オナシス財団 文学芸術センターでのコンサート

公開日 : 2012年05月31日
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 オナシス財団の文学芸術センターの大ホールで行われたコンサートに行ってきました。センターの外観はとてもモダンなデザイン。ガラス張りのビルですが、周りに張り巡らされているのは大理石です。大ホール(880名収容)、小ホール(220名収容)、シアター、アート、舞踊、文学、デザインのための展覧会スペースなどがあり、総面積は18000㎡です。

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 ギリシャ人ピアニスト、ヴァシリス・ツァブロプロス氏とカメラータ管弦楽団のコンサートに行ってきました。20世紀最大の海運王、アリストテレス・オナシスの巨額財産の一部が引き継がれたオナシス財団は、芸術文化への経済的援助、奨学金制度、病院の建設などを行っており、この文学・芸術センターもそのひとつです。

 このコンサートもそうでしたが、オナシス財団が後援をしているため、他のコンサートホールに比べ、ハイクオリティなコンサートもかなりお値打ちに聴くことができます。

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 ヴァシリス・ツァブロプロスさんはヨーロッパでは最高峰、世界でもベストピアニストのひとりという評価を受けています。ニューヨーク・タイムズや仏ルモンド紙などでも絶賛され「キース・ジャレットに次ぐ最高のピアニスト」だと書かれたこともあります。

 クラシック、ジャズ、モダン音楽と垣根なく弾きこなし、多くの名オーケストラ、名指揮者と共演。2000年にECMRecordsに世界で最も優れたピアニストのひとりとして選ばれ、所属することになりました。

 初アルバム「Achirana」は高い評価を受け、ヨーロッパのみならずアメリカはニューヨーク、ワシントン、ボストンなどでの公演は大盛況だったということです。04〜06年はヨーロッパとロシアで公演。アルバム 「Chants, Hymns and Dances」は'ニューヨークのビルボードでトップ10に長い間、ランクインしました。

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 彼の演奏はCDもいいのですが、やっぱりライブで聴くのが素晴らしいです。今回のコンサートはカメラータとの共演ですが、全てツァブロプロスさんプレゼンツ。最初の数曲はカメラータの演奏で、彼自身が指揮者を務めました。次はピアノを中央に運び、弾きながら指揮も。オーケストラも彼も自由に演奏を楽しんでいるようでした。

 ピアノソロの演奏は聴くたびに思うのですが、ダイナミックな音の洪水...。オーケストラとの共演の後でも、同じくらいの迫力がありました。特に「マスケス(仮面)」という曲はクラシックやジャズの要素が見事に融合し、素晴らしいパフォーマンスで拍手が鳴り止みませんでした。過去のアルバム「Promise」からも何曲かアレンジしたものを演奏。溢れ出すようなピアノのメロディーに全身が包まれました。ここ数週間、忙しくて精神的にも殺伐としていましたが^^; 本当に心が洗われたように感じました。

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 独特のユーモアもある人で、「クラシックの音楽家ってあまり笑わないし、話さないけど、今日は話したいから話してもいいかな」とか「クラシックって皆、黒い服着てるから今日は真っ白なスーツにしてみたよ」と曲の合間に語り、皆、トークにも惹きこまれていました^^

 大ホールはほぼ満員でしたが、それはこのコンサートのレベルからは信じられないほどお値打ちな値段設定もあったでしょう。一番高い席で32ユーロ、続いて25ユーロ、私は前から2列目の席だったのですが、なんと10ユーロでした。「深刻な経済危機だけれど、オナシス財団による後援が大きく、このようなコンサートを開催することができて本当に感謝している」とツァブロプロスさんも語っていました。

★オナシス財団 文学芸術センターのホームページへはコチラから。英語サイトあり。コンサートのプログラムなども見ることができます。

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