保つつもりで歩いていれば、自然とつけこまれる隙も与えずすむのではと思います。

旅行中、一度でも不愉快な思いを経験すると、その旅全体、国全体の印象が悪くなってしまうもの。ちょっとした注意で防げることもあるので、どうぞくれぐれもお気をつけて、「ああ、楽しかった」と振り返られる旅行にしてもらえたらと思います。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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