今週日曜日、ついにクロアチア初の女性大統領が就任! ザグレブ観光への影響のお知らせ

公開日 : 2015年02月14日
最終更新 :

今週末2月15日(日曜日)午後12時より、ザグレブの聖マルコ教会前の広場で新大統領の就任式が行われます。就任式の開催にあたり、ザグレブ市内中心部は厳重な警戒体制がしかれる予定。交通機関などに大きな影響はないと思われますが、今週末にザグレブ観光を予定されている方は、14日(土曜日)の夕方から日曜日にかけて聖マルコ教会付近は通常観光ができない状態となることが予想されるのでご注意ください。

ちなみに「せっかくだから就任式を見たい」という方は、地元メディアのアドバイスでは「少なくとも就任式開始の2時間前には聖マルコ教会付近へ行くように」とのことです。当日(15日)に聖マルコ教会付近を通る予定をしている方、セキュリティーが強化されているため、ボディーチェックなどが行われる可能性もあるのでご留意くださいね。

(画像の出典:Danas.hr

さて、新大統領として就任するのはクロアチア民主同盟(HDZ)のコリンダ・グラバルキタロビッチ氏。グラバルキタロビッチ氏は2011年から2014年まで、NATO(北大西洋条約機構)の広報外交担当の事務次官補を務め、NATO初の女性の事務次官補としても知られる人物。そして、今回はクロアチア初の女性大統領としても注目されています。

先月1月の大統領選挙で、現職の大統領であるクロアチア社会民主党(SDP)イボ・ヨシポビッチ氏の得票率49.26%をわずかに上回る50.74%で当選しました。今回何名かいた大統領候補の中で、いずれにせよこの2名のどちらかが当選するだろうと予想されていましたが、最後の最後までどちらが当選するかわからない選挙、まさに文字通りの大接戦でした!

選挙の当日も、選挙権のある周囲のクロアチア人は(本来あるべき姿ですが・・・)一人残らず投票所へ。投票後は開票を生中継するTVの前に張り付いて、結果を見守っていました。クロアチア初の女性大統領としても注目されるグラバルキタロビッチ氏ですが、才色兼備の大統領としてクロアチア国内外の注目を集めているようです。一方で、私のまわりのクロアチア人の多くは、今回の当選結果をとても冷ややかに受け止めているようです。

「またHDZ(クロアチア民主同盟)の政治家が国のリーダーなんて」と嘆く人々。彼ら曰く「SDPはそれなりによく頑張ってくれた。目立った汚職もほとんどなかったし・・・HDZなんかと比べれば」とのこと。

HDZはクロアチア語で「ハーデーゼー」と発音するのですが、HDZのことを「クラーデーゼー("盗人党"のような意味。クロアチア語で"krasti(クラスティ)"は「盗む」という意味)」と揶揄する人も少なからず・・・。汚職が蔓延しているクロアチア。2013年のEU加盟を目指してかなり改善されてきたとは言え、その根は深く、特にHDZは汚職やスキャンダルの多い政党として知られているのです。

一方でHDZを指示する国民がたくさんいるのも事実。今回の得票率の数字にだってしっかり表れていますものね。ちなみにHDZの得票率が特に大きかったのが、保守的な人が多い地方都市。支持される理由は様々ですが、HDZを嫌うクロアチア人曰く「HDZを支持することによって私服を肥やしたり、得する人がいるから」「国を愛することは素晴らしいことだけれど、くだらない("他を尊重しない極端な右寄り""排他的な"という意味で)愛国心を叫ぶやつらがHDZを支持している」・・・なんだとか。支持する理由は人それぞれですが、このような意見が目立つように感じます。

(※一般的にクロアチア民主同盟(HDZ)は中道左派、クロアチア社会民主党(SDP)は中道右派と見なされています)

メディアで大きく取り上げられることはありませんが、国民の間では今回の選挙に関してこんな噂も・・・。

ボスニアなどクロアチア国外に住むクロアチア人(彼らは正当な選挙権はあります)にHDZが党員であるグラバルキタロビッチ氏に表を入れてもらえるように 一人当たり数十クーナ支払ったというもの。HDZ嫌いの国民はこの国外に住むクロアチア人からの投票がなければSDPが勝ったのに・・・と肩を落しています。

あくまでも噂なので、事実はどうだかわかりません。ですがいずれにせよ、こんな噂がまことしやかに流れるなんてHDZに対する国民の不信感も相当大きいよう。

ちなみにメディアは「経済の低迷」が今回HDZが勝利した大きな要因だと伝えています。6年連続でマイナス成長に陥る見通しのクロアチア。一向に回復を見せる気配のない経済に落胆し、現在の政党ではなく再びHDZ、グラバルキタロビッチ氏に希望を託した国民が半数以上を占めた模様。

いずれにせよ、クロアチアのこれからの一番の課題は経済発展。

失業率が20%を超え、苦しい生活をしている国民が多いクロアチアの経済をなんとか改善してほしいものです。

美しいクロアチア。

そんな祖国が大好きだけれど、より良い暮らし、仕事(お給料)を求めて、優秀な若者がどんどんとクロアチア国外へ出て行ってしまう「頭脳流出」も社会問題となっています。この国が好きな国民が、安定した良い暮らしができる国へとなってほしいものです。

グラバルキタロビッチ氏は今回の選挙をエネルギー安全保障や失業率の改善、若者の国外流出問題の解決に取り組むと国民に訴えかけ、見事当選。勝利宣言と同時に「クロアチアが豊かな国にならないなんて誰にも言わせない」と国民に約束したそう。笑顔が素敵な才色兼備のパワー溢れるグラバルキタロビッチ氏。政治に対する国民の不信感を払拭し、その約束をしっかりと果たしてくださると期待しています。

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