海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > 日本  > 山形特派員ブログ > 八丁平の六地蔵―笹谷峠

日本国内/山形特派員ブログ 韮澤 成行

日本国内・山形特派員が現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年11月13日

八丁平の六地蔵―笹谷峠


メール プリント もっと見る

八丁平の六地蔵―笹谷峠

ここは山形と宮城の県境にある笹谷峠。標高900メートルを超える一面笹に覆われた平坦な場所です。古くから両県を結ぶ街道(笹谷街道。現国道286号)が通り、峠の地下深くにトンネル(笹谷トンネル)が開通するまでは交通の要所でした。今ここに来るのは雁戸山や山形神室岳方面への登山者か行楽のための人たちがほとんどのようです。                                     人が通るのに都合の良い地形は風に取っても好都合で、人間など吹き倒されそうなほど強い風が吹くことがあります。そのせいでここには高い樹木がなく、広大な笹原になったという説もあります。


この峠の場所は八丁平とも呼ばれ、街道を峠まで登り付いた所から反対側の下り口まで八丁(約900メートル)あるということから名付けられました。ここは冬場には豪雪に見舞われ、昔は旅人が遭難することもあったようで、供養のために建てられた石碑がかつての街道沿いに幾つも残されています。

 

中でも江戸期に仙台藩から最上藩に荷物を運ぶ途中、吹雪の中で遭難した六人の人夫の慰霊のために建てられた六体の石地蔵は、二体を残して伝説となっていたのを、昭和58年に峠下の住人が地中から捜し出して復元し、八丁平の六地蔵として知られるようになりました。  六体は六人と等身大だそうで、それぞれ鶏亀地蔵菩薩、法性地蔵菩薩、宝性地蔵菩薩、地持地蔵菩薩、法印地蔵菩薩、陀羅尼地蔵菩薩といわれ、道標の役目も兼ねて立ち続けています。

 


今は散策路となった笹谷古道を山形側から進むと、まず峠越えの避難小屋でもあった尼寺の跡があり、近くの分かりにくい笹藪の中に小ぶりな石地蔵が数体見つかります。八丁平の六地蔵はそこから先に上記の順で等間隔(約80メートル)に並んでいます。

数えて行くと六地蔵のはずが七体あります。しかも最後の地蔵は最初と同じ鶏亀地蔵。説明書きによると八丁平にある等身大の地蔵は七地蔵だが、この一体だけが宮城県側にあるそうで、山形県側の六体とは別のようです。

 

この地蔵の前に有耶無耶の関跡があります。古くから歌枕として有名な関所の跡ですが、今は笹を刈った空地に場所を示す太い柱と解説パネルがあるだけで、遺構のようなものは何もありません。                この妙な名前は、この辺りに鬼がいて旅人を捕えては食べていたが、山中に現れた鳥が、鬼がいる時は「有也(うや)」、いない時は「無也(むや)」と鳴いて旅人に知らせたことから付けられたといわれています。この鳥は後述の仙住寺の十一面観音が化身したものだそうです。

 

有耶無耶の関跡から坂(地蔵坂)を少し下って涸沢を渡ると、数分足らずで東国山仙住寺跡に着きます。この寺も旅人の避難所を主な目的として二代目の伊達藩主が建立したものでしたが、明治政府の神仏分離令により廃寺となりました。本尊の十一面観音像は峠下の笹谷宿のお堂(現在の十一面観音堂)に移され、今も健在(?)です。                                                  宮城県側の笹谷古道には多くの見所があり、歴史を忍びながらの散策が楽しめます。

 

笹谷峠:山形市街中心部から車で約40分。駐車場・トイレあり。            現在、笹谷街道は冬期通行止め中(来年4月24日午前11時(予定)まで)。

 

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー 見所・観光・定番スポット
2014年11月13日
« 前の記事「菊切り-竹ふく」へ
»次の記事「雪の山形」 へ
おすすめ記事
    山形特派員 新着記事
    皆様、御機嫌よう
    日本一公園-左沢楯山城跡
    奇習 加勢鳥
    蔵王の樹氷、今季は...?
    召しませ春を 山形の啓翁桜
    びじゃか、やばつい-なんのこと?
    FIS スキージャンプ女子W杯蔵王大会
    冬の花火はつらいよ-山形冬の花火大会in霞城公園
    1年前の同じ月に投稿された記事
    そばがき-原口そばや
    ダッタンそば-あづまや
    見頃です-もみじ公園
    紅葉の山寺

    東北旅行 旅スケジュール

    旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■山形県の旅行記・口コミ「旅スケ」へ

    日本国内特派員ブログ一覧

    ニセコ・北海道三宅島三重与論島五島列島京都八丈島函館北海道南三陸南島原和歌山埼玉大崎上島・広島大阪宮古島富山小笠原山形広島徳島房総・千葉新宿新潟札幌東京松前栃木横浜沖縄沖縄2湘南滋賀神戸神戸・兵庫福井福岡福島種子島能登茨城金沢釧路長崎長野青森香川鶴見大島・大分鹿児島

    日本国内にもどる

    • 特派員プロフィール
    • 山形特派員

      山形特派員
      韮澤 成行
      東京でのサラリーマン生活を終え、好きな京都に移住したのも束の間、思いがけずに今度は山形。都会生活が長かったので田舎暮らしの不便さを感じますが、これが日本に住む人々の平均的なレベルなのかも… 人生もうあくせくする必要はなく、住めば都になるかもしれません。高層ビルのない空は広く、自然が身近にあって食べ物は新鮮でうまい。でも、次はどこへ行きますかね?国外?まさか!

    • リーダーに登録

    地球の歩き方Web特派員募集