バルセロナ特派員 新着記事
今回からしばらくバルセロナから車で行けるコスタブラバのおすすめスポットを紹介していきたいと思います。
バルセロナから車を海岸沿いに北に走らせると小さくてかわいらしい中世の町並みが残る村がたくさん点在しています。
ロマネスク様式の修道院や教会・イベリア遺跡・ギリシャローマ遺跡・ユダヤ人地区・中世の要塞等を見ることができます。そんななかでも私が実際に行ったことのある村を紹介していきます。
Blanesというバルセロナ中心地より少し北東の海岸エリアからフランスの国境近くのPortbouまでの地中海沿いのエリアをコスタブラバと言いますが、この沿岸地帯は214kmにおよび、スペインのカタルーニャ州に属するジローナ県にあります。雪をかぶったピレネーの山頂からビーチや地中海で最も魅力的な入り江まで数キロで訪れることができる、見事なコントラストのある8つの自然公園からなります。
本日紹介するのはお米とワインの町として有名な、いくつかある中世の村の中でもひときわ人気のあるパル村です。町の中心地から6km先のコスタブラバの海岸まで続く大きな村で、旧市街地・水田・ビーチの三つのエリアで構成されています。Palsの村の名前は、ラテン語のPalus(湿地)に由来しています。人口は2500人。
旧市街地は石畳と石造りの建築物が美しい中世の町並みが残されておりますが、実はほとんどは15世紀後半に起きたカタルーニャ内戦で破壊されたあとに復元されたものです。オリジナルで残っているものは時間を知らせるTorre de las horas(トーレ・デ・ラス・オラス)という時計塔と部分的に残っている城壁になります。時計塔の保存状態がいいことでも有名です。ただ、旧市街自体ほぼ完璧な形で復元されているので散策するだけでも十分タイムトリップをしたような気分になります。
時計塔は旧市街を散策していると目に入るひと際目立つ円柱の塔です。入口で入場料を払うと上まで登ることができます(値段はおそらく€2前後だったと思います)。階段のみですが、高さ15mとさほど高くないのでせっかくパル村を訪れるチャンスがありましたらぜひ登ってみてください。塔に登ると、まず水田が目の前に広がりさらにその奥に美しいビーチが見渡せるので旧市街と水田とビーチの村であることがわかります。
こちらが、塔の上からの景色と時間を知らせていた鐘です。景色の写真からなんとなく奥の方に海が広がっているのがわかると思います。
パル村での稲作は15世紀まで遡り、いまでも当時から続く精米所が続いています。19世紀前半に疫病が流行り一時稲作は停滞していましたが、キューバから導入した最新の方法で稲作が再び行われるようになりました。パルとその周辺で作られた米はArroz de Pals(パルの米の意)というブランドで知られています。
この地域ではキャセロールというスープリゾットならぬスープパエリアのような伝統的な料理があり、パル村ブランドのお米で作られたキャセロールは絶品です。旧市街のあちこちにあるおみやげ屋さんでお米が売られているのはこのためです。パルでは6月には田植え、10月には稲刈りの様子を農家の人がデモンストレーションするお祭りがあります。
こちらがキャセロールです。ご飯が少ししか見えませんがスープの下にたくさん入っており、これだけでもお腹いっぱいになります。
稲作のお祭りのほかにも4月にはこの地域で作られたワインのワインフェスティバルがあったり、8月にはチーズとワインの見本市があったりと美食スポットです。
そして、ビーチです。パルビーチという3.5kmに及ぶビーチがあり夏以外のシーズンであれば混みあうこともなくkきれいな海を堪能できます。残念ながら私は旧市街地の時計塔からビーチを見ただけでパルビーチは訪れておりませんが、コスタブラバはきれいなビーチがほかにもたくさんあるので、ビーチ情報はまた別のスポットでお見せできれば、と思います。
最後におまけで、おみやげの紹介です。
こちらはfuet(フエット)と呼ばれるこちらでよく見かけるドライソーセージでスーパーでも手に入りますが、カラフルのフエットは珍しかったので購入しました。カラフルなのはカレー味唐辛子味にんにく味など味つけがされているからです。ビールとの相性が抜群です。
それでは、今年2021年こそ日本の皆様も旅行に出かけられる日が来ることを切に願っております。
こんにちは。
久しぶりの投稿になってしまいました。
最後の投稿からずいぶん時間が経ちましたが、スペインでは2020年3月~5月にかけて厳しい規制が行われ、夏はマスクの着用は義務づけられていたものの、要請レベルの規制があったのみで、楽しく過ごしておりましたが、また現在は厳しい状況です。
私が住むバルセロナでは、
-集まりは6人まで
-22時から朝6時までの外出禁止
-郊外への入出禁止
-400平方メートル以上のショッピングセンターの閉鎖
-飲食店内での飲食は朝7時30分~9時30分、昼13時~15時30分までのみ可能で、ほかの時間帯はデリバリーか持ち帰りのみ。
-スーパーや薬局など生活に必要なもの以外のお店の営業は月曜日から金曜まで。
-スポーツジムは屋外のスポーツとプールのみ使用可能。
という状況がいまの時点では2月7日まで続くようで、そのあとの規制はその時の状況次第ですし、もしそれまでの間に状況が一気に悪くなれば、2月7日まで待たずして規制が強化される可能性も十分にあります。
と、暗い話題になりましたが、久しぶりに観光のお話しです。
最近は上記のような状態のため、夜友人と飲みに出かけることもすっかりなくなってしまいましたので、昼間に散歩をしておりますが、5年前に旅行でバルセロナを訪れたときに初めて見て感動し、時が経ち、こちらに住むようになってガウディの建築物が日常の生活に溶け込んでいるいまでも、やはりあらためて近くで見ると感動した建築物が標題のガウディがパトロンであるグエル氏に依頼された最初の仕事である「グエル別邸」の増改築です。
当時はすぐ近くにある、後述するぺドラルべス宮殿を含む広大な庭園に囲まれていた邸宅で、ガウディはそこの正門、ドアマンの小屋、馬小屋、塀などを改築しました。
最大の見どころは、正門のドラゴンです。
このドラゴンはギリシャ神話に登場する、ヘスペリデスの園の黄金のりんごを守っていた100の頭を持つ茶色いドラゴンとして有名なラドンだと言われていおります。口から火を吐き、顎の関節が尾にあるため、体全体が口のようになっており、百の首を持つと言わております。
そのような背景を知らずに初めて見たとき、顔は大きな口とまん丸の目があるのでわかるものの、顔以外の部分は羽と思われるものがほとんどなので、顔のインパクトに対して体のインパクトがない、おもしろい形のドラゴンだと思いましたが、それもそのはずで、そもそも体全体が口のようなものだったのですね。
ここで、少しギリシャ神話のお話しです。
ヘスペリデスの園の黄金のりんごは、ギリシャ神話の中の大英雄、ヘラクレスの十二の難行の11個目の「金のりんごを獲得する」という冒険の際に登場します。
ヘスペリデスとは山や川、森や谷に宿る精霊のことで、世界の西の果てにある「ヘスペリデスの園」に住んでおりました。歌と踊りを好む若くて美しい女性の姿をしていて、明るい声で歌ってりんごの世話をしておりましたが、ある日ヘスペリデスがりんごを盗んでいるのが果樹園の所有者のヘーラーに見つかったため、そのあと百の首を持つドラゴン、ラドンがりんごの番をすることになりました。
ヘスペリデスは精霊の総称で、複数いたと言われており、日没に関係した名前をもつことから、「黄昏の娘たち」という意味を持ちます。
黄金のりんごを守っていたラドンですが、残念なことにラドンはヘラクレスの冒険の際、口の中に蜂の巣を投げ込まれ、口の中を蜂に刺されて倒れてしまいました。
その後、ラドンは黄金のりんごを守った功績をたたえられ、りゅう座として天空に上げられました。
りゅう座の星の並びを見ますと、なんとなくこのグエル別邸の正門のラドンと形が似ているような感じもしますので、見てみてください。
このドラゴンがギリシャ神話に登場するラドンだと言える証拠としては、門の右側の柱の上にみかんのようなオブジェがあります。こちらはみかんではなく、まさにラドンが守っていた黄金のりんごです。黄金で、そしてこちらのりんごは日本のもののように大きくなく小ぶりなので、この神話を知らないで見るとみかんのように見えてしまいます。
現在は臨時休業中で中に入ることはできませんが、この正門のドラゴン、ラドンは外側から無料で何時間でも見れますので、この門だけでも見る価値は十分にあります。
また、こちらは観光客が多く訪れるエリアから少しはずれにあるため、せっかくこちらにいらした際は、すぐ横のぺドラルべス宮殿もお散歩されるとよいかと思います。
こちらは観光スポットとして目立たないながらも実は、陶器博物館、装飾美術館、テキスタイル博物館の3つが入っている隠れスポットです。そして、宮殿という名前がついているのは、1919年から1931年の間はスペイン王家がバルセロナに滞在したときの邸宅となっていた場所だからです。
特にいまは観光客が少ないから、というのもあるとは思いますが、観光客がいた頃もさほど混んでいる場所ではありませんでした。いまは、近所に住んでいる方がジョギングやお散歩するスポットになっています。
大きな鴨がいます。噛むようなので、近づき過ぎに注意です。
グエル別邸を見られたあとは、ぜひぺドラルべス宮殿を散歩して、博物館にも足を運んでみてください。
※博物館も現在は臨時休業中です。
実は、私もまだ博物館、美術館の中に入ったことはないので、また営業開始しましたら、その件を記事にアップしたいと思います。
【行き方】
①グエル別邸
地下鉄3号線 Palau Reial駅より、徒歩7分
・住所: Av. de Pedralbes, 7, 08034 Barcelona
②ぺドラルべス宮殿
地下鉄3号線 Palau Reial駅下車 出口を出てすぐ。
・住所: Avinguda Diagonal, 686, 08034 Barcelona
〈El Masnou のビーチの写真〉
こんにちは。
スペインはロックダウン直後は感染者が一時減りましたが、ここ最近また増えております。
私の住むバルセロナがあるカタルーニャ州では、一部の県が再度ロックダウン状態になるほどです。
いまだに1日500〜600人の感染者数が連日出ており、こちらは悲惨な状況と思われるかもしれませんが、実際に生活している者のひとりとしての視点では、いいのか悪いのか、皆さん普通に夏をエンジョイしているように見えます。
基本的には公共の場所ではマスクの着用が義務になりました(スペインの地域によってルールは違います。義務のところとそうではないところがあります)。
こちらは義務に従わなかったら罰金を払わないといけないため、町なかでもマスクしているのが当たり前の光景にはなりましたが、それでもやはりこちらも日本と同じく夏の暑さは厳しいので、マスクしないで歩いてる方もいます。
以前、とある日本のラジオを聞いていたとき、フランスのどこかの公園で撮影された写真を見て、人だらけで非常に驚いたとDJが話しておりましたが、おそらくバルセロナのビーチを見たらもっとびっくりされるかと思います。バルセロナがある地中海沿いはバルセロナの中心地近くのバルセロネータというビーチから、中心地から少し離れたEl MasnouやOcataというビーチのあたりまで本当に人だらけです。日本の江ノ島のようなビーチが延々と続いている感じです。
マスク着用義務が発せられて間もなくは、基本的にはビーチでもマスクをするという解釈でおりましたが、その数日後にはビーチではマスクはしなくてもよい、となりました。さすがに水着でマスクは快適ではないですね。(笑)
また、ビーチは日中だけでなく、夜もにぎわっております。
こちらは夜は日本のようにジメジメしているわけではなく、海沿いは涼しいので、夜はみんなでお酒やお菓子を持ち寄って、ピクニックするのが恒例です。私も先日友人に誘われて行ってきました。
こちらのマスク事情ですが、一時期はスーパーでも薬局でもマスクを入手できない状況が続いておりましたが、今は流通が戻ってきて手に入りやすくなりました。さらに、こちらはマスク着用が義務になったことで、洋服屋さんなどでも布マスクをよく見かけるようになりました。
私がアルバイトをしているお店でも、こんなにかわいい和柄の手作りマスクがあります。
全体としては、布マスクより、使い捨てマスクをしている方の方が多い印象で、私は運よく日本から持ってきていたのがまだあるので使い捨てマスクを使っておりましたが、毎日使うので、長い目で見ると財布に優しい布マスクを少しずつ仕入れております。
駅にもこのようにマスク着用を促す広告がたくさんあります。
カタルーニャ語で「責任と信頼で」と書かれております。
さすがに罰金が怖いので、公共の交通機関の乗り物でのマスク着用率は100%です。
それでは、バルセロナの現在の状況でした。