「近代洋画の開拓者 高橋由一」展

公開日 : 2012年07月28日
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高橋由一(ゆいち)(1828~1894) は明治初~中期の代表的洋画家。山形とは浅からぬ縁があります。最も有名な作品は身を削がれ、縄で吊るされた「鮭」(国の重要文化財)。どなたも教科書などで一度はご覧になっていると思います。私も教科書で見て以来、強い印象が残っています。その作品展が現在、山形美術館で開かれています(一般1000円)。

山形美術館.jpg

鮭の絵は3点あり、どれも想像を超える大きさ。描いてあるのは確かに鮭。しかしサイズはマグロ級。重文の作品は鱗が一枚ずつ描かれ、生乾きの皮の感じは絶妙です。特に目を引かれたのが西周の肖像画。礼服に施された刺繍の金糸が一本ずつ描き込まれています。思わず前のめりになって覗き込んでしまいました。もちろん「花魁」(重文)もあります。

高橋由一展チラシ(表).jpg

由一と山形との縁とは、由一が当時、栃木、福島、山形などの県令(知事)をしていた三島通庸(みちつね)の求めに応じ、これらの県で写生旅行を行い、道路建設などが進む風景画を沢山残したことです。特に有名なのが「山形市街図」。県令としての実績を記録として残したい三島と、洋画の普及を図った由一の考えが合致したようです。

同展の山形での開催は7月20日(金)から8月26日(日)まで。この後、9月7日(金)から10月21日(日)まで国立京都近代美術館で開催されます。130点を超える作品や資料が展示されています。じっくり見て回ると2時間近くかかります。もう一度行こうと思っている特派員イチオシの作品展です。是非お見逃しなく。図録(2300円)を買うと重文の鮭の絵の実物大(?)複製画(長さ1メートル程)が付いてきます。

〈参考〉

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