海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > ヨーロッパ  > ボン特派員ブログ > ゾーリンゲンと刃物ミュージアム

ドイツ/ボン特派員ブログ 旧特派員 新井 麻里

ドイツ・ボン特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2016年7月25日

ゾーリンゲンと刃物ミュージアム


ゾーリンゲンと刃物ミュージアム

刃物メーカーであるツヴィリング・J.A・ヘンケルスが本拠を置くことで有名なゾーリンゲンはケルンとデュッセルドルフからそれぞれ電車1本で20分ほどで行くことができます。


ゾーリンゲンはツヴィリング・J.A・ヘンケルスだけでなく、多くの刃物メーカーを輩出し、中世より刃物の街として発達してきました。もともと中世の頃に農民が武装を始めたのが刃物の街として発展したのが始まりです。


20世紀初頭にはなんと刃物の世界シェア80%を誇りました。しかしその後急速な工業化が進み、ゾーリンゲンは刃物の街としての絶大な力を失っていきました。1970年代にはそれまでの勢いは見る影もなくなっていたのですが、ゾーリンゲンでも工業化が進み、現在は世界シェアの30%をキープしています。


現在ゾーリンゲンではほとんどのメーカーが機械で刃物を作っており、商売あがったりで職を失った職人も多いようです。現在でも職人として刃物を作っている方はメーカーではなく、自営業として活動しています。工業製品としての刃物、手作りとしての刃物、それぞれ顧客が求めるものが違うため、棲み分けはできているようです。


ゾーリンゲンには現在も工業化していない刃物メーカーも存在します。「Windmühle」もそのひとつで、全ての作業を手仕事で行っています。普段「Windmühle」の工場に入ることはできないのですが、テレビ撮影のお手伝いで運よく見学できることがありました。残念ながら個人的な撮影は禁じられていました。


刃付け作業は六畳ほどの部屋に7,8人の若い男性たちが所狭しと行っているのが印象的でした。意外にもいわゆるマイスター然とした長老のような方はいなかったよう思います。また最後のキレ味の調整は違う部屋で行われているのですが、この作業のエキスパートはたった2人しかいないそうです。整えたあとはキレ味を確認するため必ず紙をサッと切っていました。なかなか原始的な方法だなと感心してしまいました。

Windmühleは日本の職人さんとコラボして、日本包丁も出しています。


現在、ゾーリンゲンには鍛冶屋の工房が集まる場所は存在しません。少し鄙びた街というのがゾーリンゲンの印象でしょうか。しかし駅前のセンター街へ行くとゾーリンゲンでしか見られないものが点在しています。円形の石なのですが、周囲に傷がついています。

その昔、刃物を研ぐために使われていたそうです。細かく入った線は刃を当てたあとです。


ゾーリンゲン駅からタクシーで20分ほどのところには刃物ミュージアムがあります。世界最大の刃物博物館で、保蔵する刃物の数は数万にも及ぶそうです。アフリカやペルシア、アジア各国の刃物も陳列される中、日本刀もあります。普段は展示されていませんが、日本の職人による刃物は日野浦司さんのもの一点のみだそうです。
solingen museum

一階に入ってすぐのところにはイランなど近代の刃物が展示されています。一階にはそれ以外に中世の頃の刃物や現在日常生活で使用する刃物を見ることができます。また実際に剣を持つことができるスペースも設けられています。
GEDC0775.JPG


GEDC0765.JPG

2階の左手にはいつも特別展があります。また常設展には20世紀初めにアメリカで行われた世界的な展示会で実際に展示したゾーリンゲンの栄華を表したはさみでできたクジャクの展示物を見ることができます。

GEDC0798.JPG

こんなにたくさんのはさみを一度に見たことはないので、なかなか圧巻です。当時どれだけゾーリンゲンが刃物業界で力を持っていたかを垣間見ることができます。

刃物ミュージアムの裏手には第二次世界大戦で戦火を免れて、現在も18-19世紀のゾーリンゲンを垣間見られるGräfrathというエリアがあります。

IMG_0049.JPG

ゾーリンゲンはベルギッシャーランドというベルグ家が統括した地の一部で、この鮮やかな緑の窓扉に、ここの地域で取れる石を壁に貼り付けたスタイルはベルギッシャーランド独特のもので、他で見ることはできません。地域によって違う建築物見るのもまた、ドイツの楽しみ方の1つです(ケルンやボンはまた違った領主がいたので、違う建物です)

Kunst Museum Solingen


【営業時間】
火−日:10時〜17時

【入場料】
大人:6ユーロ
子供:3ユーロ
学生:2ユーロ

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー 文化・芸術・美術 見所・観光・定番スポット
2016年7月25日
« 前の記事「ドイツ料理Königin Pasteteのレシピ」へ
»次の記事「ドイツで食べられるファーストフード、Gyros」 へ
ボン特派員 新着記事
ハンバーガー
Bonnの進化
ボンの状況
マスクについて
ドイツのクリスマスツリー
こんな時代のBonn生活
ボンから、あけましておめでとうございます
近郊の可愛い街のクリスマスマーケット

ドイツ ツアー最安値


2021/3/31更新

ドイツ 航空券情報


ドイツ旅行 旅スケジュール

旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■ドイツの旅行記・口コミ「旅スケ」へ

ヨーロッパ特派員ブログ一覧

アイスランド/レイキャヴィークアイルランド/ゴールウェイイギリス/イーリーイギリス/ウェルシュプールイギリス/エディンバライギリス/カーディフイギリス/ギルフォードイギリス/グラスゴーイギリス/ケンダルイギリス/ケンブリッジイギリス/コッツウォルズイギリス/ヒースローイギリス/ブリストルイギリス/ベルファストイギリス/ヨークイギリス/ロンドンイギリス/ロンドン2イギリス/ロンドン3イギリス/ロンドン4イタリア/アンコーナイタリア/アンドリアイタリア/シチリア島イタリア/ジェノバイタリア/トリノイタリア/ナポリイタリア/ナポリ2イタリア/ナポリ3イタリア/パルマイタリア/フィレンツェイタリア/ベネチアイタリア/ボローニャイタリア/ミラノイタリア/ミラノ2イタリア/ラ・スペツィアイタリア/ローマイタリア/ローマ2イタリア/ローマ3ウクライナ/オデッサエストニア/タリンエストニア/タルツオランダ/アイントホーフェンオランダ/アムステルダムオランダ/デルフトオランダ/デンボスオランダ/ライデンオーストリア/ウィーンオーストリア/ウィーン2オーストリア/チロルオーストリア/リンツキプロス/ニコシアギリシア/パロス島ギリシャ/アテネクロアチア/コルチュラ島クロアチア/ザグレブクロアチア/ドゥブロヴニクジョージア/トビリシスイス/アッペンツェルスイス/チューリヒスイス/ベルンスウェーデン/ストックホルムスペイン/イビサ島スペイン/バルセロナスペイン/バルセロナ2スペイン/バレンシアスペイン/バレンシア2スペイン/ビトリアスペイン/ビルバオスペイン/マドリッドスペイン/マドリッド2スペイン/レオンスロヴェニア/リュブリャナセルビア/ベオグラードチェコ/ブルノチェコ/プラハチェコ/プラハ2デンマーク/コペンハーゲンドイツ/ケルンドイツ/ケルン2ドイツ/シュタインバッハドイツ/デュイスブルクドイツ/デュッセルドルフドイツ/ハノーファードイツ/ハンブルクドイツ/フライブルクドイツ/フランクフルトドイツ/ブレーメンドイツ/ベルリンドイツ/ボンドイツ/ミュンヘンドイツ/ミュンヘン2ドイツ/ミンデンドイツ/ライプツィヒドイツ/レーゲンスブルクドイツ/ワイマールノルウェー/オスロノルウェー/オスロ2ノルウェー/オスロ3ノルウェー/ベルゲンハンガリー/ブダペストフィンランド/サヴォンリンナフィンランド/トゥルクフィンランド/ヘルシンキフィンランド/レヴィ・サーリセルカフランス/アヌシーフランス/アンボアーズフランス/カンヌフランス/コートダジュールフランス/ストラスブールフランス/トゥルコアンフランス/トゥールーズフランス/ナルボンヌフランス/パリフランス/パリ2フランス/パリ3フランス/ブールジュフランス/ボルドーフランス/マルセイユフランス/リヨンフランス/リヨン2フランス/レンヌブルガリア/ソフィアブルガリア/プレヴェンベルギー/アントワープベルギー/ゲントベルギー/ブリュッセルベルギー/ブリュッセル2ベルギー/ルーヴェンポルトガル/ポルトポルトガル/リスボンポーランド/カトビッツェマケドニア/スコピエマルタ/マルタ島モンテネグロ/ポドゴリツァヨーロッパ/バルカンラトヴィア/リーガルクセンブルク/ルクセンブルクルーマニア/ブカレストロシア/サンクトペテルブルグロシア/モスクワ

ヨーロッパにもどる

  • 特派員プロフィール
  • ボン特派員

    ボン特派員
    新井 麻里
    結婚を機に2015年3月ドイツに移住しました。現在は英日の翻訳をする傍ら、ケルン・ボン・デュッセルドルフを中心に日本人観光客向けにガイドも行っています。おいしいもの、おしゃれなものに目がなく、いいものはないか、常に目を光らせています。ガイドとして、現地に住む日本人として、ボンやケルン周辺のおすすめを紹介します。 DISQUS ID @disqus_AjdakSpH0c

  • リーダーに登録

地球の歩き方Web特派員募集