ギリシャのストライキ続報

公開日 : 2010年03月04日
最終更新 :

 ギリシャでは毎年のことなのですが、ことしは経済危機、通貨危機の大報道の流れで、日本でもギリシャのストライキを大きく報道しているみたいですね。前回の記事にいただいたコメントを受けて、私も日本のギリシャに対する報道記事を読んでみたらびっくり。あたかもことしに限ってすごいことになっているような内容だったり、先月末のゼネストからギリシャの社会全体がずっとマヒしているような印象を受ける記事もあり...。どおりで日本の友人知人からやたらと心配してますメールが来るはずだと納得。

 ストの日はいろいろ停滞しますが、翌日は交通機関も公共機関も平常通りです。昨日も市役所に行ったり、メトロやバスに乗ったりしたけれど、全く普段通りでした。ただ春先は予定されているストやデモがけっこうあります。在ギリシャ日本大使館から注意喚起メールもきていましたので、それをもとに調べたことと合わせてわかっていることを書いておこうと思います。

●2、3日とタクシーがストライキをしていました。2日間に渡り、タクシーが全く使用できませんでした。今後またあるかどうかは未定です。タクシー車両が都心のシンタグマ広場付近を埋め尽くしていたので、付近では渋滞がすごかったと思います。

●4日(本日)共産党系労働団体によるデモがシンタグマで18時からあります。急進左翼連合もアテネ大学前で、18時からデモを予定。17時くらいから付近には近寄らない方がいいです。道路は封鎖されたりしますので、交通が混乱したり、渋滞が起こります。また北部の都市、テッサロニキで教職員学生組織などがアリストテレス広場にて18時半からデモを予定しています。

追記: 本日、この記事をアップした後、都心に用事があったので、シンタグマ付近に出かけたのですが、思ったよりは平和的にデモが行われていました。しかしその場で知ったのですが、明日5日に大きなストやデモを決行することをデモ隊がシャウトしてました。正午から広範囲で決行予定だそうです。

●8、9日は税関の48時間ストです。税関業務に支障が出るおそれあり。税務署もという情報もニュースのサイトで見ましたが、はっきりしません。どちらにしろ8日は公務員の組合も短時間の(4時間)ストライキを予告していて、多くの公共機関がストに参加する動きもあります。

●16日 24時間スト、大規模なデモが予定されています。先月24日は空港、メトロ、バス、トロリーバス、トラムなどほぼ全ての交通機関がストップ。遺跡や博物館、公立の病院や学校、市役所などの公共機関全般、銀行などがクローズしたので、同じことがおきる可能性が大。24日より大規模になるとの推測もあるのでかなり注意が必要です。

追記: 早速予定が変更されたようです。16日⇒8日〜12日の間に決行予定(3月4日)。⇒11日に決定(3月5日)。

※以上の情報は現時点でのものです。ストはたいてい予告されますが、あくまでも予定なので変更や延長もあります。たまに突発的なものもあるので全ての情報を網羅するのは不可能です。旅行の際は、各自の判断と責任で決定、行動していただくようにお願いします。また今後の情報については、在ギリシャ日本大使館のサイトが治安情報について随時情報を更新していますので、参考になると思います。

 デモは全国的に、都心の広場や大学付近で行われることが多いので、警官が多くいたり、ものものしい雰囲気になったら早めにその場を立ち去った方がいいです。普通に行進していただけのデモでも、ちょっとした小競り合いから警官隊との衝突になり、催涙弾などが使われることもあります。アテネの都心の野良犬たちは慣れたもので、デモ隊の行進に得意げに参加したり(笑)、一緒に走り回ったりしている映像がよくニュースで流れてヒヤヒヤするのですが、慣れていない人間には危険ですので、絶対に近寄らないのが鉄則です。

 ただストは毎年のことなのに、あたかもここにきて大規模なストライキがギリシャで起こったように報道⇒ギリシャ政府、やはり債務不履行か?⇒またまたユーロが下落という報道はなんだかなあと思ったり。なんでもかんでもギリシャのせいというかんじで見事にはめられているなあという印象を受けます。

 確かにことしは財政危機に伴って新課税や税率の引き上げがものすごく、国民の生活不安はかなり高まっています。政府は公務員の給与や賞与の大幅カットなどを決めたので、周りのギリシャ人でも公務員の友人はかなり生活がきつくなると嘆いています。ストに参加したら参加したで、給与から1日あたり60ユーロを引かれるとのことです。いま世界中でギリシャの経済危機が報道されているので、こんなことをしている場合ではないという意見もありますが、労働者にして見れば生活苦もあるでしょうし、前政権や外資ファンド、大手金融機関がやりたい放題だったからで、自分達には非はないという言い分もあるでしょう。どの国でも社会の底辺にしわ寄せが行くのですね。

 しかしながら労組の力が強いとはいえ、政府は歳出削減を是が非でも遂行しないとEUに許されませんので、ストやデモの要求を飲むことはないだろうというのが大方の見方です。消防士の組合の代表の人に話を聞きましたが、組合のトップもそのことはわかってるということ。そして今後...今はこの新課税や緊縮政策をしてしのぐとしても、半年後、1年後などに人々の生活苦が如実に現れ、様々な問題が引き起こるのではないかと案じています。

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