素朴で温もりのあるテラコッタジュエリーの世界

公開日 : 2016年05月02日
最終更新 :
筆者 : 竹内里枝

インド人のアクセサリーを見るとほとんどが「ゴールド」。そんなインド人に「日本人は、どうしてシルバーが好きなんだ?」と聞かれる。「肌の色に合うから?」と答えてしまうが、インド人は、「金は、いざという時に売れるし体にもいいんだ。」と熱く語りだす。

ちょっと貧しそうな人でも、さりげなく金のピアスやネックレス、ブレスレットをつけているからすごい。しかも、18金に興味はなく24金だ!と言う。

しかし、素材や値段に関係なく人の気を引き付ける素朴なジュエリーだってインドにはたくさんある。旅行者にとってはそちらの方が新鮮に目に映る。その一つ。「Terracotta Jewelry」の世界に私は魅了された。

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テラコッタとは、イタリア語で「焼いた土」の意味を表し、粘土で造形した素焼きの器物や塑像、瓦などの総称です。インドにおけるテラコッタの歴史は、ハラッパ、モヘンジョダロ文明にまでさかのぼる。その証拠に遺跡からは、礼拝などの儀式で使われた偶像や装飾品やポット、イヤリング、ネックレス、ブレスレットなどが発掘されている。しかし、インドで最も古い芸術の一つであるテラコッタも今は減少し、それに伴い職人たちはこの時代に合った装飾品、例えば人形や風鈴などを製作することでその伝統を今に伝えている。

「Terracotta Jewelry」は、西ベンガル州で発展し、タミルナド州で盛んになったとも言われている。

「泥なんか体に身に着けてどうするんだ?そいつは売れるのか?」と笑うインド人もいるが、最近では生活に余裕があったり、アートに関心のあるお金持ちの女性の間で人気を集めている。何度も濾した細かい土だけを使っているからテラコッタジュエリーはラクガンのように固く軽い。当然ながら落とすと割れる。だからこそ両手で大切に扱いたくなる繊細なジュエリー。

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エキゾチックに感じる「Terracotta Jewelry」のモチーフは、花や木、葉っぱなどの自然の影響を受けたり、インドの伝統寺院や伝統舞踊からヒントを得ているという。

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訪れた工房でもデザイン案は1000以上あり、主な作品は、ネックレス、チョーカー、イヤリング、ブレスレット、ベル、アンクレット、モビール、コースター、フィンガーリング、人形など。

取材に協力してくれたBindhu Mathaiさん。

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夫はセラミック会社を経営し、その傍ら専門学校でテラコッタ制作を学び、1994年自身が主催するショップ兼工房「AAKAAR」を始めた。広大な敷地内に夫の工場、そして住まいや、そしてショップ兼工房。女性の理想というか・・・リッチなマダムは、趣味を商売にしてしまう。また、彼女は、貧しい人に仕事のチャンスを与えるため、この技法を伝授しその人たちに工房を任せている。なので、我々が教えてくださいと言っても決して教えてくれない。ベンガルールのショップに、他の人が制作したテラコッタジュエリーも時々置いてあるが、Bindhu Mathaiさんは、1997年に、インド政府からテラコッタジュエリー普及への貢献者として「National Award」を受賞している。

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「AAKAAR」

Address:International Airport Road,Venkatala,Yelahanka,Bangalore 560064

Tel:080-6537-1123

営業時間:9:00~17:30

定休日:日曜日

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