ケルン大聖堂を仰ぎ見ながら渡るホーエンツォレルン橋

公開日 : 2016年06月20日
最終更新 :

ケルン中央駅を出ると目の前にそびえたつケルン大聖堂。その壮大さに初めて見た人は皆、息を飲みます。

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16世紀以来、建設が中止されていた大聖堂の1842年に建設を再開することは、建築再開を決めたフリードリヒ・ヴィルヘルム4世(プロイセン王)、ひいてはプロイセン王国の威信を高めるための事業のひとつでした。

超高層ビルを見慣れている現代の私たちでさえ、大聖堂に圧倒されるのですから当時の人々にとってその迫力は想像を絶するものだったでしょう。

フリードリヒ・ヴィルヘルム4世は効果的に迫力ある大聖堂を誇示しようと、大聖堂の真正面にDombrücke(直訳:大聖堂橋) を建設しました。ライン川を渡って来た人々は大聖堂を真正面から仰ぎ見ることで、その大きさに圧倒されたのです。

19世紀末にケルン中央駅が建設されたのに伴い、橋を利用する列車が増え、大聖堂橋にかわり、ホーエンツォレルン橋が建設されました。ホーエンツォレルンはフリードリヒ・ヴィルヘルム4世が出身の一族の名前です。

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いまではホーエンツォレルン橋は一日に1200以上もの列車が行き来する、ドイツで最も列車頻度が高い橋です。

ケルンに来たら、ぜひホーエンツォレルン橋にまで足を運んでみてください。すさまじい数の南京錠がかかっていて、びっくりするはずです。

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カップルがこぞってかけた南京錠がかかっています。愛の南京錠なだけに赤やピンクが目立ちます。このような鍵は近くのショップではあまり販売されていませんが、たまに観光客用のショップでも見かけます。

別れたときのために切り取れるようペンチもあるのが、現実的なドイツ人らしくて笑えます。わざわざ本当に切りに来ると逆に未練がましいような気もしますが...

橋に南京錠をかけるカップルは以前からいたのですが、Höhnerというケルン出身のバンドが2009年に出した「Schenk Mir Dein Herz (訳:君のハートを僕にちょうだい)」のPVで橋にかかる鍵を映したことにより爆発的に人気が出ました。

Schenk Mir Dein Herzオフィシャル

最初は南側(ケルン大聖堂を背に橋の右側)にしかかけていなかったのですが、最近ではかけるスペースがないため左側にまで進出しています。

橋を渡ると美しいケルンの街を見ることができます。もし時間があれば、橋を渡って少しのところに建つトライアングルという建物の展望台まで登ってみてください。高いところから大聖堂を近くで見られる唯一の場所です。橋のわきにはホーエンツォレルン家の国王の銅像が両岸に左右1体ずつあります。橋を渡り、大聖堂を背に左側にあるのがフリードリヒ・ヴィルヘルム4世です。右側にいるのはヴィルヘルム1世です。

フリードリッヒ・ヴィルヘルム四世.jpg

こちらはフリードリヒ・ヴィルヘルム4世です。

筆者

ケルン2特派員

マリ・ミュラー

ドイツに約10年在住。

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