タイの新型コロナワクチン、タイ在住外国人の接種について(登録開始情報等追記有)

公開日 : 2021年05月19日
最終更新 :
筆者 : Taeko

2021年5月19日日本時間14時25分作成、2021年6月12日日本時間17時20分更新(「■タイの新型コロナワクチンの接種の料金は?」、「■日本語の通じるタイの私立病院での新型コロナワクチンの接種が可能なのか」、「■タイはコロナワクチン接種で開国予定。地域によっては、ワクチン接種を義務化」に追記)

皆様、サワディーカー。

今日は、タイの新型コロナウイルス感染症のワクチン(以下、新型コロナワクチンと略記)について書きます。

picture3900_DSC00149.jpg

■タイでは、2021年2月末~新型コロナワクチンの接種が開始!

タイでは、2021年2月24日に、中国からシノバック製の新型コロナウイルス用ワクチン20万回分、アストラゼネカ製のワクチン11万7600回分がスワンナプーム国際空港に到着し、2月下旬より新型コロナワクチンの接種が始まっています。(参考サイト https://www.thaipbsworld.com/astrazeneca-covid-19-vaccines-arrive-in-thailand/

■タイの新型コロナワクチンの接種状況は?

現在、タイでは、安全確保のため、タイ政府が一括してすべてのワクチンの輸入を行っています。タイ政府は、タイ人および一部の外国人に対して無償でワクチン接種を実施し、これまでに約200万回分のワクチン接種が実施されたとのことですが、64万5500人(タイの人口約1%)の人しか2回目のワクチン接種が終えられておらず、その数はまだ限定的です。今後、タイ政府は1日あたり30万回、月あたり約1000万回分のワクチン接種を実施し、2021年終わりまでには6000万回分のワクチンを確保し、5000万人へのワクチン接種を目指しているところです。

タイにおいて、民間セクターでワクチンを輸入できないのかという話がありますが、現在、世界各国政府は、ワクチンを100万回分以上の大量注文をしているため、大手製薬会社は1000、1万、2万回分といった民間セクターへの直接販売より、各国政府へ販売する傾向があり、現状難しいのかもしれません。なお、私立病院などが個別にワクチンを輸入、購入する場合、世界保健機関(WHO)に認可されたワクチンであっても、タイ製薬公社「GPO:Government Pharmaceutical Organization)に登録申請等する必要がありそうです。

参考サイト▽

■タイの新型コロナワクチンの種類は?

現在、タイでは、アストラゼネカ(Oxford-AstraZeneca)、シノバック(Sinovac)、ジョンソンアンドジョンソン(J&J)、モデルナ(Moderna)の4種類がタイFDA認可のコロナワクチンとなっています。(タイ政府は、アストラゼネカとワクチンの調達および技術移転の契約を締結しており、6月以降はタイ国内の企業、サイアムバイオサイエンス社(Siam Bioscience)でアストラゼネカのワクチンの生産および供給が開始される予定です)。このほかの輸入ワクチンも、今後、認可される可能性があります。

タイ国内においては、チュラロンコン大学医学部やマヒドン大学シリラート病院等でも、ワクチンの開発を進めています。

参考サイト▽

■タイの新型コロナワクチンの接種の料金は?

タイ政府は、タイ人へは、新型コロナワクチン接種を無償で提供しており、タイ政府の新型コロナワクチンの計画には、外国人へのワクチン接種も入るとのことですが、県内クラスターが発生したサムットサコーン県の移民労働者が無料でワクチンを接種した以外、在住外国人も無料で接種可能かどうかは情報が錯綜しており、私自身、正確には把握できていませんが、5月13日に新たにタイFDAに認可されたモデルナのワクチンの接種料金は、保険および税金込で、一律価格3000B以下(2回分合計)になると言われています。

【追記】モデルナのワクチンの価格は、その後、5000B程度になる話まで出回っていましたが、6月12日現時点において、3800バーツ(2回分の接種料とサービス料と保険料含む)で、今年の10月頃から接種が可能になる見通しのようです。

参考サイト▽

■タイの新型コロナワクチン接種の申し込み方法は?

日本同様、タイにおいても、新型コロナワクチン接種には、優先順位があります。まずは、医療関係従事者、高齢者、基礎疾患のある人、感染リスクの高い人たちに対して、優先的に接種がすすめられ、その後、6月以降、一般の人々への接種が可能になる予定です。

新型コロナワクチンの接種申し込み方法とその割合は、次の3つが予定されています。1.LINEのアプリ「モープロム(หมอพร้อม:Mor Prom)」での申し込み予約よる接種(全体の30%)、2.病院や各団体からの要望による接種(50%)、3.感染者の多い地域などに設置予定の会場で、ウォークイン(予約なし)での接種(20%)。

なお、一部報道で、高齢者および基本疾患のない一般の外国人については、タイ人の約7割が接種完了してから、直接、病院での接種になるとありますが、状況によって変更になる可能性もあるでしょう。5月19日にタイ在住の中国人の友人から聞いた話によると、中国はタイへたくさんの新型コロナワクチンを無償提供したため、18歳以上の中国人は、年齢や基本疾患の有無に関係なく、新型コロナワクチンの接種が可能とのことで、5月24日に第1回目の接種を受けると話していました。

タイ北部のチェンマイにおいて、在チェンマイ日本国総領事館(https://www.chiangmai.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html)が、チェンマイ県在住の外国人で新型コロナワクチン接種を希望する者の登録を5月24日より開始する案内を発表しています。詳しくは、サイト https://www.chiangmai.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00451.html に掲載されています。

タイ・バンコク都内においては、5月12日、病院以外では初めて、 セントラルプラザ・ラプラオ(CentralPlaza Lardprao shopping complex)にて、新型コロナワクチン接種が行われました。5月末までに、バンコク都内25ヵ所でワクチン接種会場が設置され、一般の人々への接種が公開される6月までの間は、医療関係従事者や教師、バス運転手、ごみ収集作業員、配達スタッフ、デイケア施設スタッフなど、最前線でウイルスと戦う人への接種が実施される予定です。1日あたり合計3万8000~5万人に対応し、6ヵ月間実施し、集団免疫を獲得する狙いです。

参考サイト▽

■日本語の通じるタイの私立病院で、外国人も、新型コロナワクチンの接種が可能なのか

私がよく行く、日本語も通じやすい3つの病院、サミティベート病院バムルンラード病院バンコク病院のウェブサイトを見た限り、いまのところ、一般の人々が新型コロナワクチンを接種できるという情報は得られませんでした。

ただ、上述した通り、タイ人の約7割の新型コロナワクチンの接種が終了、あるいは、状況によっては今後これらの病院において、一般の外国人も、新型コロナワクチン接種が可能になるのでは、と思います。

バムルンラード病院については、新型コロナワクチン接種証明書を発行できる施設としてリストに挙げられています(https://www.nationthailand.com/in-focus/40000245 参照)ので、一般の人々がバムルンラード病院で新型コロナワクチンの接種が可能になる日も近いのでは、と思われます。

なお、日本人地区にあるサミティベート病院では、新型コロナウイルス感染症および新型コロナワクチンの情報が随時日本語でアップデートされていますので、該当ページを以下にリンクしておきます。

新型コロナウイルス2021年【日本人から寄せられているQ&A(まとめ)】

【追記】新型コロナワクチンの接種登録が開始されています!

【追記】

その他、在タイ日本国大使館(https://www.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html)でも、日本人向けに、新型コロナワクチン情報が得られるようになってきています。

新型コロナワクチン接種関連情報▼

■タイはコロナワクチン接種で開国予定。地域によっては、ワクチン接種を義務化

現在、タイでは、新型コロナウイルス感染症感染予防対策措置の一環で、外国からタイ入国にあたり、2週間の隔離などが求められていますが、観光産業の再興に向けて、新型コロナワクチン(タイで認可された新型コロナワクチン、またはWHOが認可したワクチンを予定)を接種した外国人旅行者向けに14日間の隔離措置を免除するワクチンパスポート制度(免疫証明書)を2021年中に開始しようとしています。

まずはじめに、7月1日よりタイ南部プーケットにおいて、ワクチンを接種した外国人旅行者を検疫隔離免除で受け入れる実証試験を開始する計画です。10月1日からは、クラビ、パンガー、スラタニー(サムイ島)、チョンブリー(パタヤ)、チェンマイなどの観光名所でも実施予定です。

【追記】2021年6月1日の段階で、日本はタイ保健省が定める新型コロナウィルス感染拡大国リストの「高度感染危険国」となっており、日本からの特別観光ビザ(STV)所持者のタイ入国はできなくなっているようです。(感染リスクのレベルに変更がでた場合は、大使館のホームページにて発表されるとのこと)。このままの状態では、7月以降も、日本からのプーケット入国の場合、隔離免除は対象外となりますので、ご注意ください。

参考サイト▽

http://site.thaiembassy.jp/jp/news/announcement/10219/

参考サイト▽

これまで、入県時に、PCR検査が義務化されたところがありましたが、それが今後はワクチン接種の有無に切り替わっていきそうな動きですね。

タイ東北部ブリラム県では、ブリラム在住もしくは働いている18歳以上の人すべてに、ワクチン接種の義務があるとし、違反すれば最大で罰金6万バーツまたは懲役刑、あるいはその両方が課せられること、そして、5月31日までにワクチン接種を申請しなくてはならず、申請をしない場合も懲役1ヵ月または罰金1万バーツ、あるいはその両方が課せられるようです。

今後、別の地域でも、このような動きがあるかもしれませんので、ワクチン未接種の方はタイ国内旅行の際に注意が必要になるかもしれません。

参考サイト▽

■最後に

以上、タイでは、現在の新型コロナワクチンの接種の状況についてでした。今後のタイ観光旅行やタイ生活で、今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

なお、新型コロナワクチンを接種しても、新型コロナウイルス感染症に感染しない可能性は0ではありませんので、引き続き、感染予防につとめましょう。事態が一日も早く収束に向かいますように。それでは、皆様、サワディーカー。

参考サイト▽

筆者

タイ特派員

Taeko

2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。