【タイ文化の豆知識】あなたの誕生日の仏像はどれ?曜日ごとの守護神を一挙に紹介!

公開日 : 2021年09月15日
最終更新 :
筆者 : 日向みく
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サワディーカー。バンコク2特派員のぴっぴです。皆さんは自分が「何曜日生まれ」か知っていますか? 実はタイでは曜日ごとに守護仏やシンボルカラーが決まっていて、多くのタイ人は自分の生年月日だけではなく「曜日」まで覚えているんです。

本記事では、タイの曜日ごとの守護神やその特徴、シンボルカラーなどを一挙に紹介します。とてもおもしろいので、皆さんの生まれ曜日がなにかもぜひチェックしてみてくださいね。タイのお寺観光が何倍も楽しくなるはずです♪

タイ人にとって「何曜日に生まれたか」は超大事!

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タイでは生まれた曜日によって「守護仏」「冠婚葬祭の吉日」「シンボルカラー」などが決まるため、タイ人にとって「生まれた曜日」にはとても重要な意味があります。たとえば寺院では自分が生まれた曜日の仏像を拝み、結婚式では新郎新婦の生まれた曜日によって吉日を算出し、お葬式では故人の生まれた曜日によって火葬する日を決めるといった習慣があるのだそう。

このように、タイでは日常生活から冠婚葬祭まであらゆることが「生まれた曜日」によって決められるのです。日本でいう星座占いや血液型占いのように、タイでは「曜日占い」も人気です。

■ルーツはバラモン教!曜日ごとに違う「守護仏」

「守護仏」については原則として曜日ごとにひとつずつですが、水曜日だけは昼と夜の2種類に分かれています。さらに「毎日の守護仏」というものが加わると全部で9種類になります。

この曜日ごとの守護仏は、インドの古代宗教バラモン教の占星術にある9人の神様がルーツだとされています。

■故プミポン前国王の曜日カラー「黄色」がロイヤルカラーとして定着

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タイ国民に愛された故プミポン前国王は月曜日生まれでした。月曜日のシンボルカラーは「黄色」で、その絶大な人気と在位年数が長かったこともあり、黄色は「ロイヤルカラー」としてのイメージがすっかり定着しました。

毎年プミポン国王の誕生日に行われていた記念式典では、国王への敬意を示して町なかが黄色い服を着た人々であふれていたそう。ちなみにワチラロンコン現国王も月曜日生まれです。

シリキット王妃は金曜日生まれ。王妃の誕生日はタイの「母の日」に設定されており、当日は金曜日のシンボルカラーである「水色」の服を着た多くのタイ国民を見かけます。

■自分の「生まれた曜日」をチェックしてみよう!

皆さんの「生まれた曜日」はなんでしょうか? わからない方は、こちらのサイトで簡単に調べることができます。

調べる際の注意点は、タイの1日は午前6時から始まるということです。私の場合を例に出します。私の誕生日を調べてみると「木曜日」だったのですが、母に確認したところ「木曜日の明け方3時頃」に生まれたのだそう。つまり私の生まれ曜日は前日の「水曜日」で、さらに昼と夜に分かれるので「水曜日の夜」ということになります。

■参考サイト:外務省「タイにおける曜日毎の色と仏像」

タイの生まれ曜日別・仏像やシンボルカラー紹介

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実際に私も寺院にて、自分の生まれ曜日の仏像にお祈りをしてみることにしました。今回訪れたのはワット・ラップラオ(Wat Lat Phrao)というお寺。知り合いのタイ人が連れてきてくれたのですが、あまり観光地化されておらず地元住民にまぎれてゆっくり落ち着いて散策でき、おすすめの穴場スポットです。

金色に輝く美しい仏像が圧巻。ここでは火葬や葬式もされているのだそうです。

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■ワット・ラップラオ(Wat Lat Phrao)

・住所: 1 หมู่ที่ 9 Lad Prao Wanghin Rd, Lat Phrao, Bangkok 10230

・営業時間: 7:00~17:00

さぁ、ここからは仏像のポーズの意味なども交えつつ、各曜日ごとの守護仏を一緒にみていきましょう!

■日曜日生まれ(日曜日の午前6時~月曜日の午前5時59分)

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日曜日の守護仏は「プラプッタループ・パーンタワーイネート」といいます。シンボルカラーは「赤」。仏像は右手を上にして両手をお腹の上に組み、瞬きをせずに菩提樹を見つめている立像です。

これはブッダが菩提樹の下で7日間の瞑想をしたときの姿で、菩提樹の前に立って瞬きもせずに見つめ続けたという意味があるとされています。日曜日の数字は「6」、守護方角は「北東」、守護動物は「ガルーダ」です。

■月曜日生まれ(月曜日の午前6時~火曜日の午前5時59分)

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月曜日の守護仏は「プラプッタループ・ハーム・サムトーン」。シンボルカラーは「黄色」です。仏像は左手を垂直におろし、胸あたりで右手のひらを前に向け、飢餓・日照りを制止している立像です。

昔、川沿いのふたつの国が飢餓と日照りのせいで水をめぐって争いを始めたため、ブッダが争いを制して和平をもたらしたときの姿を意味します。月曜日の数字は「15」、守護方角は「東」、守護動物は「虎」です。

■火曜日生まれ(火曜日の午前6時~水曜日の午前5時59分)

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火曜日の守護仏は「プラプッタループ・パーンサイヤート」。シンボルカラーは「ピンク」です。仏像は枕の上に右手をのせ、手のひらで頭をかかえ、左手を足の方へまっすぐのばし、目を閉じて両足をそろえた寝釈迦像です。

ブッダが涅槃(ニルヴァーナ)の境地に達して悟りを開いた姿を意味し、入滅(逝去)したときの姿とも言われています。火曜日の数字は「8」、守護方角は「南東」、守護動物は「ライオン」。

■水曜日【昼】生まれ(水曜日の午前6時~水曜日の午後5時59分)

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水曜日【昼】の守護仏は「プラプッタループ・パーンウムバート」。シンボルカラーは「緑」です。仏像は両手でお布施の鉢を前に抱えて、両足をそろえた立像です。

これはブッダがお布施をする姿を意味しています。シャカ国の王子であったブッダが修行の旅にでるとき、父である王様が食料を持たせたことが起源とも言われているそう。水曜日【昼】の数字は「17」、守護方角は「南」、守護動物は「牙があるゾウ」です。

■水曜日【夜】生まれ(水曜日の午後6時~木曜日の午前5時59分)

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水曜日【夜】の守護仏は「プラプッタループ・パーンパレーライ」。シンボルカラーは「黒」です。仏像は石の上に座り、両手のひらを足の上に置いて外側に向けた座像です。その下には水を献上するゾウと、ハチの巣を献上するサルの姿があります。

ブッダの教えに誰も耳を傾けなかったころ、森林にひとりで入り動物たちに語りかけ説法をしたブッダの姿を意味します。両脇のゾウとサルは説法のときの様子です。水曜日【夜】の数字は「12」、守護方角は「北西」、守護動物は「牙がないゾウ」。

座仏の足元をみると、たしかに水とハチの巣をそれぞれ献上するゾウとサルがかわいくちょこんといます。私の生まれ曜日は「水曜日の夜」なので、こちらの仏像に手を合わせて拝んでみました。

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■木曜日生まれ(木曜日の午前6時~金曜日の午前5時59分)

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木曜日の守護仏は「プラプッタループ・パーンサマーティ」。シンボルカラーは「オレンジ」です。仏像は右手を上、左手を下にして手のひらを組み、右足を上にあぐらをかいて瞑想する座像です。

ブッダが長い瞑想のあと、悟りを開いたとされる日を意味しています。木曜日の数字は「19」、守護方角は「西」、守護動物は「ネズミ」です。

■金曜日生まれ(金曜日の午前6時~土曜日の午前5時59分)

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金曜日の守護仏は「プラプッタループ・パーンラムプン」。シンボルカラーは「青」です。仏像は右手を上に、左手を下にして両手を胸の前で交差し、仏法と伝道について瞑想する立像です。

ブッダが悟りを開き、これから人々に説法へと赴く前の姿と言われ、法を説くことに対して自問自答をしている様子意味します。金曜日の数字は「21」、守護方角は「北」、守護動物は「モグラ」。

■土曜日生まれ(土曜日の午前6時~日曜日の午前5時59分)

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土曜日の守護仏は「プラプッタループ・パンナークプロット」。シンボルカラーは「紫」です。仏像は右手のひらを上に手をかさね、背後にいる7本頭のヘビ(ナーガ)に保護されて瞑想している座像です。

ブッダが7日間の瞑想に入っているとき雨嵐が吹き荒れましたが、菩提樹の葉がナーガに変身して彼を守ったという様子を意味します。金曜日の数字は「10」、守護方角は「南西」、守護動物は「ヘビ・ドラゴン」。

■毎日

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すべての曜日を司る「毎日」の仏像は、バラモン教色の強い寺院で見かけるようです。守護仏は「プラプッタループ・パーンマーラウィシャイ」。シンボルカラーは「金色」です。仏像はお腹の前で左の手のひらを上に向け、右手は右足の上に向けながらあぐらをかいて座っている座像。

これは魔王マーラに勝利したときの姿とされています。毎日の数字は「12」、守護方角は「中央」、守護動物は「ヘビ・ドラゴン」。

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このようにブッダにまつわるストーリーも合わせて知っておくと、より興味が深まりますよね。生まれ曜日の仏像を大切にすると「幸運がもたらされる」とされているので、自分の生まれ曜日の仏像を見つけたら、ぜひお賽銭やお祈りをしてみましょう。

タイ文化の知識を深めると何倍もタイ観光が楽しめる!

タイの曜日ごとの守護仏や特徴、シンボルカラーなどについてまとめてみましたが、皆さんの仏像はどれかわかりましたでしょうか? 今回私も実際に参拝してみて、タイ文化への理解が深まりとてもおもしろかったです。その背景にあるバラモン教の影響など、歴史をたどると奥深くて興味が尽きません。

タイ式の曜日占いでは性格や適職などがわかるようなので、気になった方は調べてみてくださいね♪ 現在はまだコロナの影響で自由に旅行ができませんが、事態が収束したときのタイ旅行に備えてぜひ参考にしていただけると幸いです。それでは皆様、また次回の記事でお会いしましょう!

筆者

タイ特派員

日向みく

バンコク在住ライター。中南米やアフリカ、中東を含む世界43ヵ国を訪れた旅好きです。

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