アルプス山麓 ディオザの滝 Gorge de la Diosaz

公開日 : 2010年07月24日
最終更新 :

フランスも7月に入ってからかなり気温が上がり、暑い日が続いています。日本よりも湿度が低いので不快な暑さではありませんが、やはり昼間に30度以上になると、皆プールに入ったりアイスクリームを食べたり「涼」を求めて暑さをしのぎます。

さて、私も同じく涼を求めて、レ・ズシュ(Les Houches)というアルプス山麓の町に滝を見ながら散歩ができるディオザ渓谷(Gorge de la Diosaz)に行ってきました。その後は、アルプスの救助犬として有名なセント・バーナード犬のブリーダーも見に行ってきました。

mtblanc.jpg

お天気快晴。正面にモンブランを見ながら高速を運転して目的地へ。

〈1〉ディオザ渓谷 Gorge de la Diosaz(観光情報はこの記事の最後に掲載)

この渓谷近辺には、15−6世紀ごろから鉱物資源の採取場所として人びとが出入りしていたそうです。19世紀に物理学者でもあったカザン氏は、この渓谷の美しさに感動し、所有者となりました。そして誰もがこの渓谷を楽しめるよう、脇の岩盤に沿って歩道を作り始めました。今では年間1000人近く訪れる観光地になりました。

cascade1.jpg

緑が気持ちいい渓谷。

cascadecanopi2.jpg

岩盤に沿いながら歩道が渡されています。

わりと足場が整っているので、ハイキングと言う感じで気軽に登れます。出発から最終地点までが途中で立ち止まりながら1時間弱、帰りは20分ほどです。基本的に木陰の中を歩くので、滝のアルファ波を浴びながらのんびり涼しく散歩しました。最後は岩盤の割れ目にある滝の上で一休み。岩の間にのぞいた青空を仰いで深呼吸。しかしここまで歩道を造るのもさぞかし大変だったことでしょう。

ここで2−3年前に川下り禁止を無視したグループが救助された際の写真まで張り出されていました。それだけ人を魅了する場所なんですね。

〈2〉レストラン Les Gorge de la Diosaz

渓谷入口のすぐ近くにあるレストラン。渓谷を散歩した後に、ここで昼食をとりました。後から知ったのですが、2008年及び2010年版ミシュラン・ガイドに掲載されたレストランだそうです。この時期は気持ちよい南側のテラスでモンブランを見ながら食事ができます。味も盛り付けも非常に洗練されていました。去年の夏にフランスの観光地レストランに失望していたのですが、ここでは期待を大きく上回る食事ができました。

後でミシュラン・ガイドに掲載されたレストランであったことを知って納得。その割には値段が良心的でコース・メニューが26ユーロから。上のリンクからメニューを見ることができます。

〈3〉セント・バーナード犬飼育舎

小さな木樽を首に下げた姿と下がった口元がトレードマークのセント・バーナード犬。アルプスの救助犬として知られています。スイスが原産とされていますが、もともとは2世紀ごろローマ帝国軍が軍用として持ち込んだモロシアという種から発達した犬だそうです。11世紀にイタリア国境に近いアルプス山麓に聖ベルナルド・ホスピスと言う修道僧による療養所が造られました。モロシア犬に源を発する犬はこの療養所で、番犬及び作業犬として育てられるようになりました。そして雪深いのこの地を旅する人びとの捜索などに非常に活躍したことから、雪山の救助犬として使われるようになり、この療養施設にちなんでこの種の犬をセント・バーナードと呼ぶようになったそうです。

遭難救助の機器や技術が発達した現在では、セント・バーナード犬の出番はほとんどありませんが、こうして観光客向けなどにも種を保存しながら育てられています。ちなみに19世紀ごろ絶命の危機に瀕したそうですが、多種との交配で保っているとのこと。長毛と短毛があって、雪山の救助には、毛が凍りつかないので短毛のほうが向いていたとのこと。

stbernard2.jpg

樽の中身はハーブ・ティーにお酒を混ぜたものだったそうです。

これは中型で体重52キロ。他にも100キロ近い大きなセント・バーナードもいました。

==============

●ディオザ渓谷

〈行き方〉ジュネーブまたはアヌシーからは高速A40でシャモニ方面へ。途中高速が終わりますがそのまま真っ直ぐ行くと、ServozとGorge de la Diosazの双方の表示に従って曲がります。後は目的地まで要所でGorge de la Diosazの表示が出ているので従えばServozの町を通り抜けて到着します。所要時間はジュネーブ及びアヌシーからともに約1時間。

〈住所〉181 allée des Gorges、74310 Les Houches

〈電話番号〉 04.50.47.21.13

〈料金〉大人1名 5ユーロ / 子ども(12歳以下)4ユーロ(5歳以下無料) 

    =〉10名以上の場合は団体料金が適用されます。詳しくはウェブサイト参照。

〈支払い〉現金のみ。クレジットカード不可。

〈開園時間〉7月及び8月 午前9時30分から午後6時まで

      6月及び9月 午前9時30分から午後5時まで

● セント・バーナード犬飼育舎

〈行き方〉ディオザ渓谷からLa Fountaine方面に向かって車で約10分。またはシャモニ方面へ向かう国道205(高速A40の続き)からLa fountaineに入るとすぐ。

〈住所〉223 Chemin des Vorziers、La Fontaine、74310 Les Houches

〈電話番号〉+33(0) 4 50 47 23 60

〈料金〉大人1名4.5ユーロ / 子ども(5-12歳)3.2ユーロ 〈現金のみ)

〈開園時間〉火曜から土曜まで午前10時から11時半までと午後14時30分から18時30分まで。日曜と月曜は午前10時から11時半までのみ。

〈ウェブサイト〉独自のサイトはなく、以下レ・ズシュの観光局サイトから。 

http://www.leshouches.com/fr/elevage_st_bernard-1-fr-72.aspx

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。