アテネ・クラシック・マラソン 尾崎朱美さん優勝!

公開日 : 2009年11月09日
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 毎年、秋に開催されるアテネ・クラシック・マラソン。昨日、11月8日に行われ、女子の部で日本人選手、尾崎朱美さんが2時間39分56秒のタイムで優勝しました。朝の9時にマラソーナからスタート、ゴールは第1回近代オリンピック(1896年)が行われたパナティナイコ・スタジアムです。近代オリンピックの前年に復元されたものですが、もともとは紀元前331年に建設が始まったという歴史ある競技場です。

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  去年の記事では日本人女性の田上麻衣さんが優勝したことをご紹介しましたが、またもや日本人女性の優勝!ギリシャ人女性としては昨年、3位だったヨルギア・アバズィドゥさん(2.44.23)が5位でした。ことしは朝からかなり雨が降っていました。尾崎さんのベストタイムは2時間27分23秒ということですが、今回の優勝タイムは2時間39分56秒。もともと高低差のあるハードなコースで、昨朝、スタートした頃は特に雨がひどかったので、かなり困難な行程だったことが伺えます。彼女はずっと先頭集団で、2位になったエピオピアの選手と競っていましたが、最後は36秒差という見事な勝利。

 それにしても日本女子のマラソン競技での活躍は素晴らしいですね。世界的な活躍がめざましく、ギリシャのランナーの友人も選手層の厚さにいつも驚いています。私は日本にいた際、名古屋国際マラソンや実業団駅伝などの取材で、数々の女子選手の方々とお会いしましたが、皆さん本当に細くて…。まあ体重が軽くないと早く走れないわけですが、しなやかな筋肉はついているものの、この華奢な体のどこに42.195kmを走るパワーがあるのだろうと思ったものですが…。

 男子の優勝はケニアのジョセファト・キプクルイさん(2.13.44)。日本人選手としては7位に高見沢勝さん(2.17.24)。ギリシャ人選手では12位にディミトゥリス・テオドラコスさん(2.26.27)。

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縲リシャはなんといってもマラソン発祥の地、そしてオリンピック発祥の地です。紀元前5世紀、アテネ制圧を目的にマラソーナの地に上陸したペルシャの大軍を相手に、ギリシャ人とプラタイア人連合軍が勝利しました。この戦いの勝利をアテネに伝えるべく42.195kmをひた走った伝令フィディピディス。彼は伝え終えた後、息をひきとったといいます。この伝説に基づき、オリンピックのマラソン競技の規定距離が決められました。今でもアテネ市内、アンベロキピには、この伝令の名に因んだフィディピドゥ通りがあります。ただ彼が俊足の優れた伝令で、アテネに勝利を伝えたことは史実なようですが、ペルシャ戦争において実際に走った距離はもっと長く、別の場所だったという説の方が有力らしいです。 

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 毎年参加する友人が不参加だったので、昨日はカメラを持参しませんでした。よって写真は去年のものですが、ゴールのパナティナイコスタジアムは5万人を収容できる大規模な施設。見事な大理石で、長い歴史を感じさせる壮大な造り。コンサートなども開催されたりしますが、催し物のない日でも毎日のように観光客が訪れる場所です。

 ここでのゴールは感動的!というランナーの声も多いらしく、フルマラソンはムリでも最終の10km、また観光コースの5kmに参加できるようになっています。また6時間の制限時間ではちょっと不安というランナーのために、制限時間が8時間のパワーウォーク・フルマラソンというコースも用意されているとのこと。マラソン起源の歴史ロマンを感じながら走ってみたいという方は、ぜひ来年チャレンジしてみてください。

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