白馬のワルツで有名なスペイン乗馬学校、450周年で夢のコラボ実現
ウィーンには帝都時代から引き継がれるあまたの見所がありますが、スペイン乗馬学校もそのひとつ。
このスペイン乗馬学校とは、1565年にハプスブルク皇帝マクシミリアン2世によって創立された貴族の子弟のための施設で、現在ではルネッサンス期の伝統を受け継ぐ世界唯一の馬術学校として知られています。
ところで、オーストリアのウィーンにあるのに、なぜスペインとの名前が付いているのでしょうか?
その由来は、この乗馬学校を代表する美しい白馬たちにあります。
この馬はリピツァーナー種と呼ばれ、スペインを筆頭にアラブやイタリア発祥の馬を複雑に交配させたものであることが、"スペイン"乗馬学校と名付けられた由来です。
この馬種は生まれたときは栗毛で、成長と共に美しい純白に色が変わる珍しいもの。頭脳明晰かつ強靭な体を保持することから、16~18世紀当時には世界最高の軍馬として、皇帝が輸出を厭うほど貴重な存在でした。
そんなスペイン乗馬学校も今年で450周年。
ということで、6月にはそれを記念したガラ式典と舞踏会が催されました。
場所は、通常のホフブルク王宮にある室内馬場ではなく、
王宮の雄大な眺めを背後にしたヘルデンプラッツ(英雄広場)で行われました。
徐々に日が暮れていく様が限りなく幻想的!
ショーのゲストは何とスペインのエレーナ王女と情熱的なスペインの騎手たち!
こちらはオーストリアの騎手。
「馬のワルツ」との異名をとるだけあり、華麗なステップで観客を魅了してくれます!
スペインの騎手たちも負けじと、難易度の高い跳躍技を次々と繰り出したため、
会場は拍手喝采の嵐でした!
ちなみにこの跳躍技は、なんと馬が棹立ち状態のまま後ろ足でジャンプする、大変珍しいもの。
オーストリアのリピツァーナー種が純白の白馬であるのに対し、
スペインの馬は、ドイツ語でApfelschimmel(直訳で"リンゴのかび")と呼ばれる、グレー交じりの芦毛。
いずれもため息が出るほど美しさ・・・。
ついでにユニフォームも比べて見ましょう!
こちらのダークオリーブ色のものがオーストリアの騎手たち。
クラシックな都に相応しい、紳士的な雰囲気が漂っています。
対するこちらがスペインの騎手たち。洒脱ですね~!
こうして比べて見ると、同じヨーロッパと言えど、やはりお国柄が滲み出ていておもしろいですね(笑)
そしてショーだけではなく舞踏会も併せて開催されるところは、やはりかつての帝都ウィーンならでは。
もちろんお約束のデビュタントたちも登場します!
会場にくまなく使用されている赤と白は、オーストリアの国旗の色でもある重要なカラー。
オープニングセレモニーのバレエやオペラも、スペインの趣向があちらこちらに。
エレーナ王女もフラメンコを彷彿とさせる意匠のドレスで場を盛り上げていました。
オーストリアとスペイン間の馬を介した異文化交流は、こうして大盛況のうちに幕を閉じました。
今回のように、オーストリアの連綿と続く歴史を体感できるようなイベントは、観ていて気分が高揚しますし、やはり非常に貴重なもの。
これからも興味深そうなニュースがあれば、こちらで紹介していきますね!
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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