アテネの空手道場でZEN呼吸法講座！

公開日 : 2012年03月30日

最終更新 : 2012年03月30日

筆者 : 有馬めぐむ

　アテネの空手道場にて開催された「ZEN呼吸法」（江戸時代の禅の呼吸法）の講座に参加してきました。昨夜、19時からスタートした講座（第1回目）は、日本から呼吸アドバイザー椎名由紀さんを招いて行われ、ギリシャ人を中心とした空手教室の生徒さんやその友人知人など、たくさんの人々が興味津々で集まりました。

　在ギリシャ日本国大使館もあるハランドリという地区（都心から約10ｋｍ）の閑静な住宅街に空手道場「松涛館」があります。主宰の大嶽哲夫先生は、2003年にこの道場を開かれ、今では130名ほどのギリシャ人を中心とした生徒さんが空手を習っています。とても広々とした清々しい道場で、毎日初級、中級、上級クラスがあり、今では上級者の生徒さんが最も多いとか。

　下の画像は大嶽先生と椎名さん。合掌ポーズです。普段、先生は道場では空手衣ですが、今日は呼吸法の生徒さんのひとりということで、リラックスした出で立ちです＾＾　先生がこの呼吸法に関心を持ち、椎名さんをアテネにお招きしたそうです。椎名さんにとっては初の海外招聘となりました。

　椎名さんは長年ラジオのパーソナリティ、アナウンス、イベントのMCなどで活躍されており、私がたまに寄稿させていただく世界それホント?会議の司会も務めている方です。アナウンス業の傍ら、長年のご自身の心身の不調を江戸時代の禅の呼吸法で克服、呼吸法についての著書『呼吸美メソッド』（双葉社）も出版されました。

　タレントの押切もえさん、アナウンサーの大神いずみさん、椎名さんの出身大学でもある早稲田大学では運動部員さんたちの指導も行っています。この一年は東日本大震災の被災地を巡り、避難所や仮設住宅で暮らしている人々にできるだけストレスを軽減してほしいと呼吸法を教えに飛び回っていたそうです。

　現代人は知らず知らずの間に、「体が疲れる呼吸」をしているのだとか...。いまは元気いっぱいの椎名さんですが、高校生の時から15年間ほど原因不明の頭痛、めまい、吐き気などに悩まされ、膠原病の疑いもあったそうです。そんな中、半信半疑で腹式の呼吸法をはじめたところ、体調がぐっと改善。その後、江戸時代の白隠禅師（臨済宗の禅僧）の著書にあった呼吸法、イメージ法の研究を始め、現代の生活に合うようにメソッド化したということです。ギリシャでも空手や太極拳などの東洋の武道や、禅についての関心は高く、特に椎名さんが坐禅の歴史などを語った際は、皆すごく熱心に聞いていました。

　そんな彼女自身の体験を語りながら、正しい呼吸をしているかどうかのチェックからスタートしていきます。「何秒、息を吐き続けられるか？」、「鼻と口の呼吸について」、「リラックスした状態で呼吸すると、胸とお腹のどちらがより動くか？」などのチェックをしていきます。

　様々なチェックの後、具体的な腹式呼吸のレッスンです。正しい姿勢や呼吸が内臓に及ぼす作用などについても語りながら、ひとりひとりきちんとできているか、姿勢をなおしつつチェックしてもらいます。腹式呼吸、できていると思っても、ストレスを抱えているとどうしても胸式の呼吸も同時におこってしまうのだそう。椎名さんチェックによれば、多くの参加者の中で完璧にできていた人は2人だけだったそうです！「最初は難しくても、毎日続けることによって正しくできるようになっていくから大丈夫！」と椎名さん。毎朝、10分行うだけで体質は改善されていくそうです。がんばろう...＾＾；　終わった後は体が内側からじわじわと温まったような感覚があり、かなり運動をした後のような爽やかな疲労感がありました。

　上の画像は右から椎名さん、大嶽先生の奥様のリトさん、通訳を務めた小澤アドさん。アドさんはギリシャ人と日本人のハーフですが、講座では禅の歴史、人体の器官、内臓、骨の名前など難しい言葉が多く説明され、呼吸のタイミングなども訳すのは大変そうだな～と思っていましたが、ギリシャ人の参加者から「すごくわかりやすく訳していた」との声があがっており、GJでした＾＾

　私は昨夜、第１回目に参加しましたが、明日の3月31日土曜日、4月1日の日曜日にも講座があります。土曜日は人数がかなり集まっているそうですが、日曜日の午前中はまだ余裕があるそうです。