タイ・バンコクの大気汚染の状況とその対策について※マスク購入先情報追記

公開日 : 2019年01月17日
最終更新 :
筆者 : Taeko

連日、大気汚染問題が話題になっているタイ・バンコク。

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原因は、排気ガス、道路や輸送システム、コンドミニアムの建設等による粉塵で、現在乾季で大気が停滞し、スモッグが発生しているためだと考えられています。大気質指数(AQI:Air quality index)は、タイ国内の多くの観測拠点で、AQIが「健康へ悪い影響が始まる」とされる100を上回り、特に危険な微小な粒子状物質(PM2.5)の濃度が安全基準の2倍になったことが取り上げられています。

1月15日早朝雨が降り、事態が少し軽減されたという情報がありましたが、『The Nation』等の情報によると、タイ空軍による「人工降雨」も実施され、ドーンムアン区及びチャトゥチャック区において、約3,000リットルの水が散布されたとのこと。とはいえ、今後も、大気汚染に注意を払っておいたほうが良いでしょう。現状、どのような状況なのか、そして、どのようにすればよいか、まとめておきたいと思います。

◆大気の状況確認方法

大気質指標(AQI:Air quality index)を確認できるサイトはいくつかあります。大気がどの程度汚染されているのか、今後どの程度汚染されうるのか把握することができます。なお、AQIとは異なる指標を用いている国もあります。

Air Pollution: Real-time Air Quality Index (AQI) http://aqicn.org/map/thailand/jp/

私は、Air Visualのアプリを携帯電話にインストールして、行く可能性のある場所を登録して、その地の大気の状態をまめに確認できるようにしています。旅行の計画を立てる際の参考にもしています。実際、使用するようになってから、タイの首都バンコクがタイ国内で最も悪い数値だというわけではないことも分かりました。比較的近い国の例を挙げると、インドの大気の状態の悪さにも驚きました。また、放射線量に関しては分かりそうにないので、この数値が0だから安心というわけでもなさそうですが、少なくとも、この数値が、50を下回らない限り、大気の状態が良いとは言えなさそうです。

タイの首都バンコクに滞在する場合は、AQIの数値に着目しておいたほうがよいでしょう。昨日まで、ほぼ連日、バンコク周辺の地域における数値は150前後でしたが、AQIを開発したアメリカのEPA(United States Environmental Protection Agency)の分類によると、150を超えると、健康への悪影響があるとのこと。子どもや高齢者には、より低い数値でも、健康に悪影響を及ぼす可能性が高くなるようです。

◆どのような悪影響が予想されるのか

今回の大気汚染で特に問題視されているPM2.5は、極めて小さいサイズの浮遊粒子状物質であるため、呼吸と共に、肺の奥深く、さらには血管にまで到達することが指摘されています。目、鼻、喉等への悪影響の他、ぜんそくや気管支炎、肺や心臓疾患の発生リスクの増加、さらには肺がんや循環器系疾患による死亡リスクの増加等、健康への悪影響をも懸念されています。

◆どのような対策をするべきか

外出や屋外での行動は控えたほうが良いと言われています。また、外出する必要がある場合には、PM2.5対応の防塵マスク(アメリカの規格では、N95マスク=Particulate Respirator Type N95)の着用が効果的と言われています。何かあってから行動しても効果が低くなってしまいますし、予防原則に即した行動をとっていく必要があるでしょう。また、今後のタイ政府の対策にも期待したいところですが、マスクの着用のみならず、近年、世界的にも取り組みが始まっているゴミを削減すること、さらには、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会構造を改めて見直すことも、今後より一層求められることになるでしょう。

追記

私は、昔、日本で大量購入していた普通のマスクがまだ少し残っていたので、二重重ねで使っていましたが、タイでも、PM2.5対策用マスクを購入できるようになってきました。

日本人街で、比較的、品揃えがよいのは、アソーク駅近のインターチェンジビル入口近くの薬局(スクンビット通り23側。向かいにピザ屋さんや野菜売り場等がある所)(約95バーツ、その後、60バーツまで下がりました)、やプロンポン駅階段下の薬局(エムクオーティエ近く、エムクオーティエからスクンビットソイ35側に少し歩くと右手すぐ)の薬局(35バーツ~50バーツで販売されており、良心的だと感じます)だと思います。対策用マスクを購入できた友達の情報も合わせると、1つあたり100バーツ(=約351円)以下で購入できると良いのかな、と感じています。見た目的に、結構な迫力がありますが、大気汚染が深刻な時期は、バンコク在住のタイ人も、様々なマスクを着用するようになったので、あまり目立っているように感じずに済んでいます。

タイ・バンコクでは、しばらく、普通のマスクでさえ、薬局で入手困難な状況が続いていましたが、最近は、まめに、薬局やコンビニエンスストアへ立ち寄っていると、タイミングが合えば、マスクを購入できる日も増えてきましたので、これを機に、PM2.5対策用マスクを気軽に購入できる日も増えてくるのでは、と期待します。なお、最近は、火曜日と木曜日の午前中、スクンビット通り23の奥にあるシーナカリン大学敷地内で午前中(7時頃~12時頃)開催される市場(通称カタラ、モクタラ)でも、マスクを販売する店舗が見受けられるようになりました。今週火曜日は、PM2.5対策用マスクの種類も先週に比べて増え、N95規格のマスクを取り扱っているお店もあり、1つ~の購入も可能なので、使い心地をチェックしてから、また買い足していけたらな、と思っています。

先日、一時帰国された方が、日本の薬局では、希望していたPM2.5対策用マスクはほとんどなかったとのことなので、日本で購入をご検討の方は、ネットショッピングで購入するのも便利かもしれませんね。災害がいつ、どこで起き、どのような危険性があるのか、予想しきれない現代、マスクを常備しておいても悪くなさそうだなと、マスク購入者のレビュー等を眺めながら感じた次第です。少しでも参考になれば幸いです。

筆者

タイ特派員

Taeko

2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。

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