メガロ・ムシキスで台湾舞踊を鑑賞

公開日 : 2008年11月29日
最終更新 :

 メガロ・ムシキスことアテネコンサートホールは1991年にオープン。シンタグマ広場からメトロのブルーラインで2駅。ヨーロッパの中でも音響のよい劇場のひとつとして、世界的に有名な演奏家やオーケストラにも評価されています。 

 昨夜は2004年に増築されたアレクサンドラ・トリアンディという別棟のホールへ。本館の方には何度か行っていますが、別館はワインやオーガニックフードの展示試食会などで入ったことはあるものの、舞台鑑賞は昨夜が初めて。重厚な雰囲気の本館に比べて、明るい色調で華やかな雰囲気のホールでした。写真はエントランスですが、なかなかモダンなデザインです。

 世界各国でかなり高い評価を得て、栄えある賞を受賞している、台湾のクラウド・ゲート・ダンスシアターの「水月」(ムーン・ウォーター)の舞台を鑑賞。

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 この作品は、「鏡の中の花、水に映る月、いずれも幻想なり」という仏教の思想をベースにしているそうです。クラシックバレエとモダンバレエの両方を融合させ、更に中国古来の歌劇や武道などからも発想を得て、特に太極導引(太極拳の導入部)の原理を取り入れているとか。とても独創的なかんじがしました。音楽はバッハ。

 25人のダンサーはソロ、デュエット、群舞で、現実と非現実、陰と陽、作用と反作用を表現。派手なジャンプや回転などはなく、むしろ動きは緩やかなのですが、その分、いかに動作のひとつひとつが驚異的なものであるのがわかり、観客はダンサーの鍛え上げられた筋肉の動きや息遣いを感じることができます。

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 舞台の後半では舞台から次第に水が溢れてくる仕掛けで、最後にはまるで池のようになります。ダンサーたちの動きが水鏡になり、幻想的な雰囲気が更に増します。この水、温度は38度前後に保たれているらしいですが、熱過ぎても冷め過ぎてもダンサーには困難になるので、世界各国での公演で裏方の技術者が一番気をもむ点だそうです。最後まで目が離せない、驚くべき舞台でした。

 彼らは04年アテネ五輪の際もやってきていて、また日本でも公演を持っています。05年愛知万博の際にも万博会場で公演をしたので、当時、名古屋にいた私は行きたかったのですが、見逃していました。やっと今回、観ることができて大満足でした。

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 ちなみにメガロ・ムシキスの本館のホールには6080のパイプを持つ国内最大のパイプオルガンも設置されています。国際会議などの会場にもなりますので、日本人でも訪れた方は多いのではないでしょうか。※下の本館の外観とホールの舞台写真は昨夜ではなく、1、2年前のものですが、特に大きな変化はないと思います。 

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 アテネでは野外での夏の音楽・芸術祭も盛んですが、冬もメガロ・ムシキスを中心に充実のプログラムがあります。よっほど世界的に有名なアーティスト以外はチケットもとりやすいと思います。冬の夜の音楽、舞台鑑賞を楽しんでください。

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