No.210ルーマニアの魅力
実はこの原稿はウクライナ国境に近いルーマニアの田舎で書いています。
ルーマニアについては、もう少しまとまった所感を、きちんと不明なことも調べてから書こうと思っていたのですが、毎日の発見があまりに多く、紹介せずにはいられない気分になってしまいました。
まだルーマニアに降り立って一週間ですが、実に魅力的な国です。
私にとって一番の魅力は、「寛げる」こと。ルーマニア人は全体的に親切でのんびりしているため、こちらにもそれが伝染します。日本や中国の都会は人が多いこともあるのでしょうが、それ以上になんだか社会全体が急いでいる感じがあって、常に焦燥感が付きまといますが、ルーマニアにはそれがありません。
ブカレスト名物お茶目なアイスクリーム屋さん
忘れられがちなことですが、ルーマニア語は、スラヴ系(ロシア語、ポーランド語など)ではなく、ラテン系(イタリア語、フランス語など)の言語です。
言葉がスラヴ系ではなくラテン系であるのと同じように、人もラテン系だと、よく話に聞いていましたが、ラテンとはいっても、スラヴに挟まれた(ウクライナやブルガリア)ラテン。人もラテンの代表イタリア人のようににぎやかでも押しが強くもないようです。
言語も同様で、確かにイタリア語からの類推がきく部分も大きいですが、案外ポーランド語から類推できる単語もあったり、イントネーションもなんとなくポーランド語を思い起こさせるところがあったりと、不思議なミックス感に満ちています。
宗教はルーマニア正教が大多数。他の正教会同様、教会内の壁は、イコンやフレスコ画で覆われたところが多く、修道服に身を包んだ修道士、修道女もよく目にします。
薄暗い教会でイコンを見ていると、今いるところがロシアだったかギリシアだったか分からなくなることも。
あれやこれやとルーマニアの印象を言葉にすれば、どんどん話が膨れてしまいますが、具体的に、ルーマニアの魅力を挙げるとすれば、第一の魅力は人。
第二の魅力は文化遺産。
上に挙げた美しい絵画で覆われた正教会内装だけでなく、城砦、要塞に囲まれた教会や僧院など、独特の建築が見られます。
教会を取り巻く砦
第三の魅力は地方色の強さ。
それぞれの地方の郷土料理、民族衣装など、違いがあるのも旅の魅力。
トランシルヴァニアの風景
そのほか、自然の多さも魅力の一つに上げられるでしょう。この季節は、行き先々の街角で、こうのとりの雛が、親と同じくらいの大きさに育っているのが見られます。
ということで、これからしばらくルーマニアの旅にお付き合いください。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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