趣向の変わった舞踏会【1】 軍服姿で踊る華麗な軍人舞踏会
ウィーンでは古典的なものから現代的なものまでと、様々な趣向を凝らした舞踏会が毎冬開催されているのですが、その中でも一味違う舞踏会を紹介していきたいと思います。今回はウィーンのホーフブルク王宮で開かれた「軍人舞踏会」!
今年91回目を迎え、参加者は3400人を超えたそうです。
ご存知でないかたもいらっしゃるかも知れませんので一応補足しますと、オーストリアは第2次世界大戦後に永世中立国となったため、男性の国民には一定期間の軍役が課されます。そんなわけで、オーストリア人男性であればそのほとんどが袖を通したことのある軍服ですが、舞踏会で通常着用されるものは礼装用ユニフォーム。写真をご覧になればわかる通り、勲章がずらりと並ぶなどより華やかな装いとなっています。
オープニングセレモニーではオペラ歌手のイルディコ・ライモンディが自慢の歌唱力を披露してくれました。
この他には名誉守衛たちのバンド演奏なども。
デビュタントたちの男性も、もちろん軍服着用。
さすが軍人というべきか、他の舞踏会のデビュタントたちと比べて颯爽とした立ち振る舞いで、お辞儀姿もキリッとさまになっています!また他の舞踏会ではもくもくと立ち上るアフロヘア(天然パーマ)や少々奇抜なヘアスタイルの男性も散見されるのですが、軍人舞踏会では全員短髪のすっきりとした髪型が印象的です。
真夜中から始まるセレモニーでは、女帝マリア・テレジアがこの世に生を受けた300年前からどのように音楽とダンスが変遷していったかがショー形式で紹介されました。(今年はマリア・テレジアの生誕300周年です)
その内容はメヌエットにバレエ、オーストリアのフォークダンスにラテンアメリカンダンスの世界チャンピオンによる舞踏、守衛音楽隊の弦楽器演奏までと、実に多岐にわたっていました。
因みにこの軍人舞踏会のロゴとなっているのは、マリア・テレジアが1757年に創設した「マリア・テレジア騎士団」の十字で、勇敢さを表現したもの。彼女がテレジアニッシェ士官学校の創設者であったことから、必然的にこのロゴが舞踏会の顔として用いられるようになり、かつて彼女の居住したホフブルク王宮で舞踏会が開催されるようになったそうです。
軍人舞踏会の雰囲気をもう少し味わってみたい方は、こちらの動画をどうぞ。
途中で赤いベレー帽をかぶったバンド団が登場しますが、この帽子は守衛のカラー。
所属する部署によって色が異なり、山岳部司令官は鮮やかな緑、戦車部隊は漆黒など、全部で12種類ほど存在します。
ちょっと趣向の変わった軍人舞踏会のリポート、お楽しみいただけましたでしょうか?
また他にも紹介しますので、どうぞお楽しみに!
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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