フレンチ・トーストはフランス料理?

公開日 : 2010年02月15日
最終更新 :

日本では軽食として親しまれているフレンチ・トースト。このフレンチ・トーストって「フランス料理なの?」と友人から質問されました。

パンを、卵を中心にしたものと絡めて焼いたり揚げたりする食べ方は世界各国にあるようです。フランスでは、卵とミルクの混ぜたものにフランスパンをつけてフライパンでこんがり焼き、これに砂糖、蜂蜜またはジャムなどを好みでつけて食べる、という方法が一般的なようです。こうやって食されるパンをパン・ペルデュPain Perdu(迷子のパン)と呼んでいます。

昨年のクリスマスに義理の家族が1週間滞在した後は、毎食ごとに食べるパンの残りがスーパーのビニール袋いっぱいになるほどでした。ご存知のようにフランスではいわゆるバゲットなどの周りの硬いパンが好まれるので、その日に食べてしまわないとそのまま食べるには硬くなってしまいます。この硬くなったパンを「もう食べない」として処理するのであれば、細かく砕いて鳥のえさにする(アヌシー公園でよくジョギングがてらに鳥にパンくずをあげている人を見かけます)、さらには自宅用コンポスト(有機堆肥貯蔵箱)に入れる、または他の生ごみとともにさよならする、というのが可能なオプションです。

「いや、もったいないから食べよう」となった時に、もしパン製造後2−3日目くらいであれば、この地方でまず考えられるのが、チーズ・フォンデュに使うこと。フォンデュ用のパンは、新鮮なパンだとチーズの中で崩れてしまうのでちょっと古いくらいのほうが上手くチーズを絡められます。そして地方を問わずに、もう一つ考えられる「使い道」がパン・ペルデュです。ある資料によると、パン・ペルデュは「貧しい料理」とされてきたようです。硬くなって行き場のなくなった迷子のパンを、安くて手に入りやすい材料で、しかも簡単な方法で食べ物として復活させるところからこの名がついたようです。その後、シナモンで香りをつけることによりあるレストランではデザートとしても考案されるようになったそうです。

さてそういうわけで、冒頭の質問に対する私の答えは、「フランス特有の料理か」という意味ではNonでしょう。でもなぜそれが英語でFrench Toastかということになると、最初に考案したフレンチ氏という名から取ったとか、フランスに対する軽蔑をこめてつけれられた、とか諸説ありますが、この辺は定かではありません。どなたか「これこそがフレンチ・トーストの名前の由来!」というのをご存知ですか?

images.jpg

============

パン・ペルデュの話については主に以下のウェブサイトを参考しました。

http://www.paincroquant.com/pain_perdu.php

世界のいろんなパンが研究されていて結構楽しく読めるサイトです。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。