エピローグ/バリ人の葬儀

公開日 : 2009年08月02日
最終更新 :

バリ人の葬儀についてをレポートしてみたいと思います。

通常ガベンと呼ばれる火葬式のみが知られていますが、実は

もっと奥が深かった!

ngaben2-8.jpg

地方によってその儀式のやり方と種類は違うのだそうですが、

今回のテジャクラ村のスカスカ家・カユスラム一族が古くから残る

ロンタル文書に法って行ったのは次の手順です。

ちなみにスカスカ家の階級はスードラ。

1.ガベン (ngaben)

2.ムカリユ・バクティ (mekarye bakti)

3.ガントゥガン (ngantukang)

4.ムガジャル・アジャル (meajar-ajar)

の順番です。通常は1.3.4.のみの場合もあるそうです。

2の呼び方も南部地域ではマムクル(mamukur)と呼び方が違うそうです。

なんとなく理解したよう気になっていますが、大雑把に言うと、バリ人の

葬儀ではまずはガベンと言われる肉体のために儀式があります。元々

ヒンドゥー教の教えではパンチャ・マハブタという人間は5つの要素から

作られたと考えられていますがガベンという儀式をを行うことによって、

人間の身体を元に戻すということなのだそうです。

テジャクラ村のカユスラム一族はガベンの後にムカリユ・バクティという

魂のための儀式をまた作りました。ムカリユは仕事を作る、バクティは

儀式という意味だそうです。魂のための儀式を終えた後にガントゥガン

と呼ばれる儀式が行われますが、その意味は男を男に戻す、女を女に

戻す、ネガティブはネガティブにポジティブはポジティブに元あるべき

ものに昇華させる儀式なのだそうです。

このあたりはもっとヒンドゥー教を勉強しないと深い意味がわかりません。

そしてそれを終えてやっとムガジャル・アジャルを行うことが出来ます。

一族にゆかりのあるお寺を巡りますが、亡くなった魂が昇華されたことを

報告したり、あるいは新しい魂がお寺に挨拶回りをするといったら

イメージが出来るかもしれません。ちゃんとムガジャル・アジャルまでを終えて

初めて魂が天に召されるのだそうです。

ヒンドゥー教は5つの信じる物があり、それはパンチャ・スラダと呼ばれますが

1.神様、2.魂、3.行い、4.再生、5.神様と魂が一体となることなんだそうです。

その最終過程がバリ人の葬儀なのかもしれませんね。

しかし・・・そんなこと、ちっとも知らなかった!!

ガベンだけで完結していると思ったのに・・・。

ガベンに関する情報は

ウブドゥ通信「火葬儀礼」http://www.apa-info.com/kasousiki.htmlなども

参考にさせていただきました。難しいのは地方によって、あるいは時代に

よって様々な事物の呼び方なども違ったり、あるいは階級によっても違うという点。

今回の義理のお父さんのガベンは9世紀のやりかたを模倣したものなんだそうです。

でも、どの地方の?というとこまではツッコンで質問してもわかりませんでした。

バリ人に質問しても細かい点については知らないらしく

(例:このお供えの意味は?とか)徹底的に知りたかったらお坊さんに

質問するしかないだろう、と言われてしまいました。

例えばお葬式を「ガベン」と言っていますが、これはスードラ階層

だったらガベンでトリワンサ階層(プダンダ、クシャトリア、ウエシャ)

では「プレボン(plebon)」と 呼ばれるそうです。あぁ〜ややこしい。

それではワタシが体験したことを写真と共にご紹介していきましょう。

ヒンドゥー教に興味がない場合は、退屈かもしれませんがお付き合いください。

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