スルタンゆかりの品や実物の大砲まで!密かに人気のウィーン観光スポット、軍事史博物館【1】

公開日 : 2017年04月17日
最終更新 :

ここのところ舞踏会記事が多かったので、今回は久しぶりに観光スポットを紹介します!

ウィーンの観光地の中では比較的マイナーな存在ですが、意外に興味深いのが軍事史博物館。この博物館はウィーン3区の外れにあり、位置的にはベルヴェデーレ宮殿の南方、ウィーン中央駅からは歩いてすぐというロケーション。1857年の建築当初は兵器収納庫として使用されており、館長には皇太子ルドルフも就任していたという由緒正しい施設で、現在は軍事史博物館として機能しており、現役の博物館の中では最古の建物なのだそう。

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このあたり一帯は比較的緑の多い地区で、春から夏にかけては多くのウィーンっ子たちがお散歩する姿が見られます。車を停めて徒歩で博物館の入り口に向かうと、観光地を巡るホップオン・ホップオフ・バスも丁度到着したところでした。ちゃっかり観光ルートに組み込まれているということは、地味な存在ながらも密かな人気があるのかも知れません。

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建物に踏み入れた瞬間からいきなりゴージャス!

何とも壮麗なゴシックの柱廊とアーチ天井が出迎えてくれます。

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正面の階段を上り、2階の広間に出るまでがこれまた壮麗で見事な造り・・・。

"軍事史博物館"という物騒な名称からは想像もつかないほど雅やかで、そこいらのカトリック教会も顔負けの迫力です。

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さて、ここからが展示の開始です。

対トルコ戦争時のオスマントルコ兵の武器や帽子、階級章(馬の尾)が陳列されているのですが、薄暗い年代物の館内に、おどろおどろしい武器類が多数浮かび上がっている様は、ホーンテッドマンションを束の間連想させたりもします。

ところで、こういったトルコ風の武器類は先日紹介したウィーン・ホフブルク王宮敷地内にある「武器庫博物館」や、グラーツの「武器博物館」などでも見学でき、オーストリアにおいてはさほど珍しい存在ではないのですが、この軍事史博物館にはもう少しおもしろいものもありました!

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オスマントルコ軍がウィーン包囲を行った際の布陣図です。

青く丸で囲まれているのが、当時城壁と堀に護られていたウィーン市街(現在のウィーン1区)。

三日月の付いたテントがオスマントルコ軍の位置です。

ウィーン北西にあるウィーンの森からは、ザクセンやバイエルンといった選帝侯たちの軍が救援に駆けつける様まで緻密に描かれており、非常に興味深いです。

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そして、こちらはウィーン包囲時にオスマントルコ軍が残していった本物の天幕!

夫が小学校の遠足で訪れた際には、豪奢なスルタン(皇帝)のテントも展示されていたのですが、傷みを気にしたのか、現在はこちら一点のみが見学可能となっています。

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対トルコ戦争の際にベオグラードを砲撃した火砲の一種、臼砲(きゅうほう)。

命中度が低いため、主として要塞攻撃に多用されたとされています。

ちょっと長くなりそうなので、次回に続きます。

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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