2019年、スイスは猛暑と熱波で大騒ぎ

公開日 : 2019年07月10日
最終更新 :

スイス=青い空と白い雲を背景にそびえるアルプスの山々が涼しげな国。

スイス=夏でも涼しいおしゃれな避暑地。

スイス=クーラーが要らない天国。

そういうイメージを覆してくれた、2019年の7月はどんなお天気かというと。

スイス中央部のチューリッヒと比べて、通年3〜5度ほど気温が低いここ東スイスのアッペンツェル地方ですら、最高気温34度、最低気温21度、というお天気が続いています。

体感では、プラス3〜5度ほど高く、ここでは午後3時くらいに気温がぐんぐんと上がり、5時から6時までが最高気温をマークするのが通常。

日本の暑さと比べて、何が違うかというと、

1) 湿度が低い

スイス人たちが「今日は蒸し暑い!働く気になれない!」と騒いでいるのは、日本の夏でいうと湿度50%から、せいぜい70%という印象です。

汗はベタベタというより、サラサラサラサラと蛇口から流れ出る水のよう。

服が吸った汗は、汗が止まると30分以内にはしっかり乾きます。

クッキーを焼いて1日や2日放置していても、ずっとサクサク。

IMG_2812.JPG

ということは、お肌も髪も、冬に比べたら断然マシとはいえ、やっぱり乾き気味なのは事実です。

2) 照りつける太陽が痛い、ビーフジャーキーになりそう

UV指数が10段階のうち8〜9が当たり前の夏は、紫外線が肌をチリチリチリチリ刺すような感覚を想像していただけるとわかりやすいです。

実際に日焼け止めクリームを塗らないと、10分もしたら肌がじわーっと熱を帯びてきて、その繰り返しで1週間以内には物の見事に「焼けた」肌になります。

空気が乾燥しているから、焼けた肌は亀の甲みたいな模様やちりめんなることもしばしば。とにかく保湿、保湿で乗り切るのが得策。

炎天下に「帽子なし、水なし、日焼け止めなし」で5分も立っていたら、生命の危険を感じるくらいの脱水を感じます。

IMG_2831.JPG

午前8時の段階で、土はここまで乾燥しています。

毎朝、「夕方まで持ちこたえてくれるのか」と植物の身さえ案じる始末。

3) 日陰に入ったら涼しいし、地下室では寒いほど

暑さの原因は灼熱の太陽+湿度が低い=太陽を避ければかなり涼しさを感じます。

寒がりの人はカーディガンを羽織っていたり。

4) 歴史的に猛暑があまりなかったので、クーラーが設置されていない

公共交通機関や大きなホテル・レストランではクーラーが効いていますが、小さなレストランでは自然の風を楽しむ!という姿勢ですし、一般家庭でもよほど暑がりではない限り、クーラーを設置している家、しかも各部屋にクーラー、という家庭は(私の交流範囲では)お目にかかったことがありません。

扇風機をひょろひょろ回していれば大丈夫、という感覚。

最終兵器は「水風呂」。プールで泳いでもいいけれど、時間もない、日焼けをしたくない私には水風呂が定番です。

一般的なスイスの夏でも帽子、日焼け止めクリーム、サングラス、飲料水が必需品で、一番暑い午後3時から5時には歩いている人も少なくなるほどなのですが、2019年の7月は扇風機なんかでは足りず、熱中症のような症状になる人が多発しています。

ネットの天気予報で気温だけ見ればそれほど暑くないと感じても、肌に刺さるような太陽光線にやられてしまうので、スイスに旅行されるときは、「26度を超えたらサングラスと日焼け止めクリームは確保、30度を超えたら帽子」と、大げさに構えているくらいが安心かもしれません。

ハイキングは、少し涼しくなる午後5時くらいからショートコースで楽しむか、涼しい日を選んで行かれることをお勧めします。

筆者

スイス特派員

ヘス 順子

スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。