春の風物詩「苗市」と「ゼラニウム市」
アッペンツェルの標高は780m以上で、山だと1700mを超えます。
ただでさえチューリッヒなどと比べると5度ほど気温が低いのに、今年はいつになく寒い5月が続いています。
我が家は電気の暖房器具がないので、部屋の中でも寒さに耐えられず、ダウンジャケットを羽織った上でせっせと暖炉に薪をくべ、気分はまだまだ冬。
そんな寒さの中でも、毎年恒例の「ゼラニウムの苗市」や「オーガニックの色々な苗市」は元気に開催されました。
この苗市はスイス全土、あちこちで開かれる催しで、春の訪れを告げる風物詩、庭仕事の準備スタートの合図、とも言えます。我が家も例にもれず、この苗市を心待ちにしています。
今回ご紹介するのは、地元の村で開催された「オーガニックの色々な苗市」。
夫と出かけたのですが、この苗市はゼラニウム市場に行く道すがら偶然発見しました。というのも、何の宣伝もなく、口コミだけで浸透しているのです。
地元民が苗をせっせと作り、せっせと売り、それを地元民がせっせと買う、という地元民だけのための内輪のお祭りのような存在なのです。
こんな看板、見落としてしまいますよね。ピンクの風船の下に、小さなお知らせが貼ってあります。
入り口でフォームをもらい、いざ屋内へ。
ところ狭しと色々な苗が売られていますが、メインはゼラニウムとハーブ類やイチゴ類。
きゅうり、かぼちゃ、ナス、レタス、クレソン、ねぎ、ズッキーニ、トマトなどの野菜も大人気です。
各スタンドで苗を選ぶと、売り場の人がフォームに苗の種類と数、値段を書いてくれるので、出口でまとめて支払うという仕組み。
私たちが購入したのは、ゼラニウム5種やトマトの苗。
普段なら捨てるヨーグルトのプラスチック容器で苗を販売しています。
スイスで売られているカボチャは水っぽいので煮付けやお味噌汁用には不向きなのですが、時々見かけるのは「Hokkaido」という種類。日本のホクホクしたかぼちゃと比べたら・・・ですが、スイスのかぼちゃと比べると水分が少なくて甘味があり、和食を作るときには欠かせません。その「Hokkaido」の苗もたくさん販売されていて、日本人の私としては誇らしいような気持ちになりました。
次に訪れたのは、ゼラニウム市場。こちらは、プロの業者が出店している小さな市場です。
私たちは朝早く(といっても9時過ぎ)に行ったので、まだ空いていました。
これが10時を過ぎると、この駐車場がいっぱいになって、苗もどんどん少なくなってきます。
ここで私たちが毎年のように購入しているのは、香りのついたゼラニウム。
葉を少しこするだけで香ってくるスパイシーでいて甘い香りが大好きなのと、葉や花の色が薄かったり、毛がふわふわしていたりして可愛らしいのでお気に入りなのです。
苗を買ったら春到来!です。
ゼラニウムを鉢に植えて窓際に設置したら、またここでご報告したいと思います。
筆者
スイス特派員
ヘス 順子
スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。
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