No.367フランス5/1だけ誰でも許可なく道端で売って良いものとは?
最近では日本でも良く知られるようになってきましたが、フランスでは、5月1日に大切な人にすずらんの花を贈る風習があります。
この伝統が生まれたのは、実は16世紀のこと。当時のフランス国王シャルル9世が、1561年に宮廷のレディたちにすずらんを贈り、これから毎年このようにするように、と言ったのが始まりとされています。
今でも、この風習は人々の生活の中にしっかり残っており、フランスでは、毎年5月1日になると、6千万本のすずらんが売られるそうです。
フランスの公道で、行商をするには、普段なら手続きや許可が必要なのですが、この日ばかりは、誰でも、すずらんの小さな花束を公道で売って良いことになっています。
自治体によって異なる小さなルールがあります。
たいていの場合、売っていいのは野生のすずらんの花だけ。それも、根こそぎ摘んできたような量ではないことが条件。また、すずらんに他の花を混ぜてはいけませんし、テーブルなどを道端に設置してもいけません。花屋の場所からある程度離れていることも条件のひとつで、この距離はパリなら40m、リヨンなら150mという具合に自治体によって異なります。違反が見つかれば馬鹿にならない罰金を取られるので、もし、すずらんを売ってみようという方は、市役所に前もって問い合わせることをお勧めします。
肝心のすずらんの花束ですが、値段は平均一束1.5ユーロ。去年の5月1日は、フランス北部はまだ寒く、すずらんは花を開いていませんでしたが、今年はちょうど花が開き始めた良い時期です。明日はあちこちの街角にすずらん売りが立つことでしょう。
今年は咲いてる5/1のすずらん
可憐ではかなげな様子ながら、意外に濃厚な甘い香りを放つすずらん。
5月1日フランスですずらん売りを見かけたら、大切な人のため、またご自分のために、ぜひ一束、いかがですか?
(冠ゆき)
参考記事 Le Figaro
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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