「スラムの女性を支えるNGO」

公開日 : 2016年11月04日
最終更新 :
筆者 : 竹内里枝

現在、インド国内には2804のスラム地域があると言われ、そのうち597の地域はベンガルールにあります。そこに住む女性を支えるNGOの一つANU LIFEを紹介します。

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ANU LIFEは、夫の駐在で滞在していたオランダ人女性Tinekeとインド人デザイナーの2人によって2010年に立ち上げられたNGOです。時間を持て余すなら誰かの為に何かをしたい、社会と繋がっていたい。そんなTinekeの発想から始まったANU LIFEの事務所は、Janakiram Layout のスラムにあり、管理者は2人。働いているのはそのスラムに住む女性10人です。

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ここでは、テトラパックで作るバッグとセンメントや米袋を加工して作るバッグの2種類を製作しています。テトラバッグの場合、まず捨てられていたテトラパックを洗い乾燥させ、2センチほどの幅に切っていきます。

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それを何枚編んでいくことでいろんなデザインのバッグができ上がります。報酬は、ワンピースRs1の計算で小さなトートバッグを1つ作ればRs40貰えることになるのです。ここでの作業が終わったらバッグはテーラーに持ち込まれ、そこで裏地やファスナーをつけ仕上げし商品化します。

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テトラバッグはとても丈夫なのが特徴で使い方にもよりますが2年経っても壊れないそうです。

一方、一見何でできているか分からないカラフルなセメントバッグは意外な工程を経て作られています。

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ここでの作業は、一枚のセメントバッグに毛糸で細かくスティッチし模様を施していくこと。

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こちらは、1インチ四方にスティッチをして1Rsの報酬。もともと重い物を入れる袋なのでこちらも丈夫で水にも強いのが特徴。

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光沢あるこのサイズのハンドバッグでRs322。

働き方は、2つあり自分の好きな時間にここで作業をしたり、子供の世話をしながら自宅で作業をしたりと1日に平均4時間ほど制作時間に費やしているそうです。

そして、彼女たちが地道に稼いだ報酬は、子供たちの教育資金などに充てられます。

夫がアルコールや薬物中毒になり、妻への暴力や子供への虐待が絶えない家庭もある中、作業場はお金を稼ぐ場所というより彼女達の憩いの場と言っていいほど絶え間なく笑い声が続いていました。

彼女達はここで語らい、自身への自信をつけストレス発散をしているのかもしれません。

ANU LIFEは、元々スラムの女性たちに自立を応援するのが目的のため、教養のない女性のために社会で必要な英会話、会計業務なども教え、将来自分たちだけで運営できるようそのノウハウも伝授しているそうです。

(ANU LIFE)

#1950/82,10th Cross,A Block,Janakiram Layout,New Lingarajapuram,Maruthi Seva Nagar,Bangalire 560033

電話:+919980480815

E-mail:contactanulife@gmail.com

Facebook:ANU Life

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