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インド/ベンガルール特派員ブログ Takeuchi

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2018年6月28日

インドの近代アートに触れる


インドの近代アートに触れる

インドで芸術鑑賞というと古典美術と思われがちですが、現在インド国内には国立近代美術館が3カ所にあります。設立した順に並べるとデリー、ムンバイそしてベンガルール。さらに近い将来コルカタにもできる予定だそうです。シンガポールを例に出せば、経済発展が著しくなってくるとそれだけでは物足りなくなり、心を豊かにするアートといった芸術分野にも力を注ごうという動きが出てきます。今回は、そんなインドの国立近代美館の魅力をご紹介します。
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「インドには、伝統的な絵や彫刻を展示する美術館はあるが、先進国のように近代美術館がない。古典美術はそのままで何も変わらない。もっと新しいアートの世界をインドに広げよう。」そう提唱したのはネルー首相。国立近代美術館は文部省によって管理され、ここをハブとして国内の近代美術の普及に力を入れようという狙いで設立された。

ベンガルールの国立近代美術館National Gallery of Modern Art Bengalure(NGMA)は、Manikyavelu Mansionの敷地内に2009年2月18日にオープンした。
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企業家 Manikyaveluが所有していた敷地は、1939年マイソール王Kanteerava Narasimharaja Wadiyarから買い取られたもので、1970年代に政府によって引き継がれ、今は文化省の管理下となっている。
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この美術館の魅力は、そんな歴史的な建物の中に作品が展示されているという点にもある。

(1900年代の邸宅を活用した国立近代美術館)
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メインに使われている本館は1926年に建てられたビクトリア朝の2階建て白亜の建物で、当時の居住空間が美術館へとリニューアルされた。天井の高いヨーロピアンクラシック調の美しい空間に圧倒されながら、厳重に絵を見張るガードマンの指示に従って絵を鑑賞していくと、一部屋一部屋をギャラリーとして上手く使っている事がよく分かる。視線を落として床を見てみると、タイルにまで幾何学模様が施されているので見ていて飽きない。残念ながら、中の様子は取材とは言え撮影NGだったので実際に足を運んで確かめてほしい。

(オープンに合わせ新館も)
建築と都市デザインにおいて30年以上の経験を持つ建築家Naresh Narasimhanによって増改築された1260平方メートル新館には、講堂、図書館、ミュージアムショップ、カフェが設けられている。彼は、元々あった独特で珍しい形の庭園を最大限に生かし、文化的遺産である本館と新館がマッチするよう心掛けた。また、100年以上経っているゴムの木やヤシの木といった巨樹はそのままにし、足りない部分は植樹している。
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その甲斐あって、館内はパレスロード沿いにあるにも関わらず静かで、落ち着いた雰囲気の中で美術鑑賞できるのも魅力的。

(インド近代美術史の代表する画家とは?)
現在、ここで所蔵されている作品は全てインド人アーティスト達によるもので、政府が収集した作品やアーティスト自らが寄贈した作品など合わせておよそ500点。所蔵されているのは、15世紀から1990年代に描かれた絵画や彫刻、グラフィックアート、写真など貴重な作品ばかり。中には国外持ち出し不可という国宝級の作品も。では、いったいインド近代美術史を代表する画家とは誰なのか?
キュレーターが語る覚えておくべきインドを代表する画家を紹介しよう!

★Rabindranath Tagore(1861~1941):詩人であり、思想家である彼は、アジア初のノーベル文学賞作家としても知られる画家。また、音楽家という別の顔も持ち作曲も手掛けた。インド国歌及びバングラデシュ国歌の作詞・作曲者でもある。

★Rata Ravi Barma(1884~1906):南インドの地主階級に生まれた画家で、当時まだ芸術家という地位が確立していなかった時代のインドで芸術家としての名声を広めた。西洋絵画の影響を受けた彼の描く写実的で現代的な人の姿や神話の世界は、海外の愛好家達を魅了し国内でも賞賛された。また、インド初のリトグラフ工房を設立したため彼の作品は購入しやすくなり、より身近な作品として広く普及した。彼のリトグラフは「福岡アジア美術館」でも見られる。

★Jamini Roy(1887~1972):彼は、自身の故郷ベンガル地方のカーリガート絵画を元に、単純化された図像や力強い輪郭線を土台にすることで独自の作風を生み出した。インド近代美術史を語るには欠かせない作品ということで日本では「福岡アジア美術館」が彼の肉筆の作品を3点所蔵している。帰国後の楽しみとして是非覚えておきたい画家の一人。

★Amritha Sher-Gil(1913~1941):インド人の父とハンガリー人の母の間に生まれた女性画家。彼女の作品をきっかけに近代絵画の収集が始まった。16歳でパリへ渡り、伝統的な芸術学校であるエコール・デ・ボザールへ留学。「ベンガル派」と呼ばれる芸術グループを形成し、インド・ベンガルの芸術復興に貢献する。しかし、ラホールで個展開催の準備中に重い病にかかり28歳という若さで急死した。

★M.F.Husain(1915~2011):絵画の抽象化を手掛け1980年代に最も成功した国際的なアーティストとして注目を浴びる。「インドのピカソ」として知られた画家。彼は、生涯を通して馬の生き生きとした自由な精神を描いた。

(耳より情報)
多くの人に近代美術について理解してもらおうと美術館では、学芸員と館内を巡る「Regular gallery walks 」を毎週水曜日の 11.00 ~12:00と毎週土曜日の15:.00 ~16: 00 に行っている。対象は、18歳以上。


「National Gallery of Modern Art Bengalure(NGMA)」
Bengaluru Manikyavelu Mansion, #49, Palace Road, Bangalore-560 052
Tel: 080-2234-2338
開館時間:10:00 ~17:00
休館日:毎週月曜日・祝日
入館料:大人(外国人)Rs500 (インド人)Rs20  17歳以下無料
http://www.ngmaindia.gov.in/ngma_bangaluru.asp

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カテゴリー 文化・芸術・美術
2018年6月28日
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      ベンガルール特派員
      Takeuchi
      (元ラジオプロデューサー)
      1996年 最初にインドを訪れて以来インドには縁がありデリーにも住んでいた。 今回は、日本人向けフリーペーパーの助人として再渡印。 趣味は、遺跡巡り。18年間でインド国内主要な世界遺産や都市を制覇。 その経験を活かして旅人、出張者、生活者に役立つ情報を発信したい。 また、ベンガルール(旧バンガロール)で生活することにためらいを感じている方へ 「意外と住める!」と思える生活に密着した情報をお伝えします。 DISQUS ID @disqus_s48CxIcmIg

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