ウィーンフィルハーモニーのコンサート
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団と言えば、誰しもが一度は鑑賞してみたいと憧れるオーケストラの筆頭に上がるのではないでしょうか。
ウィーン国立オペラ座で毎夜のように上演されるオペラの歌劇場管弦楽団はウィーンフィルが兼ねており、こちらのオペラチケットの入手は比較的簡単であるものの、これが純粋なウィーンフィルのコンサートとなると話はまた別。
月例の定期演奏会は終身会員しか購入がかなわないため、実はこちらに暮らしていても、ウィーンフィルのコンサートに行く機会はなかなかなかったりするのです。
しかし幸運にも先週、久方ぶりに拝聴する機会が!
コンサートの内容は以下。
◆指揮者:
Gustavo Dudamel (グスターボ・ドゥダメル)
◆プログラム;
リムスキー=コルサコフ:ロシアの復活祭序曲 op.36
ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編):はげ山の一夜
リムスキー=コルサコフ:シェエラザード op.35
指揮者のドゥダメルはベネズエラ出身で33歳の気鋭の若手。
2004年の第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールでの優勝が、
ブレイクのきっかけとなったようです。
写真では少々わかりづらいですが、くりくりの細かな巻き毛が、いかにも指揮者然とした雰囲気を醸し出した人物です。
プログラム内容も、以前鑑賞したウィーンフィルの定期演奏会とは違い、素人にも馴染みがあって、楽しみやすい曲目がセレクトされていました。
特にシェラザードではコンサートマスター(ヴァイオリン)の独奏場面が幾度も登場し、
「これが世界を牽引するヴァイオリニストの一人の演奏か・・・」
と感じながら演奏に聞き入ると、感慨もまたひとしおでした。
今回のコンサートが催されたのは、Theater an der Wien(テアター・アン・デア・ウィーン)という劇場。
絢爛豪華なウィーン国立オペラ座やニューイヤーコンサートの「黄金のホール」で名を馳せる楽友協会の陰でかすんでしまいがちな存在ですが、この劇場内ではベートーヴェンが歌曲「フィデリオ」を作曲していたこともあるなど、思いがけず歴史的な存在。
テアター・アン・デア・ウィーンは元々歌劇場として建設されたものの、しばらくはミュージカル上演に使用されていたため、著者がこの建物に初めて足を踏み入れたのも、ミュージカル「エリザベート」の公演時でした。
しかし最今ではまたオペラ上演会場としての役割を復古しつつあるようです。
ハプスブルク家の双頭鷲のゴールドエンブレムも舞台上に鈍い黄金色の輝きを放っています。
中央にはフランツ・ヨーゼフ1世のイニシャル、"F.J.1"の頭文字が見て取れます。
神韻縹渺の域に達するウィーンフィルの演奏も、このような歴史的・芸術的なコンサートホールで鑑賞すると、いよいよ幻想的。
以前にも述べましたが、あのどこまでも伸びやかでありながら、恐ろしいほど切れのある、まさに心の琴線に触れてくるような演奏はそうそう体験できるものではありません。
演奏が終わった後は、心身ともに昇華されたような、得も言われぬ気分になります。
ウィーンフィルのコンサートは残念ながらなかなか開催されませんが、ご旅行の皆様もウィーンにいらした際には、ぜひいろいろなクラシック音楽に触れて、たくさんの感動を持ち帰ってくださいね!
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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