No.371今日からパリ―リル間に無料Wifi!TGVのサービスInOui
フランスの鉄道網を使うのは、言わずと知れたフランス国鉄SNCF(エス・エヌ・セー・エフ)。鉄道のうち、フランス国土を走る高速列車はTGV(テー・ジェー・ヴェー)と呼ばれます。日本でいう新幹線のようなもので、基本的にパリと主要都市を結びます。
・
今日から使えるパリ―リル間の無料Wi-Fi
フランス北部に来るには、パリ―リル間のTGVが一番ポピュラーです。250kmの距離を約1時間で結びます。実は、今日(2017年5月31日)からこの路線のTGV内で、無料Wi-Fiが使えるようになりました。
すでにパリ―リヨン間では使えるようになっていた無料Wi-Fi。今後も使える路線は増えて、2017年末までには、国内80%のTGV路線で使用可能となる見通しだそうです。
7月2日開通パリ―ボルドー間TGVサービスはInOui
ところでTGVと言えば、7月2日には、パリ―ボルドー路線が開通します。これにより、現在約3時間半かかるパリ―ボルドーが、2時間5分で結ばれることになります。
実は、先日5月27日に発表された写真を見ると、パリ―ボルドーを結ぶ高速列車は色もデザインも一新されており、車体には、InOui(イヌイ)の文字が!
同時にSNCFは、今後、従来のTGVサービスを改良し、これをInOuiと名付けると発表しました。
この発表は、ネット上でかなりな反響を呼びました。どうやら、フランス人の「TGV(テージェーヴェー)」への愛着はかなり強いようで、ほとんどは反発の声。それを受けて、かどうかは知りませんが、そのあと、SNCFは「TGVの名前はそのまま残るけれど、TGVに関するサービス名をInOuiと名付けるのだ」と、改めて発表しなおしたくらいです。
フランス国鉄、3年がかりのサービス改良計画
5月29日のRTLのラジオインタビューによれば、InOuiについての要点は次の通り。
*7月2日以降、SNCFは高速列車に2つのサービスを準備する。
*ひとつはローコスト高速列車であるOuigo(ウイゴ)(Ouigoについては、No.249をご覧ください)
*もうひとつがInOui。
*InOuiの特徴は、3点:
(1)より快適に
(2)ネットサービス(無料Wi-Fiなど)
(3)乗務員によるサービスの充実。
*乗務員のサービスを可能とするため、検札(今までは車内検札)を、乗車前に行うようにする。
*列車を徐々に新しくしたり、ホームでの検札場を作ったりする予算は、3年で25億ユーロ。
TGV路線のSNCF独占使用は2021年まで
TGV内の無料Wi-Fiに限って言えば、
・すでに利用可能なのがパリ―リヨン間。
・今日から利用可能なのがパリ―リル間。
・次に7月2日から利用可能となるのがパリ―ボルドー間。
・2017年末には80%の路線で利用可能。
・100%のTGVで利用可能となるのは、18か月後と見込まれています。
SNCFが、従来のサービスを向上しようと頑張っている裏には、TGV路線のSNCFによる独占使用が、2021年までであることと関係します。ライバル会社が参入してくるまえに、利用客をなんとか確保しようという算段なわけです。目標は、それまでに、乗客を1500万人増やす!というもの。
理由はどうあれ、利用客としては歓迎したいサービス向上。反発の多いInOuiという呼び名が、どのくらいフランス人に受け入れられるのかも興味深いところですが、とりあえずは、SNCFの努力に期待したいところです。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。