「動物の殺処分禁止インド」

公開日 : 2016年02月08日
最終更新 :
筆者 : 竹内里枝

ある日、知り合いのインド人マダムがボクサー犬を手にしていたので「高かったでしょ!」と聞いたら「これは、ただなの。ベンガルールに捨て犬を管理している場所があってそこで貰ってきたの。」とその場所を教えてくれた。日本のペット番組でもよく取り上げられる動物の処分についてインドではどうなのか調べてみた。

およそ2年前、ベンガルールには捨てられた動物を救うボランティア団体「Second Chance Adoption Center」が誕生している。まず、ここで知った日本との大きな違いは動物の殺処分がイリーガルということ。

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動物を保護する団体は、デリー、ムンバイ、チェンナイ、ハイデラバードなどインドの主要な都市にある。1991年イギリス人女性のクリステル・ロジャーズが立ち上げた動物保護団体CUPA(Compassion Unlimited Plus Action)は、ベンガルールにヘッドオフィスを置き、動物達の保護や治療、リハビリまでそれぞれの分野に分かれて行っている。

牛飼いによって放置された牛やドンキー、ラクダを保護するLarge Animal Rescue & Rehabilitation Center。象など大型の動物を保護するWild Animal Rescue & Rehabilitation Center。さらに、犬の繁殖をコントロールするAnimal Birth Control Centreでは、路上でケガをした犬を救助し、その犬が雌だった場合は去勢手術と狂犬病の注射を打っている。もちろん、ここでは飼い犬の去勢手術も受け付けてくれる。また、Trauma Centreでは、路上で見つけた皮膚病や骨折、病気の犬を保護し回復するまでケアーしている。いずれの施設でも、犬のケガが回復すれば元の場所に戻してあげなければならないというルールを守っている。

「飼い犬は、野良犬のようにサバイバルができないけど、野良犬は生きる術を知っている。野良犬はその地域の人達が世話をするもの。ケガが回復したらそれ以上保護しないんです。ただ、回復が難しい犬に関してはSecond Chance Adoption Centerで世話をしています。」とボランティアスタッフは話す。

Second Chance Adoption Centerは、犬の里親を探している施設で、引っ越しや経済的な理由、飼い主の病気や他界、木の下で繋がれ捨てられていた犬が引き取られている。さらにブリーダーの都合により手放された純血種もいた。

問題は、受け入れの要請が毎日あるにも関わらず、ここで受け入れられるのは30頭まで、一か月に平均10頭貰われても追いつかないのが現状のようだ。ただ、そこに入れなかった犬に関しては、一時的に世話をしてくれる人に任しウェイティングしてもらっている。

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「どんな人でも里親になれますが、その人が最後まで責任を持って世話ができるかまず面接をします。犬を飼った経験はあるのか。一日何時間家にいるのか。家族全員が承諾しているのか。どんな場所で飼うのか。例えば、セントバーナードを世話するには月々Rs6000かかるが経済的な余裕はあるのか。犬は無償でお渡ししていますが、そこが一番大事なんです。私たちは、受け渡した後もその様子をチェックしに行きます。」と管理も徹底している。

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牛に関して言えば、以前デリーで野良牛について取材をしている際、野良牛問題は今や社会問題で、町の中心部に牛が来ないよう郊外にあるコロニーに野良牛は集められていると聞いたのを思い出した。牛は、神様扱いされているのに自分で養えなくなったら野放しにするという感覚がどうも理解できない。それこそ罰が当たりそうだ。ただ、動物を殺してはいけないという法律は理想的かもしれない。

「Second Chance Adoption Centre」

16/2B Roopenagrahara Behind Balaji Complex At Silkboard Junction 

Madiwala flyover Bangalore 560068

Ph: +91 9986004368 Conact person Sauvik

Opning time 11:00~17:00

年中無休

CUPAホームページ

http://www.cupabangalore.org/

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