良くも悪くも名高いバザール 全部見せますビッグシャンハイ
今日も大好きお買い物。
折角なので、ちょっと遠出とばかりに北東を目指します。
街の中心から約10km、バスで小一時間、Алаш шоссе(アラーシ ショッセ=Alash Hwy)の市の外れ、大きなバザールが見えてきます。
この辺りはロシア語で郊外を意味するзагород(ザーガラト)と呼ばれています。
十数年前、この『загород』を指す場所はもっと市の中心寄り、それこそアルチョムバザールの辺りでした。
この言葉一つとっても、アスタナ市が拡大している事が如実に窺い知れます。
ちなみに白タクの運転手などは「в город」(フ ゴーラト=市内へ)なのか「за город」(ザ ゴーラト=市の向こう側へ)なのか結構敏感で、行き先を番地で示した上で料金を合意していても、それがза городと分かるや否や「за городだから料金が安い」等と言ってきたりもします。
これはまあ、建物が存在しないと番地が発生しない事と、さらに往々にして、彼らは住所で地図を考えていないという事なのですが。
そんな事より目的のバザールです。
道路に面した駐車場、殆どバラックと言って差し支えない様な幾つかのカフェがあります。
その奥に広大なスペースが広がり、さらにその先、ビッグシャンハイの看板が見えます。
建物に近づく道中、迷路の様にコンテナが並んでいます。
物流でお目に掛かる、タンカーやトラックに積載するそれです。
そのコンテナのそれぞれがお店になっていて露天商が店番をしています。
工具、タイヤを含む自動車用品から、自転車、子ども用品等雑多に並んでいます。
子ども連れが多く、皆ここで子どもにおもちゃを買い与えるのでしょうか。
ロディー。本物かはたまた。
牙城と言って良い様な佇まい、ビックシャンハイの建物に辿り着きます。
最近、アスタナ市内で取り締まりを強化しているのか、入り口に「スリ注意」の張り紙もあります。
このзагородのバザールエリアは地方から買い物に来る人、市内から来る人が入り乱れるせいか「カザフ人でさえスリに遭うから注意しろ」とはカザフ人。悪名の高さがなんともワクワクします。
昨年の年末に火事があったというのが嘘の様に、建物内は活気があふれています。
ある記事によると、このバザールは鉄道駅にも近い事から、列車を利用して南の街から二昼夜かけて商品を運び、数日ここで商売をし、また郷里に帰る様な生活をしている人も多いのだそうです。
実際会った人たちに話を聞くと、キルギスやウズベキスタンから来たという人も多くいました。
このバザールに漂う、ある種の異国感に合点がいきます。
おもちゃ好きの私としては、遂々お店を覗きたくなります。
チェブラーシカが目印のおもちゃ屋さん。
機関車トーマスの親戚でしょうか「LIGHT TRAIN」です。
バービー人形よりもマーシャよりも、今はこれがアツい「FASHION GIRL」。
磁石でくっ付くロシア語アルファベットです。
欲しい人は直連絡、待っています。
綺麗にディスプレイされたそれというより、問屋といった印象です。
別の通路にはモンゴル製のラクダ混綿の手袋や靴下が並びます。
冬の寒いアスタナでは、これらの商品は割といつでも買えます。
タバコ屋さんの看板。「CAMEL」ではなくカザフ語とロシア語で「タバコ」と併記してあります。
ここカザフスタンでは、タバコは生産しておらず、ロシア産、イギリス産それにアメリカ産のものが販売されています。
日本とは違い、銘柄はさほど多くはありません。
中華食材店を見つけました。
調味料、食材、中華鍋とお玉が販売されています。
市内ではあまり売ってないので、中華がどうしても欲しくなった旅行者諸氏には朗報です。
また、カザフ人の友人から聞いた話、このバザールの名前の由来は、中国生まれの帰化カザフ人(カザフスタン政府がそういう政策を採っている)が多い事、このバザールの商品の多くが中国から流れてくる事、それにこの広大な敷地と、さらに騒がしさが中国を彷彿とする為、『ビッグシャンハイ』という名前が付いているのだそうです。
精肉コーナーに豚の看板。もしかしたら豚肉も販売しているのかも知れません。
エスカレーターで2階に上がってみます。
到着した先に所謂ガチャガチャが並んでいます。
50テンゲのガムと、高い方は100テンゲのおもちゃです。欲しいけどぐっと我慢。
どういうセンスなのか、卓球台やちびっ子の遊べる遊具なんかが並んでいます。
そして椅子と見るなりすぐ座るカザフっ子たちがぼんやり座っています。
このフロアは主に衣類が並んでいますが、メリーゴーランド越しの紳士服屋がシュールで◎
トランクや民族衣装も並んでいます。
子ども向けのこれら正装も素敵です。
反対側のエスカレーターから再び1階に戻ります。
野菜やナッツが安く購入できます。但し要交渉。
お店の宣伝の横断幕。まさにシルクロード。
ここいらで跋扈している、砂漠の商人とまともにやり合うには、シタタカな心と高い交渉力が求められます。
眼鏡屋さんに並ぶ老眼鏡。
眼鏡よりも視力を測定する紙に食指が動きますが、どうかしていると思われるので交渉は持ち掛けません。偉い。
お昼に差し掛かりお腹が空きました。
近くのカフェに入っても良かったのですが、以前行った美味しいシャシリク屋さんがあった事を思い出します。
市内の方向のバスに乗って2つ目の停留所、ツェントラーリヌィ・リーナック前で下車します。
このリーナックを左に見て、グルッと裏手に回り込むと目指すカフェがありました。
挨拶と握手。手に付くシャシリクの油。
半年振りに来てみたものの、店頭の焼き台のおじさんは私の事を覚えていてくれました。
立地的に考えれば当たり前ですが、こういうカフェはバザールで働く人たちの為に営業しています。
お洒落なサンドイッチ屋なんかをやってみても結局流行らず、庶民の食事、それこそシャシリクやラグマン、サムサに落ち着くのだとか。
そして矢張り、値段も極めて廉価です。
今回注文したのが鶏のモモの焼いたもの。
コーラも入れて、確か値段は900テンゲ(約300円)。
商人たちとやり合う活力が、みなぎってきます。
さて、と腰を上げ、続きの買い物に出掛けましょう。
【Биг Шанхай】
営業時間:9:00 - 19:00
https://goo.gl/maps/8EGuyA4w2BK2
【Кафе Адиль】
https://goo.gl/maps/AzmddRqKfZ32
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