No.59 筆者が実際に執り行ったイタリア式結婚式Italian Weddingのご紹介 Vol.2 

公開日 : 2019年03月20日
最終更新 :

みなさん、こんにちは。アンコーナ特派員の丹羽淳子(ニワアツコ)です。前回に引き続き、イタリアでの結婚式についてご紹介します。

さて、結婚式に際して日本人である私たちには必要な書類が存在します。それは、日本で言う戸籍謄本の役目を持つ書類です。Nulla Osta(ヌッラオスタ)と呼ばれ、日本語での意味としては"査証"、"許可証"になります。私たち日本人は、イタリア北部在住の方はミラノにある日本領事館へ、中部から南部在住の方はローマにある日本大使館へこの結婚に対する"Nulla Osta"を取得しに行く必要があるのです。取得に際しては、有効期限内(よって、発行から三月以内)の戸籍謄本が必要です。細かい注意がありますので、必ず事前に監督館で何が必要なのか確認をしてもらう必要があります。(また、結婚相手の住民票のような書類も必要です)

要は大使、もしくは領事が、戸籍謄本を元にイタリア語で、挙式予定者が結婚していないということを証明する書類をイタリア語で作成してくれるのです。そして、このNulla Ostaは、挙式前6ヶ月内取得期限があります。こんな事を色々と考えながら動いていると、本当にややこしい!

私の場合はローマの日本大使館での作業でしたので、朝一番の電車に乗りローマへ向かい日本大使館で必要書類等をまとめて提出。その後午後一番(16時ころ)に完成したものを受け取り、アンコーナへその日中で戻るという流れでした。ローマ周辺に住んでいる方なら何て事無い作業でしょうが、遠隔地に住んでいる者にとっては、なかなか骨の折れる作業です。

そして、このNulla Ostaを今度はマルケ州州庁に提出し、マルケ州からの承認印(Legalizzazione)も受け取る必要もあります。

余談ですが、日本と違って州庁は一つの場所に集まっているのではなく、機関ごとで色々な場所に点在しています。ですので、対応してくれる部署に間違えずにたどり着くことがまずもって大切です。この申請には確か16ユーロの印紙が必要でした。

文章で書くと、半ページほどにまとまる内容ですが、実際に作業をすると様々なドラマがあり、Nulla Ostaに州庁印がもらえた時は、まさに大仕事を終えたという感慨も一入でした。

私の書類、そして結婚相手の書類(独身とわかる住民票のようなもの)が揃ったところで、居住区にて婚姻の申請に入ります。結婚する予定です、ということをComune:コムーネ(居住する行政区)に申請します。

この次が非常に面白い習慣なのですが、1週間の「Pubblicazione」という告知があります。昔は役所の前にて貼り紙で告知されていたらしいですが、今はインターネットのComuneの掲示板を利用して行われます。だれもこの婚姻に対して異議を唱えてこなければ、晴れて婚約という状態になります。

そして、私たちは自分たちの居住区ではなく、ピエモンテ州のBaroloにて挙式でしたので、居住区のComuneから婚姻に際して必要な書類を受け取り、BaroloのComuneまで発送する、という作業が最後に待っていました。また、婚姻には日本と同様に新郎新婦それぞれに一人ずつ介添人(Testimonio)をつけることが必須になります。その介添人の二人分のCarda d' identita (身分証明書)のコピーも共に発送する必要がありました。

私の介添人を引き受けてくれた、主人の妹が挙式当日にサインをしてくれているところです。

介添人.jpg

それにしても結婚式のこの公的な準備が本当に長い。

なぜ長いのかというと、日本と違って役所の開館時間が異様に短いことや、担当者が休んでいたりすること、また話す相手によって言われることが異なる、など、イタリア特有の状況があわさって、異様に時間がかかります。何事にも早めの行動と、メモと、担当者名の確認は怠らないこと、これが基本です。

文章ばかりの内容になりました。イタリアでの結婚を考えられている方の何かのお役に立てれば嬉しいです。

また、イタリアでの模擬式なども観光客の方向けで執り行うことが出来る行政もあるようです。その場合は全く異なる手法になると思いますので、お目当てのComuneにお問い合わせされることをおすすめします。

筆者が実際に執り行ったイタリア式結婚式のご紹介 Vol.3 に続きます。

Ci vediamo presto.また来週お会いしましょう。

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筆者

イタリア特派員

丹羽 淳子

イタリア、アンコーナ県の海辺の町に住んでいます。毎日を気ままに過ごすことが堂に入ってきました。

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